【海洋生物科学科】伊丹教授が「令和4年度水産学技術賞」を公益社団法人 日本水産学会から受賞!

【海洋生物科学科】伊丹教授が「令和4年度水産学技術賞」を公益社団法人 日本水産学会から受賞!

日本水産学会は国内外に4,000人の会員を擁する、世界でも最も充実した水産・海洋系の学会として認知されています。今回、海洋生物学科伊丹 利明教授(国際交流・広報担当 副学長)が同学会の「水産学技術賞」を受賞しましたので、ブログメンバーの山岸が報告します。

水産学技術賞は「技術上著しい業績を上げ、水産学ならびに水産業の発展に貢献した者に授与」され、毎年2名程度が受賞します。伊丹教授の業績題目は「LAMP法を用いたエビの感染症診断法の確立」です。

東海 正日本水産学会会長から楯を授与されて、お礼を述べる伊丹教授

伊丹教授によりますと、世界のエビ養殖の基盤技術は1960年代に日本で開発されました。この技術は世界中の発展途上国で、特に長い海岸線を有している国・地域で応用され、養殖されたエビは外貨獲得のための重要な輸出産品となりました。しかし、1990年以降世界の養殖エビのほとんどを養殖しているアジアと中南米地域で、ウイルス性の疾病が発生して、エビ生産に大きな被害を与えました。

そこで伊丹教授は、このようなウイルス性疾病から日本のクルマエビ養殖を守り、かつ各国でのウイルス検出を支援するために、高感度ウイルス検出法として当時開発されたLAMP(Loop-mediated Isothermal Amplification)法をいち早くエビの病原ウイルス検出のために取り入れて、検出方法を確立しました。

受賞記念講演をする伊丹教授

このような功績が認められて今回の水産学技術賞の受賞となり、3月30日に授賞式、31日に受賞記念講演会が開催されました。4月3日には、受賞とその研究内容について学長に報告しました。

大塚学長への受賞報告

今回の受賞を機に、国内外のエビ養殖の健全な発展のために、伊丹教授の研究がより一層発展し、海外との共同研究が推進されることを期待しています。

 

学長から一言:伊丹利明教授、このたびの日本水産学会の「水産学技術賞」という名誉ある賞の受賞、まことにおめでとうございます。長年にわたる研究を通じて、ウイルスに起因するエビの疾病の原因究明と対処方法を確立されたことが、日本はもとより、世界各地のエビ養殖の現場にもたらした利福は計り知れないことでしょう。

 

この記事をシェアする