【スマートシステム学科】初年次教育教養ゼミでドローン飛行!
福山大学では、新入生対象の教養ゼミ(教養講座)という講義があり、大学生が基本的に身につけるべきコミュニケーション能力や学習の基本スキルを習得することを狙いに様々な授業を展開しています。スマートシステム学科での教養ゼミでは、協調性や自主性を身につけるためにグループワークを取り入れて、授業を通して成果物を作り上げよう!という学修を取り入れています。今年度の教養ゼミで、どのような成果が出たかをこの授業を受け持っている工学部スマートシステム学科(フェイスブックはこちら)の伍賀が紹介します。
教養ゼミでのグループワークは、オリエンテーションや理数系リメディアル教育が終わった6月から開始され、最終授業で成果物の発表を行います。スマートシステム学科では、この数年、レスキュークローラというリモコン式ロボットキットを使用した災害救助ロボットシミュレーションに取り組んできました。グループワークのテーマは、受講学生のディスカッションとディベートによって決定してもらっています。今年度は、昨今様々な場面で注目を集めている「ドローン」による空撮を導入し、「地上のロボットとドローンの連携した災害救助シミュレーション」というテーマになりました。これは、昨年の広島・岡山を中心にこの地域でも大きな被害が出た西日本豪雨被害を踏まえて、本当に役に立つ技術とは何かを考えた結果です。
土砂崩れを模したジオラマを製作し、空からのドローンでの撮影による情報収集とその情報に基づき地上ロボットでの走破を行う、というなかなかチャレンジングなものになりました。まずは、ジオラマ製作のために、工学部棟1階のプロジェクト室で発泡スチロールやコルクボードなどの部材を手分けして加工していきます。
作業風景、手分けをしてジオラマ製作
7月下旬の教養ゼミの15回目の講義で、成果発表会を行いました。実際にロボットを使ったシミュレーションを競技としてやってみよう!という試みです。発表会場は、工学部棟エントランスホールでプロジェクトルームで製作したものをエントランスホールに運び、設置していきます。土砂崩れのジオラマは、タテヨコ1.8m×1.8m で山間部での土砂崩れを表現したためにかなり高さもあります。また、紙粘土で土砂や岩石を製作しました。
エントランスホールでの設営作業
白い発泡スチロールが山になっていくようです。
1年生による災害シミュレーションのプレゼンテーションです。ドローンを使ってジオラマの撮影や情報収集を行い、ドローン操縦者とロボット操縦者が協力しながら土砂災害エリアの探索と救助を行っていくという試行、競技形式です。
スマートシステム学科1年生 謝君によるプレゼンテーション
今回のシミュレーションの目玉であるドローンの登場です。小型のトイドローンと呼ばれる機体ですが、機体下部にカメラが装備されていてスマートフォンからこのカメラ映像がリアルタイムで見ることができます。1年生は、プロジェクトルームでこの機体を思い通り飛ばせるようにかなり練習をしていたようですね。
小型トイドローン、下部にカメラが付いています。
トイドローンからの映像を受信するために、スマートフォンの設定を行っています。学生の皆さんが持っているスマートフォンでも映像受信が可能なようです。映像の遅延や乱れもすくなく、とても綺麗な映像が見えるようです。
ドローンからの映像受信できるようにスマートフォン設定
シミュレーション開始!学生の一人はドローンを操縦、もう一人はドローンからの映像を観察、もう一人はレスキュークローラ(地上用ロボット)の操縦と3人で役割分担して進めていきます。下の写真では、黄色いレスキュークローラは土砂崩れの下側にいますが、ドローンが撮影した映像で土砂の右側に回り込みます。
ジオラマと浮遊するドローンとレスキュークローラ
ドローンからの映像は、手元のスマートフォンで以下のように見えています。この映像をもとに、土砂崩れの向こう側に回り込むようにオペレータからの指示があり、その指示に従ってレスキュークローラが斜面を登っていきます。
スマートフォンで見れる映像
ジオラマを撮影するために浮遊するドローン。練習の成果が出ていて、ジオラマとレスキュークローラが良く見えるようにドローンを操縦することができています。レスキュークローラは有線で操縦しているので操縦者からもジオラマは見えているのですが、ドローンは別角度からの撮影をしています。
浮遊するドローンと土砂を回り込んで登坂するレスキュークローラ
今回の成果発表会では、1年生が順番にドローンとレスキュークローラを操縦し、この災害救助シミュレーションを体験しました。今年の1年生による教養ゼミの感想では、「みんな協力して作業を進めることの難しさを体験できた」「みんなでアイデアを出すことでいろいろな考え方や見方を学べて良い経験となった」「皆と一緒に活動することが面白い楽しい」という意見がみられました。
本年度の教養ゼミのグループワークは、学生の皆さんが協力し、意欲をもって取り組んでくれたおかげで、新規性があり実用的な提案ができる成果ができたのではないかと思います。10月の大学祭でもロボットレスキューのシミュレーションとして展示ができるように、頑張ってほしいですね!
1年生みんなでレスキューシミュレーションを体験しました
学長から一言:こんな授業なら、私も受けたい!!!人間関係作りと大学での学び方を学ぶのが主目的の1年生の教養ゼミとしては、よく出来ていますねッ!!!学生もしっかり乗って、目的達成!