【国際経済学科】トップ10カリキュラム~ニュージーランド研修終了!
国際経済学科「トップ10カリキュラム」のニュージーランド研修が、2月17日から3週間の予定で行われ、参加学生と引率のイアン・ビセット准教授が無事に研修を終え帰国しました。トップ10研修については、これまで、ベトナム、中国、ヨーロッパでの研修の様子を紹介しましたが、今回の研修では学生が持ち回りで各日のレポート(日記?)を書いてくれたので、ブログ担当の国際経済学科・藤本がその中からいくつか抜粋して紹介します。異文化体験による学生たちの素直な感想が多く書かれていますのでお楽しみください。
ニュージーランドに来て四日目になり、猛暑の中でもなんとか生活するのに慣れ始めました。今日は朝から夕方まで授業がありましたが、これもなんとか乗り切ることができました。朝は英語のライティング・リーディングの授業を受けました。ライティングの授業では文の構造を理解する上で、単文(simple sentence)、重文(compound sentence)、複文(complex sentence)そして重複文(compound complex sentence)の見分け方を勉強しました。これが瞬時に分かれば、ライティングだけでなく、リーディングにも活用できると言われました。リーディングの授業ではパートナーを作って、教科書の問題を解き、なぜその解答を選んだかについて話し合ったり、宿題が出されていたのでそれの答えを話し合ったりといったことをしました。 昼食は大学のアカデミックコーディーネーターがレストランでピザをご馳走してくれました。ビザのバラエティの多さには驚きました。サンドライトマトや ‘美しい傘’という意味のイタリア原産の巨大なキノコを使ったピザを食べました。
昼食後にはフードサイエンスの授業を受けました。いつもはアグリビジネスのシャーロン先生が講義をしてくれていますが、今回はフードサイエンスということで、スー先生が講義をしてくれました。サイエンスを農業に活用することによって、収穫量が増え、栄養もたくさんあり、収穫時期が正確にわかるといったこともできるそうです。またニュージーランドでは‘Manuka Honey’というハチミツが有名で、少し高いですが、ヘルシーでクオィティも非常に高いようです。ちょうど今朝トーストと一緒にManuka Honeyを食べていて、ホストファミリーの人からも同じことを聞いていたので、話がわかりやすい部分もありました。また、商品の「クオリティ」はそれを評価する人それぞれであり、どの車が欲しいかは人によって違い、高級車に魅力を感じる人もいれば、車の機能を重視する人もいると、クオリティについて車を例に挙げて先生は話していました。カエルがピクルスの中に入っている写真もあり、中国人はカエルを食べるので何の問題もないが、我々日本人やニュージーランドではカエルを食べる文化がないので、不快に思う人がほとんどということも言っていました。日本とニュージーランドの違いでは、肉がスライスされた状態で売られているかいないかについても話していました。日本では消費者が食べやすいように肉はスライスされていますが、こちらニュージーランドでは、スライスはされておらず、基本的に大きい肉がそのままパッケージされており、調理後にナイフやフォークを使って自分好みに切って食べるといった文化もあるそうです。クオリティといっても人によって違うのだと学びました。それには栄養やアピアランスなども含まれます。
授業後の夕方から夜にかけては、ホストファミリーの家に日本人の友達を招いてBBQパーティーをしました。こちらでは、いろんな種類のソーセージがあるみたいで、このBBQでは鹿の肉のソーセージを食べられました。ニュージーランドに来てすでに3回目になるBBQですが、こちらの肉はやはり美味しかったです。しかし、ちょっとの間は肉はいいかなーって感じになりつつあります。ベッドもふかふかで毎日気持ちよく寝れています。
残り少ないホームステイも英語を話す良い機会なので、ホストファミリーとしっかりコミュニケーションをとりながら楽しく過ごしたいです。
(4年 流尾智也 & 2年 石岡仁)
今日は、スー先生の誘いでファーマーズマーケットに行きました。ニュージーランドでのファーマーズマーケットは、日本で言う所の屋台に似ていました。しかし、日本と違うところは、日本は個人が出店して屋台を出すことはレアなケースですが、こちらは全て農業者個人が屋台を出していました。農業者が個人で出店することの背景には、ニュージーランドは移民が多い国であるという歴史的側面があります。農業者と消費者の間に企業を挟まないことで、より多くの利益を得ることができるという経済的側面も見えました。
また、並んでいる商品にも日本とニュージーランドの違いが色濃く出ていました。例えばヴィーガン料理です。ヴィーガン料理とは肉を使用していない料理のことで、海外では、ヴィーガンはよくある事のようですが、日本ではなかなか見られない文化です。また、日本と比べて量がかなり多いようです。屋台の物を1個買えばお腹が満たされます。
福山市ではJAもファーマーズ・マーケットを開催していますが、JAは団体的で、NZは個人的だと感じました。ファーマーズ・マーケットがスーパーマーケットなどと大きく違うのは、その流通方法にあります。農産物の流通は、生産者が作る生産物をJAなどの農協や卸売市場を通した後に、スーパーマーケットなどの小売業者へ渡り、そして私たち消費者の元へやってきます。
ファーマーズ・マーケットは生産者が直接販売しているので、流通コストや輸送費がかかりません。そのため、市場価格よりもお手ごろな場合が多いのです。クライストチャーチのファーマーズ・マーケットでは、野菜や果物だけでなく、こだわりの商品を扱うところも多かったと思います。オーガニックワインや天然酵母のパン、チョコレートやフェアトレードのコーヒーといった産地や製法にこだわった加工品も多くありました。また、作った人の顔が見えるファーマーズマーケットは、新鮮な野菜や果物をおいしく、楽しく味わうことができるので、また足を運びたいと感じました。
今回のマーケットに対する個人的な感想として、仕事をしている人が自然体で生活してるように感じられました。日本では、仕事中の自分と家での自分は違う人が多いのではと思うのですが、こちらの人にそういった違いは見られない、もしくは少ないように感じました。
(2年 石岡仁 & 2年 野田涼太)
今日私たちは”moraine”という言葉を新たに学びました。それは、氷河が溶けて作り出す湖のことです。ニュージーランドのマウントクック 自然公園エリアではいくつかの美しいモレーンの湖があります。美しい青の色はモレーンの氷河によって作られたものです。ニュージーランドでは1960-1970年代に電力需要が高まり、その時にマウントクック に水力発電ダムができたのです。この結果、湖と運河のシステムは山の水力発電ダムからの水の流れによって構築されました。私たちが訪れた場所では、1秒間に2億リットルもの水が運河を流れていました。この早い流れが作り出す冷たい水はサーモンの養殖にとって絶好の場所となっています。
mount cook alpine salmonのブライアンは、この地域で1番大きなサーモンの養殖場に私たちを連れて行ってくれました。彼は温度とスピードだけではなく、水の酸素量も重要な「新鮮な水」の条件だと説明してくれました。この早い流れの水は魚が泳ぐための相対的に小さな場所をつくりだしますが、魚を低脂肪のまま保つにはまだ充分ではありません。このユニークなサーモンの養殖は、サーモンを高値で売れるだけの大きな需要があるとブライアンは言っていました。マウントクック のサーモンは何が違うのか?と私たちは尋ねましたが、彼は答えませんでした。「自分たち自身で確かめてみて」と笑顔で答えたのみでした。
彼らのサーモンが特別な理由は主に2つあります。サーモンと一緒に過ごすこと、そしてサーモンの成長過程を気にかけることです。その後、彼はサーモンのエサを見せてくれました。彼はいくつかのエサを手に取り、驚くことに自分自身でサーモンのエサを食べだしたのです!!良いエサかどうかを確かめているのだそうです。もし彼が食べた時に美味しければ、サーモンが食べた時も美味しいはずなのです。彼が食べた時に何かイマイチだったらそのエサはゴミに捨て他のエサに変えます。Ianや他の学生もサーモンのエサを試食してみました。感想は、エビせんべいに少し似ている、、?だそうです。
他のサーモンの養殖場では主にアトランティックサーモンを育てているのに対し、ブライアンの養殖場では、キングサーモンを主に育てています。キングサーモンとアトランティックサーモンの一番の違いは味だ、とブライアンは言っていました。
ニュージーランドでは、市場に出す時に2つのことがとても重要です(これはシャーロン先生の教えです)。ひとつめは、マオリ文化との繋がり。そしてふたつめは、持続性です。2つともニュージーランドの消費者にとって大切なことです。だからニュージーランドのマウントクック サーモンは国内市場では”aoraki”というサーモンのブランドがあり、由来はマオリ語で、aorakiはマウントクック という意味だからです。アジア、ヨーロッパ、北アメリカへの輸出のときのブランド名はMount Cook Alpine salmon です。ニュージーランドの人々しかマオリ語を理解できないため、ここではaorakiではないのです(“adaptation”みたいだねーと、れおとグリは言っていました)。ふたつめの持続性については、サーモンは氷河からの水で電力をつくる運河でそだてられるため、持続性のレベルが非常に高いです。またブライアンはワクチンや殺虫剤は使わないと言っていました!
そしていよいよサーモンを食べる時が来ました。プライアンのいう通り最高に美味しかったです。
(2年 北川京果 & 2年 福本春花)
今回の大学での英語の講義の中では、reading、writing, speakingを学びました。知っている単語を言っても発音が悪く通じない、相手が話していることも全然わからない。そんな中、今日までたった一週間しか経ってないのですが、毎日英語以外通じない生活の中でだんだんと英語でのコミュニケーションに慣れていき、少しずつ通じるように、聞こえるようになっていきました。日本語なら何の喜びも生まれないであろう些細なやりとりでも、英語で意思疎通できた時の喜びは格別でした。
こんなにも嬉しいものなのかと、喜びを感じている自分に驚きました。
それと同時に、もっと英語を話せたらもっとおもしろいだろうなと強く思いました。
少しの間でしたが、海外で勉強や生活をすると、驚くことがたくさんあります。プラス面の驚きもあれば、「日本では当たり前のことがなんで海外だとそうなっちゃうの?」というマイナス面の驚きもあると思います。
そんな驚きを経験すると、次第に「この国のこういうところは好きだなぁ」と感じたり、「こういう考え方は自分にないことだから取り入れたいな」と思えるようになります。
また、英語力とコミュニケーション力は別モノだということにも気づきました。
英語スキルが低かったとしても、外国人とうまくコミュニケーションをとることは十分に可能だと実感しました。この意識を保ったまま、帰国後に英語の勉強に力を入れたいです。
1週間の授業を通して、ニュージーランドの農業ビジネスと食品のことを深く学び、理解することができました。授業を担当していた教授が使う英語の多くは専門用語で、ノートを取りながら全てを理解することは難しいと感じました。しかし、これを機にもっと英単語を覚えていこうとモチベーションが上がりました。また、英語の授業では上級クラスに参加させてもらい、英語を学ぶ上で何が大切なのかを学び、見直すことができるいい機会になりました。現状に満足するのではなく、毎日自分を伸ばして成長することが大切だと感じました。
(4年 操田慎哉 & 2年 野田涼太)
少し長くなりましたが、いかがでしたか。参加学生は、短い期間の中でもしっかりと現地経済調査、異文化交流・理解、語学学習の機会としてこの研修を活用し、今後の学修に対するモチベーションを向上させて帰国しました。トップ10研修は、参加学生がその成果を卒業研究の基礎とするよう位置付けられていますので、彼らの研修報告と、卒業論文のクオリティに期待したいと思います。
学長から一言:わずか3週間の研修で、それぞれとても内容の濃い学びになったようですねッ!!国際経済学科の名に恥じないしっかりしたレポートになっていました!