【人間科学研究科】病院の心理職とは、どんな仕事?

【人間科学研究科】病院の心理職とは、どんな仕事?

人間科学研究科主催の医療福祉・心理セミナーが開催されました。国家資格「公認心理師」が誕生したことにあわせて、今年度は福山市の精神科病院で勤務する方々に、医療機関で心理職が担う役割についてお話していただきました。セミナーの模様を筒井助手がまとめましたので、ブログ担当の野寺(心理学科)が報告します。

医療福祉・心理セミナー の開催

2月23日(土)18:30よりJR福山駅前の宮地茂記念館において、広島県東部医療・保健領域心理職会合のご協力を得て、人間科学研究科主催の医療福祉・心理セミナーを開催しました。

今回は、医療法人大林会福山こころの病院の森貴正先生(臨床心理士・公認心理師)、青戸徹雄先生(看護師)、新井孝行先生(作業療法士)、杉本昇太先生(精神保健福祉士)をシンポジストとしてお招きし、「医療機関における多職種連携について―心理士に求めること、心理士からの情報をどう生かすか―」をテーマにお話しいただきました。

医療現場では、多職種間の連携が不可欠

昨年の9月9日(日)に施行された心理職の国家資格である「公認心理師」では、業務の一環として多職種連携が課せられています(公認心理師法第42条第1項)。

まず、シンポジウムの進行役を務めてくださった森先生より、福山こころの病院の概要についてパンフレットを用いて説明がありました。その後、講師の先生方には各職種の業務内容についてご説明いただきました。

次に、心理職を含む他職種との連携をどのように行っているかについてお話しいただきました。福山こころの病院において、心理職は心理検査を通じて他職種とのやり取りが多いとのことです。心理検査の実施前後に情報収集を行ったり検査結果の共有を行ったりすることで、患者様の支援に生かせるよう取り組まれています。他職種連携を行ううえで、“コミュニケーションをとること”が業務を円滑に行ううえで大切とのことです。

心理職に就く人に求められるものとは?

さらに、看護師などの他職種の専門家が心理職に望むことや期待したいことについてもお話しいただきました。先生方が口をそろえて言われていたのは、「分かりやすく伝えること」でした。特に、心理検査の報告書などは数値や心理学に関する専門用語が多く、他職種の先生方にはわかりにくい場合があるそうです。そのため、出来るだけわかりやすい表現を使用する、口頭で解説を加えるなど、相手にわかりやすく伝えるための工夫を意識することがポイントのようです。また、公認心理師には心理学に関する知識だけではなく、薬や介護保険など他職種における基礎知識や専門用語について理解しておくことも大切であるとお話しいただきました。

セミナーを終えて…

本セミナーには、将来、公認心理師を目指す学生や地域の病院に勤務されている心理職の先生方など合計40人弱の方にご参加いただきました。参加者の皆様からは、「授業でよく言われている(他職種や家族に)“わかりやすく伝える”重要性を改めて感じた」、「実際の業務について細かい点まで内容を聞くことができ、医療分野の仕事に興味がわいた」、「他の病院の心理職の業務や連携の仕方について話を伺うことはあまりないので参考になった」、「他職種の方から心理職への率直な要望を聞く機会もないので、聞けて良かった」といった感想があり、大変有意義なセミナーとなりました。

最後に、本セミナーの開催にあたり、ご協力いただきました広島県東部医療・保健領域心理職会合関係者の皆様及び医療法人大林会福山こころの病院のシンポジストの皆様に厚く御礼申し上げます。

 

学長から一言:社会に出ると、どのような仕事に就いても、他領域の人、他職種の人、年齢等の違う人等、色々な人とうまくコミュケーションを取り、協働して目標に向かうことがしばしば重要ですが、とりわけ心身に問題を抱えている人の支援に関わる多職種の人々の間では重要です。。。今回のセミナーは、公認心理師を目指す学生たちにとってもとても勉強になったと思います。。。関係者の皆様に、感謝!!!

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