【人間科学研究科】修了生が厚生労働大臣賞を受賞!
第1期修了生の佐藤勢子さんが、平成30年度社会福祉及びボランティア功労者厚生労働大臣賞を受賞しました。佐藤さんは、平成6年から民生委員・児童委員を務めており、広島県内で長年続けてきた地道な地域活動が今回の受賞へとつながりました。
大学院在籍時にゼミ担任をしていた青野篤子教授と共に、ブログ委員の野寺(心理学科)が来学した佐藤さんにインタビューを行いました。
佐藤さんのプロフィール
- 2006(平成18)年度、人間科学研究科心理臨床学専攻の第1期生として、社会人入学(長期履修制度)
- 2010(平成22)年度、同専攻を修了
- 大学院在学中から、福山市「キラキラサポーター」としての活動を開始。
- 大学院修了と同時に、子育て支援サークル「子育てサロン」を開設し、地域の保育所と連携して「イクジイ・サロン」を主宰したほか、子育てステーションに運営スタッフとして参加。
- 2018年7月、「えきや 子ども広場」(子ども食堂)を開設。
佐藤勢子さん×青野教授の対談
青野:この度は受賞おめでとうございます。長年の功績が認められたのですね。民生委員・児童委員の活動だけでも大変なのに、子育て支援の活動も積極的になさっていますね?
佐藤:民生委員・児童委員の活動をしていて、何かもっと自分にできることがあるのではないかと思うようになり、最も弱い立場にある子どもたちに目がいきました。
青野:最初に始められた「子育てサロン」はどういうものですか?
佐藤:月2回、未就学児とその親御さんに参加してもらって、7人の育児経験者(平均年齢60歳くらい)が育児の相談にのっています。
青野:最近始められた「えきや子ども広場」は、どのようなものですか?
佐藤:ここでは学習支援と子ども食堂をやっています。子どもが20人くらいに対して、スタッフも20人くらいで対応しています。現在は月1回ですが、今後は活動回数を増やしていきたいです。
青野:子育て支援の活動を通じて、日々感じていることはありますか?
佐藤:本当に困っている子どもたちはこういう場所にも出てこられず、支援の手を差し伸べられないというジレンマを感じますね。そして今、障害を抱えている子どもさんや生きづらさを抱えた親御さんが多いと思います。
青野:行政への提言などはありますか?
佐藤:やはり、まだまだ男性社会です。地域で活動しているとその印象が強いです。町内会長は男性、民生委員の大半は女性なのに、組織の上に立つのは男性です。ただ、今は多世代社会で組織をまとめるのが非常に難しく、上に立つことに対して女性が一歩引いてしまうという問題もあります。
青野:ところで、佐藤さんの修論のテーマは「ソーシャルネットワークと学校適応・育児負担感」というものでしたが、研究は現在の活動に役立っていますか?
佐藤:子どもをとりまく環境の重要性ということは、今身をもって感じています。ただ、大学院で学んだことは自分の頭で考え、自分の言葉で発信するということの大切さだったと思います。
青野:来年の2月1日(金)には、「子どもの貧困・教育支援シンポジウム」で話題提供もされるようですね。ますますご活躍ください。
学長から一言:佐藤勢子さん、平成30年度社会福祉及びボランティア功労者厚生労働大臣賞の受賞、おめでとうございます!「社会人も学びやすい大学院を作った甲斐がありましたねッ!」と言うのは、人間科学研究科の設置に多少の苦労した青野教授や私のセリフですが。。。これも大切な地域貢献。。。後に続く社会人の入学をお待ちしています!!!