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建築学科
藤谷 秀雄(ふじたに ひでお)
職 名 | 教授 |
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学 位 | 工学博士 |
専門分野 | 建築構造学、振動制御構造 |
担当科目 | 構造・力学入門 静定力学Ⅰ 建築一般構造 建築振動学 構造設計演習Ⅰ |
メッセージ | 建築構造分野で、地震を想定して、免震構造や制振構造という振動制御構造を専門としています。建築構造には建物内外の人を保護する役割があります。さらに地震発生時には災害対策の中心になり市民活動の回復のために重要な建物は、地震の直後に継続して使用できることが求められます。それに応えることを目的にしています。 |
免震構造の擁壁衝突時の応答解析
免震構造は、安全性が高く、大地震後にも継続して使用できる構造方法ですが、2016年の熊本地震では、設計で想定された変位より大きな応答変位が生じました。今後、起こりうる大地震によって、免震構造の上部構造が擁壁に衝突する可能性が指摘されています。そこで擁壁衝突時にも上部構造が健全かどうか、継続使用が可能かどうかを確認するための解析方法を提案しています。その解析方法による応答結果は、同じ条件の実験結果をよく追跡できることを確認しました。
応答解析モデルと実験結果との比較
弾塑性応答時に対応可能な可変同調質量ダンパー
高層建物の揺れを抑制するために同調質量ダンパー(TMD)が使用されることがあります。これは、建物の揺れと近い周期で揺れる錘が、建物の揺れを打ち消すように働きます。東日本大震災の後、長周期地震動に対して建物応答を低減するために使用される例が増えました。しかし建物が大きく揺れる(弾塑性応答)と、建物の周期が変化します。そこで建物の周期の変化に追従してTMDの周期を変化させて応答低減できる同調質量ダンパー(STFT-TMD)を提案し、実験を行い、解析モデルを構築しました。図ではSTFT-TMDの応答低減効果が大きいことがわかります。
可変同調質量ダンパー(STFT-TMD)による応答低減効果