【教養講座】今年度第1回「教養講座」開催!
民俗学や歴史学の専門家である東京家政学院大学名誉教授の西海賢二先生による教養講座が開かれました。その様子について、大塚豊副学長よりブログ記事が届きました。(投稿:竹盛)
■
今年度第1回の教養講座が、6月5日(水)に開かれました。各分野で功成り名遂げた達人、つまり世の中で “一流”と目されている方々の言葉や体験に直接に触れることができる貴重な機会です。歴代の講演者リストには、学者・文化人を中心に芸術・スポーツ界、政官界、経済界と各界の錚々たる方々が綺羅星の如く並んでいます。
この由緒ある教養講座の今年度のトップバッターは、民俗学や歴史学の専門家である東京家政学院大学名誉教授の西海賢二先生でした。西海先生は、日本民俗学会や日本山岳修験学会をはじめとする学会・研究会の理事や代表を務められるとともに、文化庁の文化審議会専門委員でもいらっしゃいます。また、学校法人福山大学の鈴木省三理事長とは共に歴史学を学んだ学友でもあります。
修験者あるいは山伏の装束でさっそうと登場した西海先生は、ホラ貝の音も聞かせてくださいました。今回の講話のテーマは「瀬戸内の民間信仰-神仏を求めて~石鎚信仰・四国遍路~」です。自ら数え切れないほど積まれた西日本最高峰の石鎚山での山岳修行や四国遍路の体験談はもとより、中国地方、さらには全国各地の山岳信仰の話、各地に残る珍しい習俗や独特な言葉の数々など話題は次々と拡がります。対象地域に深く入り込み、土地の古老の言葉に耳を傾け、地域によって少しずつ異なる風俗や習慣に目をこらし、文字史料として残っていない事柄も大事にする、そんな「足で稼ぐ」民俗学の研究手法の一端を垣間見た思いでした。
若い学生諸君はもちろん、教職員も普段は聞き慣れない言葉の数々にちょっぴり戸惑いながらも非日常の世界に引き込まれた一時でした。なお、今年度の後期には人間文化学部での西海先生による集中講義も控えています。今回の教養講座で関心を呼び起こされた学生の皆さんは、その本格的授業を「乞うご期待」です。
学長から一言:書物の文字の中にではなく、なにげない日々の生活習慣の中に、その土地土地ならではの歴史が詰まっていていることを、少々懐かしい気分で再認識させていただきました。。。情報化、国際化の波に飲み込まれっぱなしでは、人の心の襞ものっぺりしてしまいそうですねッ!西海賢二先生、ありがとうございました。