【生物工学科】学生向け「お酒の講座」を開催
10月9日(水)、生物工学科2年生の醗酵生産・醸造学は、いつもと趣向を変え「お酒の講座」と題して外部の先生にお話いただきました。本講義の担当で、福山大学ワイン醸造所長の吉崎が報告します。
お酒の講座
「お酒の講座」は広島国税局の企画で、講師の選定や日程なども調整いただきました。講義では、まず広島国税局の酒類調整官から本企画の趣旨などが説明されました。また、来春に広島県先行上映予定の吟醸酒の父・三浦仙三郎(東広島市出身)を描いた映画「吟ずる者たち」が製作中との紹介もありました。
酒類調整官より趣旨の説明
今回の講師は、ワインに関しては私よりもよほど詳しい福山小売酒販組合理事長の野田福美さんと㈱野田商店代表取締役の野田和秀さんの2名です。醗酵生産・醸造学では、世界の色々なお酒や発酵食品について学びますが、そのうちワインに関する授業を一コマ、お二方にお願いをしました。
講義中の教室の様子
ワインを知るため、フランスへ
野田福美さんは、福山市にある酒屋さん「酒のノダ」の前社長でもあります。こちらのお店は、なんと創業が大正11年(1922年)なのです。全国でも屈指の老舗酒屋さんですね。ちょうど、福美さんがお店を引き継ぎされた頃に洋酒の需要が高まってきたそうですが、取り扱い銘柄のワインが同一品に見えるのに値段が全然違うことに驚き、調べてみるとヴィンテージ(製造年)が違っていたとのことでした。
どうして製造年が違うと値段が違うのか、当時ワインの日本語文献もほとんどなく調べても分からず、現地のワイナリーを訪ねることにしたそうです。そうして自分の足で切り開いた人脈が思いもよらない世界に繋がっていった物語が語られました。こちらも映画化するべきではないかと思いました。。
講義中の 野田福美 理事長
続いて、「酒のノダ」現社長の和秀さんです。この方もワインの世界にどっぷり嵌まった方で、本場フランスの名門であるボルドー大学やブルゴーニュ大学のワインコースで、専門的にワイン造りを学んでこられた方です。
講義では、フランスの有名なワイナリーで研修した経験などを語ってくださいました。有名ワイナリーでも意外と手抜き(?)することがあったり、それをお客さんの目に触れないよう気を付けている(笑)といった、中の人でなければなかなか知ることのできないこぼれ話も聞くことができました。
講義中の 野田和秀 代表取締役
この講義は2年生向けで、お酒が飲めるようになる学年です。酒文化の奥深さに触れ、少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです。
実は、昨年も同様の講義を行ったのですが、その後こちらのお店に立ち寄った学生がいたとのことで、野田社長も喜んでおられました。お酒選びは相当詳しくないと難しいので、スーパーやコンビニではなく街の酒屋さんで購入するといいですよね。自分にぴったりのお酒を紹介していただけますよ!
学長から一言:ブドウの栽培からワインづくりまでを授業に組み込んでいる生物工学科ならではの講義ですねッ!この「お酒の講座」が広島国税局の企画で、講義ではまず広島国税局の酒類調整官のお話から始まり、そしてそのあと老舗の酒屋さん二代からの講義というのも、硬軟織り込んで、という感じで粋ですねッ!