【薬学部】卒後教育研修会~終末期医療のあり方を考える~
10月27日(土)に県民文化センターふくやまで、福山大学薬学部卒後教育研修会(テーマ:~終末期医療のあり方を考える~)が開催されました。その模様を、学長室ブログメンバーのGo(薬学部)が報告します!
薬学部鶴田学部長の開会あいさつ
福山大学薬学部卒後教育研修会は毎年行われており、今回で42回目を迎えます。今回は県立広島病院薬剤科・薬剤師の笠原庸子 先生と三原赤十字病院呼吸器内科・医師であり広島原爆養護ホーム舟入むつみ園・医師の有田健一 先生のご講演がありました。
「終末期緩和ケアを支える薬薬連携」(笠原庸子 先生)
笠原庸子 先生
緩和ケアとは、がん等の疾患を治療するのではなく、それら疾患による身体的あるいは精神的な苦痛を和らげる目的で行われるケアであり、その緩和ケアにおいて期待される薬剤師の役割について解説されました。
また、これらの緩和ケアを自宅で行う「在宅緩和ケア」も話題にされました。自宅で最期を過ごしたいと希望する日本人がいる中で、実際にはなかなか実現できない現状があります。患者さんやその家族の希望に応えるべく、薬剤師を含めた地域の医療スタッフが連携し、支援することが必要であると述べられました。
「最後まで自分らしく生きるために-アドバンス・ケア・プランニングの役割-」(有田健一 先生)
有田健一 先生
人は必ず老い、時に介護が必要になることもあります。マイナスのイメージが強い老化の中で、自分らしく生きるためにはどうあるべきか?
有田先生は、①全人的な痛みのない状態で、②医療連携の確立した安心して生活できる環境の中で、③人に迷惑をかけず、④新たな価値を探しながら、⑤自分の価値観にしたがって自ら判断し、⑥最後まで尊厳を保って生きることの6つを挙げられました。
有田先生のご講演の様子
そのためには、急病等で自分で判断を下すことができなくなるもしもの際に備えて、元気なうちに自分の今後の医療やケアに対する考えを家族または医療者に伝えておくことが大事であると述べられました。その内容を文書に残すこと、またその手順をアドバンス・ケア・プランニングと呼ぶそうです。
参加者の皆さんも熱心に講演を聴いておられました
私たちの普段の生活ではあまり触れることがない終末期医療ですが、今回の先生方のお話を聴き、薬剤師としてまた個人として今後どうあるべきかを考えさせられました。笠原先生、有田先生、貴重なご講演ありがとうございました!
学長から一言:42回目の福山大学薬学部卒後教育研修会とは、素晴らしい伝統ですねッ!笠原先生、有田先生ありがとうございました!特に有田先生の6箇条は、後期高齢者の私にとってもとても身にしみます。。。最後まで尊厳を保ちたいです!