【海洋生物科学科】瀬戸内水研との百島合同セミナー開催
百島には海産無脊椎動物研究センター(国立研究開発法人水産研究・教育機構)という施設があり、瀬戸内海の地域水産業の活性化に向けた研究が行われています。
こんにちは、今月から学長室ブログ・メンバーとなりました生命工学部・海洋生物科学科の渡辺です。
本日は、福山大学から最も近い離島である尾道市百島(ももしま)での話題を紹介します。
百島(ももしま)
福山大学から南へ9キロほど離れた海域に浮かぶ、周囲約12キロ(面積約3平方キロ)の小さな島で、尾道駅前からの定期船で行くことができます。穏やかな海に周囲を囲まれ、風光明媚な場所として知られています。
写真(上)は、昨年、海洋調査の際にカヤックで百島へ渡ったときの様子です。今回は、そうした野外調査で島を訪れたのではありません。百島滞在中のほとんどの時間を屋内で過ごしましたが、参加した我々にとっては大変刺激的な一日となりました。
海産無脊椎動物研究センター(瀬戸内海区水産研究所百島庁舎)
百島には、国立研究開発法人水産研究・教育機構の海産無脊椎動物研究センターがあり、瀬戸内海の地域水産業の活性化に向けた研究が行われています。
研究センターの6名の職員の皆さまと、本学の海洋生物科学科の教職員・大学院生計9名との合同セミナーを4月16日に行いました。その様子を紹介します。
福山大学の参加メンバー(上記写真の8名と撮影者の有瀧教授の計9名)。前列中央の2名は今年度から福山大学の教職員となった藤川技術職員(左)と黒澤助手(右)
まずは、研究センターの施設を見学させていただきました。施設の中央には3つの巨大な飼育池(40×120m)があり、マガキ養殖の実験などに利用されているそうです。
施設内では、アサリ、タイラギ、マダコ、クルマエビなど、瀬戸内海を代表する海産無脊椎動物の飼育設備を見ることができました。
ちなみに、こちらの研究センターには、昨年度私の研究室を卒業した吉川君(左)が研究支援職員として勤務しております。上司(菅谷博士:右)とも仲良くやっているようで安心しました。二人とも随分とラフな格好です。
合同セミナー
施設見学の後は、いよいよ合同セミナー・スタート。まずは、福山大のメンバー6名が以下のような内容で各自の研究を発表しました。
・クロウミウマ稚魚の育成に適したワムシ強化剤および飼育システムの検討
・斃死ドジョウ由来細菌の生理・生化学的性状および病原性
・シロギスの産卵が長期にわたる要因分析
・シロギス種苗生産における技術開発と課題
・ウシエビの行動追跡調査
・オオミズナギドリの生態調査
写真はシロギスの種苗生産に関する研究を発表する藤川技術職員。各発表は予定の時間(20分)を超えて、盛んに質疑が行われました。現場を知る水産研究の専門家のご意見は、我々にとって大変有意義なものとなりました。
つづいて、研究センターの3名の方々が、以下のように3題の発表を行いました。
・海産無脊椎動物研究センターの概要
・貝類グループの研究
・甲殻類グループの研究
しかし、前半部分の我々の発表で予定時間を大幅に超えてしまい、研究所の方々の発表時間は残念ながら大変短くなってしまいました。しかし、セミナーは13:30~17:00まで、まったく休憩も入れずに!発表と議論が続きました。気が付いたら帰りの定期船の時刻が迫っており、セミナー後は、荷物をまとめて、大急ぎで港へと向かいました。
上の写真のようなおしゃれな定期船に乗り、無事に尾道港への帰路へつきました。セミナーのつづきは尾道の居酒屋で、瀬戸内海の水産資源を味わいつつ、終電近くまで議論は続きました。今回の合同セミナーははじめての試みでしたが、今後もさらに研究交流が続くことを期待したいと思います。海産無脊椎動物研究センターの皆さま、どうもありがとうございました。
学長から一言:福山大学の教職員にはもちろん、学生にとっても他流試合で、とてもよい刺激になり、勉強になりましたねッ!海産無脊椎動物研究センターの皆さまに感謝!!!ところで、「何でそんなに急いで帰るの?」と思ったけれど、定期船に乗りはぐれたら帰れなくなるのですね。。。「春の海、のたりのたりかな」。。。