【スマートシステム学科】”スマートシステムによる災害対応の現状と未来” 研究会開催

【スマートシステム学科】”スマートシステムによる災害対応の現状と未来” 研究会開催

工学部スマートシステム学科(フェイスブックはこちら)の沖准教授が取り纏めをする公益社団法人計測自動制御学会(SICE)から助成を受けている福山地区グループ研究会で、去る11月29日(木)に工学部棟において、「スマートシステムによる災害対応の現状と未来」というタイトルで講演会を行いました。今回の講演会は、安全安心防災教育研究センターと共催で、今年、福山大学のある広島県や近隣の岡山県に大きな被害をもたらした西日本大水害をテーマに、スマートシステムを中心とした工学が、自然災害に対してどのようなアプローチができるかということを考える大変意義のある会となりました。

今回の研究会では、以下の2つの講演がありました。

  • 講演1「平成30年7月豪雨における中国地方整備局の対応」 講師:国土交通省中国地方整備局企画部防災課長 伊藤健氏
  • 講演2「自然災害時の確実な避難を導く緊急情報に関するデータ解析」 講師:スマートシステム学科 関田准教授

また、今回の研究会も昨年に続いて福山大学の教員や学生の方々に加え、近隣の企業の方々にも参加していただき、活気がありました。

工学部棟の玄関にも告知が張り出されました

共催している安全安心防災教育研究センターのセンター長である仲嶋教授の開会の挨拶から始まりました。スマートシステム学科の学生や大学院生も多数聴講し、外部からはNEXCO西日本の方々の参加もあり、西日本大水害をテーマにした講演が大きく注目されていることが伺えました。

安全安心防災教育研究センター長の仲嶋教授(福山大学工学部スマートシステム学科)

最初の講演である「平成30年7月豪雨における中国地方整備局の対応」では、講師の伊藤先生から昭和47年の豪雨との災害被害の比較、災害情報の伝達の取り組み、災害情報の収集の取り組み、自治体応急対策、TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)の紹介、国交省の災害対策用機械の紹介などの興味深い話題を聴くことができました。

講師の伊藤健氏(国土交通省中国地方整備局)

昭和47年の大水害との比較

広島県や岡山県は災害の少ない地方として有名なのですが、昭和47年に今回と同じような大水害により中国地方では94名もの犠牲者が出ていたということを初めて知りました。今回の豪雨は、昭和47年豪雨を上回る降水量で、より多数の被害者を出してしまったということは大変痛ましいことです。今回の講演では、呉市の道路被災と災害復旧の取り組みや全国に組織された緊急災害対策派遣隊TEC-FORCEの紹介、また災害に対する技術開発シーズの提案など、非常に濃い内容の話を聴くことができました。

呉市の道路被災状況

2つ目の講演である「自然災害時の確実な非難を導く緊急情報に関するデータ解析」では、講師の関田准教授の最近の研究の取り組みが紹介されました。福山市、広島市、広島県への聞き取り調査から、避難勧告が発令した場合にどのようにすれば迅速な住民避難を促進することができるかということについて、アンケートなどに基づく考察が紹介されました。今回の講義のデータは、関田准教授が受け持つリスクマネジメントの講義にも活用されています。

講師の関田准教授(福山大学工学部スマートシステム学科)

どちらの講義も、質疑応答では活発なやりとりがありました。伊藤講師からは、「将来、災害対策に積極的に関わっていくにはどのようなことを勉強し、どのような進路に進んだらいいのか」ということに関して、学生に対するアドバイスがありました。また、関田准教授は、「住民が避難をしたくないのは安全性バイアスというものが存在し、これをどのように解決するか」という議論を提起しました。

外部の企業の方からも積極的な質問

最後に、今回の研究会に参加した皆様と記念撮影を行いました。左から大学院工学研究科長の山之上教授(情報工学科)、安全安心防災教育センター長の仲嶋教授(スマートシステム学科)、講師の先生方、そして研究会主管の沖准教授です。今後も地域企業の皆さんや他大学の学生の皆さんにも参加していただき、福山地区の研究発展の場になるような研究会になることと思いますので、是非ご期待ください!

 

学長から一言:今年の夏は、猛暑、豪雨、台風と、本当に大変でした。。。ここからたくさん学んで、同じ被害を繰り返さないようにすることが大切ですが、そのことに関して大学のはたす役割は大きいですねッ!しっかり地に足を付けて、研究を重ねかつ成果を社会に発信しましょう!!!関係者の皆様、お疲れさま!

この記事をシェアする