【海洋生物科学科】ふるさと海辺教室を開催!!
3年振りに対面形式で開催された大学祭「三蔵祭」が終わり、松永キャンパスは秋の色彩が深まりつつあります。夕陽が沈む頃、さまざまなカラーのイルミネーションがキャンパスを煌びやかに灯しています。他方、因島キャンパスにおいては先日「ふるさと海辺教室」が開催されました。そのレポートが海洋生物科学科の水上講師から届きましたので、同学科学長室ブログメンバーの阪本がお伝えします。
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ふるさと海辺教室
因島の内海生物資源研究所にあるマリンバイオセンター水族館は、2020年4月6日以降、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、現在も一般公開を控えています。その中で例外的措置として、近隣の学校関係者からのたっての要望を受け、学内での協議を踏まえた上で感染症対策を十分に講じながら、部分的に受け入れを続けています。例えば、今年度も、恒例行事となっている尾道市環境学習推進事業「ふるさと海辺教室」を実施しました。
この活動は、尾道市環境政策課主催事業の一つです。次世代を担う尾道市内の小学生たちに、尾道市の豊かな自然環境をより深く身近に感じてもらうことで、自分たちを取り巻く環境に関心を持ち、それを守り育てていこうという意識を高めていくことを目的に実施されています。マリンバイオセンター水族館では、平成28年度から継続してこの活動に協力しています。特に、平成30年度からは海洋生物科学科の学芸員養成課程4年生の学内実習の一環と位置付け、水族館を活用した海洋教育プログラムの開発とそれらを活用した博学連携、つまり博物館・美術館・水族館等と学校とが連携することで生まれる教育効果について理解させるための大切な活動の一つとなっています。今年度は、尾道市立栗原小学校3年生の児童79名を対象に実施しました。
海辺教室は1日を通したプログラムで、当日の潮汐時間などを考慮しながら、海岸での野外活動と水族館見学を含む所内学習の2部制の活動です。担当する学芸員養成課程の学生たちが話し合いを重ね、毎年オリジナルのプログラムを構成しています。今年度は、所内で定期的に実施している地曳網調査活動への参加と、児童たちが1学期に国語の時間に学習した「自然のかくし絵」の発展型学習として、海の生き物の擬態について水族館見学と併せて学ぶプログラムを企画しました。
海の生き物観察と海岸の清掃
午前の干潮時に合わせた地曳網では、アイゴ、クロダイ、シロギス、シマウシノシタなどが獲れました。また、今回は参加人数が多かったため、グループに分かれて生き物観察や海岸清掃にも取り組みました。
教室と水族館で魚の学習
午後からも、密を避けるために2組に分かれて、海の生き物の擬態に関する講義室学習と、「鮪」や「鰯」などの魚偏の漢字の由来から魚の生態や特徴を学ぶ水族館学習の入れ替え制を取りながら進行しました。小学生に理解してもらえるように、学生たちも一生懸命です。
参加した児童たちは野外活動を含めた丸1日の取り組みとなりましたが、最後まで熱心に学習し、感想文も仕上げてくれました。
マリンバイオセンター水族館では、海洋生物科学科の4年生たちと協力しながら、今後も一般の方々へ広く瀬戸内海の豊かな環境を紹介し、次世代へ繋げていく一環として、様々な環境教育活動を展開したいと考えています。
学長から一言:コロナ禍のために日ごろは閑散としている内海生物資源研究所の附属水族館が、尾道市のたくさんの小学生ゲストを迎えて、久し振りに歓声に包まれ、賑わったようです。初めて訪れた小さなお友達は、こんな近くに素晴らしい水族館があったんだと驚いたことでしょう。また、学芸員資格の取得を目指す海洋生物科学科の学生諸君には恰好の実習の機会になったと思います。水族館の公開の本格再開が近いことを願っています。