【国際経済学科】文系・理系の大学生のためのキャリアデザインの考察と社会的意義
1月22日(火)の午後6時より、宮地茂記念館にて平成30年度第7回経済学研究会が行われました。
報告者:経済学部国際経済学科 中村博(なかむら ひろし)准教授
論 題:「文系・理系の大学生のためのキャリアデザインの考察と社会的意義」
概 要:以下のとおり
文系・理系の大学生の特性と傾向を踏まえ、その双方の考察を基に、なぜ今キャリアデザイン(人生設計)が必要とされるのか、問題提起と解決策について中村准教授の私見を基に論じられました。(経済学科の石丸が投稿します)
文系と理系の学生の特性の違いの一つに、理系では学部生の時の専攻分野を活かせる就職先を志向する傾向があり、企業側も理系学生の採用には「専門性」を重視する傾向が強くあります。一方、文系では学部生のときの専攻分野が就職先に繋がるケースはそれほど多く見られず、文系の学生の専攻分野は、就職先企業が新卒学生に求めるエンプロイアビリティー(雇用されうる能力)と直接の関係性は強くないと換言できます。文系・理系の学生を取り巻く就職事情や双方の学生の進路希望に相違は見られるものの、双方の学生について、次の共通の事柄が理解できます。
従来の高校までの学校生活においては、学校での学びが将来どのように社会で役立つのかという視点の教育がないため、これまで自己の将来像や「自分を知る」ことの大切さを考えたこともない大学1年生の姿が浮き彫りになっています。そして、中村准教授の「キャリアデザインI」を受講後、一人前の社会人になるために大学時代に何をなすべきか自問自答したこと、”Time is money.”(時は金なり)の如く、これからの有限な大学生活で自己の未来への道をどのように創るのか、自己の貴重な人生にとって本質的に何が大切で何をなすべきか、今後はPDCAサイクルを活用して小さな目標から着実に達成させていくことの肝要さなどを自覚できたことが、ほぼ全員の受講生の答案用紙に真摯にかつ意欲的に記されていたことが、一部抜粋して紹介されていました。
(受講生の一部答案の概要)
・保健体育の教員に何となくなりたいという目標が指導法も含めて確固たるものになった。
・アナウンサーになるという夢を実現させるためにも、目標には期限を設けることが大切だと気づかされた。
・PDCAの重要性を認識し、資格取得と留学という2つの目標に真剣に取り組むことにした。
・自分に自信を持てなくなっていたが、受講してからネガティブな感情を持つことをやめようと思った。
・「なりたい自分(目標)」と「今の自分(現状)」を正しく認識し、「現状」から「目標」にたどり着くための道筋や手段を考えることで、自分の夢の具体的な実現方法が見えてくるようになった。
中村准教授の「キャリアデザインI」では、系統的キャリア教育の講義を基本とし、さらにアクティブ・ラーニングとして学生の主体性・モチベーション高揚のために、対話形式・事例研究・質疑応答・学生のWorkに基づくプレゼンテーション・グループディスカッション等を積極的に導入しています。その結果、学生個々人の「生き方」がこれまでの高校生活や大学入学当初と比較し、従来のただ無意味に流されがちなライフスタイルから毎日が目的意識を持った有意義な時間の使い方にみるみると変化していき、自分自身でも驚くほど自己実現への道を歩み始めたことに、ほぼ全員の学生が喜びを感じている姿が顕在化しているとのことでした。
次回研究会は以下の予定です。
日 時:2月15日(金)午後6時~
場 所:宮地茂記念館2階205室
報告者:大阪学院大学経済学部講師 長塚昌生(ながつか まさお)氏
論 題:「実験ゲームによる体育学生の非認知能力の推定」
学長より一言:経済学研究会の内容も多彩ですね。。。キャリアデザインを若いときにゆっくりじっくり考える機会と時間があるということは、大学生の大きなメリットですねッ!学生の皆さん、皆さんの未来に期待していますよ!!!