【生物工学科】東村葡萄園の開園式!
昨年度末より準備してきた生物工学科の東村葡萄園がようやく形になってきましたので、8月5日(月)、醗酵科学研究室のメンバーによる開園式を行いました。学長室ブログメンバー 兼 福山大学ワイン醸造所長の吉崎が、これまでの準備を振り返りながら報告します。
ブドウ園の造成
昨年度末、福山大学から徒歩10分ほどの場所にある東村町の水田を借りられることになり、ブドウ栽培用に急遽整備を行いました。ブドウは乾燥を好む植物のため、水田からの転作では排水が大きな問題になります。そこで、暗渠排水を増設し、客土を入れ、さらに畝立てと、業者さんによるそれなりの大工事となりました。
この段階で看板も設置しました(少々気が早いのですが笑)。スクールバスで松永方面に帰る際、正門を出て程なくすると左手に見えます。山本覚生命工学部長によるデザインです。
畝ができたら、早速ブドウの苗を植えました。福山特産のブドウと言えば、マスカット・ベーリーA種ですね。生食・加工用兼用品種であり、国際ブドウ・ワイン機構に登録されている日本オリジナルの赤ワイン用品種でもあります。今回、私たちが植えたのもすべてマスカット・ベーリーAです。
続いて、ブドウ棚の設置です。枝を横に誘導するのでワイヤーと支柱が必要なんですね。これも大がかりな作業なので、業者さんにやってもらいました。
ビニール屋根の設置は自分たちで行いました。ブドウは雨に濡れるととても病気になりやすいため、この屋根はほとんど必須です。梅雨が来る前に作業を終えました。
そうこうして、ようやくブドウ園らしくなってきました。今年は梅雨が長く続きましたが、植えたばかりの苗にとっては好都合だったようで、とても順調に生育してくれています。とはいえ、実が着き始めるのに2~3年と言われていますので、まだまだこれからです。
ここまで順調に見える新ブドウ園の造成ですが、梅雨の最中様子を見に行ったところ写真のように水浸しとなっていました。かなり排水には気を遣ったのですが、長雨だと対応しきれないようです。これがブドウの品質にどれほど影響を及ぼすかは、これから注意深く観ていかなくてはいけません。
開園式を挙行
8月5日(月)、定期テストも終わったところで東村葡萄園開園式を執り行いました。といっても大勢来ると畑が荒れるので、普段ブドウ園の維持管理に尽力してもらってる醗酵科学研究室のメンバーだけでささやかに行いました。
開園式では、一応それらしく紅白幕を張り、テープカットも行いました!!(写真を撮り忘れました・・・)。まず、山本覚生命工学部長 兼 (非公式)東村葡萄園長から開園に漕ぎ着けた経緯と、普段から醗酵研の運営(特にブドウ園の維持管理)に協力いただいてることについて、労いのお言葉をいただきました。なお、岩本博行生物工学科長は出張のために欠席でした。残念。
また、吉﨑ワイン醸造所長(私)からは、今後の抱負を述べさせていただきました。すでに、せらワイナリーさんに委託醸造している「さんぞうの赤」や「備後ワイン」がありますが、いつかこの東村葡萄園で穫れたブドウを使って少量でも市販できるようにしたい!そして、三次ワイナリーさんの「TOMOEマスカット・ベーリーA木津田ビンヤード2017」が、IWSC(インターナショナルワイン&スピリッツコンペティション2019)でSilver受賞したことを引き合いに、広島産マスカット・ベーリーAのポテンシャルの高さとそれを東村葡萄園で引き出したいという夢を語りました。
最後に、東村葡萄園の新たなスタートを祝して赤ワインで乾杯しました!(ノンアルコールです。念のため)。ここで最高のブドウができたら、今度は(17:00以降に)本物のワインで乾杯したいですね!
学長から一言:我が家はこの葡萄園に比較的近いので、週の半分はこの前を通って大学に行っているんですよ!もちろん時々葡萄園に入って観察!苗木を植えた後、春になってもなかなか芽を出さないのが1本あって、心配しましたネー。。。少し遅れて、皆元気に葉を付けました。。。通勤途中の楽しみが一つ増えました!!!