【海洋生物科学科】北の果ての福山大OB~泉講師の水族館放浪記から~

【海洋生物科学科】北の果ての福山大OB~泉講師の水族館放浪記から~

北海道の紋別という市をご存じでしょうか。オホーツク海側にあり、流氷の名所として知られるこの紋別にオホーツクタワーという施設があります。ここは、「海中展望塔」といい、流氷の海の下を直に見られる施設であり、さらにその中に水族館が設置されているという、日本で唯一無二の建物です。

この水族館を経営する「オホーツク・ガリンコタワー株式会社」で、福山大学のOBが働いているという噂を耳にし、海洋生物科学科の‟Dr.クラゲさん“こと泉貴人講師が、はるばる冬の北海道に水族館巡りとクラゲ採集に行ってきました!その様子をご覧ください(投稿は学長室ブログメンバーの山岸)。

 


 

オホーツクタワー。この展望塔が、流氷の海の下まで伸びています。

オホーツク・ガリンコタワー株式会社で2022年夏より働いているのが、海洋生物科学科の卒業生である、ファム・ドクタイ(Pham Ductai)さん。アクアリウム科学を専門とする海洋生物科学科の水上講師の研究室の卒業生です。

ファムさんはオホーツクタワーの中にある水族館で、飼育を担当しています。この水族館は、北海道の海の生物をメインに展示しており、オオカミウオ・ホッケ・コマイなどの魚や、ミズダコ・キヒトデなどの無脊椎動物が多数展示されており、時期によっては“流氷の天使”と呼ばれるクリオネも見られます。また、海中展望塔の名前の通り、窓外には季節ごとのオホーツク海の海中が広がっています。冬は流氷の下の生物を、春先や初夏には一気に沸き立つ豊かな海の生物を見ることができます。

展望塔の中に広がるのは、多数の水槽、そして色とりどりの生物たち。

そして、流氷のシーズンに出ているのが、日本では珍しい観光砕氷船、ガリンコ号(ⅡとⅢの二隻が運行)。船底にあるスクリュー状のドリルで流氷をガリガリと砕いて進む、豪快な船です。「紋別の流氷とガリンコ号」として、北海道遺産にも指定されています。

ドリルで流氷を掘り進む、砕氷船ガリンコ号Ⅲ。

そんな水族館で働くファムさんは、「まだまだ分からないことだらけで日々勉強中です。自分の理想の誰でも楽しめる水族館、面白い飼育員に近づけられるよう、自分にできることを地道に頑張っていきます」と話していました。

また、泉講師は、「福山大学の卒業生が各地の水族館にいるのは、何よりも本学の誇り。今は私も学芸員実習を担当しているので、今後は泉自身が各地の水族館に指導学生を送り出していくことになるでしょう。それは他ならぬ泉の研究の足掛かりにもなります。今後一層、各地への水族館放浪*が楽しみになりますねえ(笑)」と話していました(*水族館放浪については過去の学長室ブログも参照)。

水族館で働くファムさん(左)と水族館放浪中の泉講師(右)。

なお、残念ながら今回はクラゲは採れなかったようですが、2021年以来のオホーツクタワーの水族館と、年間でも最も強烈に覆われた流氷を十分堪能したようです。‟北の果て“の、特色豊かな水族館(とガリンコ号)。流氷シーズンは勿論、他の時期にも見どころが抜群な紋別の地に、是非一度訪れてみてはいかがでしょうか。

 

 

学長から一言:流氷が押し寄せる最果ての街の水族館、観察できる流氷の下の海はさぞかし幻想的でしょう。見たり想像したりするにはロマンがありますが、勤務となると気楽なものではないはず。しかし、そこで働く本学の海洋生物科学科の卒業生ファム・ドクタイさんはきっと海や海洋生物が好きで好きでたまらないのでしょう。君の頑張りにエールを送ります。

 

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