平成29年度 学外教員向けの情報研修会を開催!

平成29年度 学外教員向けの情報研修会を開催!

福山大学の情報工学科では、平成18年度より6回の高等学校教員向け研修会を開催してきました。これまで多数の高等学校教職員の皆様に参加していただいています。平成29年度の研修会について、新しく学長室ブログメンバーになった中道が報告します。

2020年度から全国の小学校でプログラミング教育が必修化されます。これは、小学校の教員や保護者の皆様だけでなく、中学校、高校の教員や保護者の皆様にも、影響を与える可能性があります。そこで、これまでの学校におけるICT利用やICT環境に関する意見交換に加えて、「小学生からはじめるわくわくプログラミング」という本を参加者の皆様と読みながら、一緒にプログラミングをやってみる会を新たに企画し、3月17日(土)の春の見学会と並行して、研修会を開催しました。今回、1名の高校の先生と2名の小学校の先生に参加していただくことができました。

 

小学生からはじめるわくわくプログラミング小学生からはじめるわくわくプログラミング
(http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/B22800.htmlより)

 

会場は、ふだん、情報工学科の学生の研究活動が行われている2・3・4号館2階の研究エリアの一部を使いました。ここに、Raspberry Pi という小さなコンピュータを参加者数分置いて、参加者がそれぞれ1台のRaspberry Pi を使って研修を行いました。

Raspberry PiRaspberry Pi

最初に、全体説明として、担当者(山之上教授)の自己紹介、今回の研修環境の説明、今回の研修会の概要説明、今回利用した本の著者の阿部先生の紹介、阿部先生が中心になって行われたワークショップに山之上教授が参加したとき(http://cocodigi.net/kids/2014/12/02/peg/, 山之上教授も写真に写っています)の、阿部先生のアドバイスの紹介などを説明しました。
全体説明は、山之上教授の研究室で研究開発を行っている「ポータブルクラウド」(https://www.slideshare.net/takashiyamanoue/ict-65951555 )のパソコン間画面共有機能を使って、山之上教授のパソコンの画面を、研修会参加者の先生方の目の前にあるRaspberry Piのディスプレイに、実時間で表示しながら説明しました。ポータブルクラウドそのものについても、説明させてもらいました。
次に、今回利用「小学生からはじめるわくわくプログラミング」の内容に沿って、先生方に、小学校で多く使われる可能性が高いと思われる Scratch というプログラミング言語・実行環境を使ったプログラミングを行っていただきました。Raspberry Pi で良く使われる Raspbian というOSには、Scratch が最初からインストールされています。今回の研修では、このScratchを使いました。先生方一人ひとりに、情報工学科の学生についてもらい、先生方が、使い方がわからなくなったときなどに、補助してもらいました。あとで聞くと、Scratchがはじめて、という先生も、すいすい、Scratch のプログラミングをされていました。

研修の様子研修の様子

最後に、参加された先生方や担当者の間で、情報交換会を行いました。ここで、以下のような話がありました。

  • 今回の小学校のプログラミング必修化で、小学校の教員は何をやれば良いか悩んでいる。
  • 今回の小学校のプログラミング必修化で、高校で行われる教育も影響を受けるので、小中学校でどのような教育が行われるか、探っている。
  • 小学校はグループ活動などのアクティブラーニングを昔からやっている、という意見もあるし、それとは異なるアクティブラーニングを行うべきではないか?という意見もある。
  • 高校の情報の授業で、Excel をお互いに教えあうアクティブラーニングを行うことにより、生徒の関心が高まった。
  • VBAマクロを使わない、Excel プログラミングがある。
  • 小学校の校長先生がMinecraft の名人であることで、児童の心をつかんでいる例がある。
  • コンピュータサイエンスアンプラグドという情報教育手法がある。
  • Scratch の他に、ビスケットというプログラミング言語・環境があって、それを使う小学校もあるかもしれない。
  • 一部の教員にネットワークやコンピュータ室の管理運営負担が集中する場合がある。

以上のように、今回、参加者の先生方に、小学校で使われるかもしれないプログラミング言語・環境を使って実際にプログラミングを体験していただき、小学校、高校、大学の現状把握や、情報交換をおこなうことができました。非常に有意義な研修会でした。

 

学長から一言:参加者は少なかったけれど、大変内容の濃い、参加者にとってはとても有益な研修会でしたねッ!学生の皆さんもお疲れさま!でも、2020年からの小学校でのプログラミング教育の必修化は大丈夫なのでしょうか?!?

 

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