【心理学科】睡眠の問題と心の関係とは!?

【心理学科】睡眠の問題と心の関係とは!?

皆さんは毎晩どれくらい睡眠をとっていますか?睡眠は、実は心理学の中でも古くから扱われているテーマの1つです。本日は、そんな睡眠の問題について心理学的な研究を行っている高野裕太助手から、研究成果の報告です(投稿は学長室ブログメンバーの大杉です)。

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心理学科の高野です。

睡眠は大切という話をどこかで聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?そうです、睡眠は健康を支える大黒柱と言っても過言ではないくらい大切です。

一方、頭がスッキリするくらいの睡眠時間を日々確保するのが難しい、平日は忙しいから休日に寝だめ、眠りたいのに眠れない等の睡眠に関する問題が、現代社会の問題の1つとしてあるのも事実です。

この度、私たち研究グループが行った睡眠の問題と日中のパフォーマンスおよび心理的ストレスの関連を調べた研究論文が、国際誌「BioPsychoSocial Medicine」に採択されました。本日はその研究について、ご紹介いたします。

<論文のタイトルページ。全文に興味をもたれた方はこちらをクリックしてください。>

研究の結果から、日中のパフォーマンスと心理的ストレスには、頭がスッキリするくらいの睡眠時間を日々確保できていないこと(簡単に言うと睡眠不足)、眠りたいのに眠れないことの2つが関係していることが明らかになりました。そして、最も強く関連していたのは「眠りたいのに眠れないこと」でした。

「眠りたいのに眠れないこと」に対しては、実は認知行動療法(心理療法の一つの種類です)で改善が見込めることがわかっています。すなわち、この問題に対しては、心理学の観点からすでに立ち向かうことができていると言えます。

その一方で、睡眠不足を解消し、睡眠不足に逆戻りしないための方法に関しては、未だに有効な方法がわかっていないと言えます。こちらの問題については、次の研究テーマになりそうです。

なお、休日の寝だめは日中のパフォーマンス、心理的ストレスのどちらとも関連していませんでした。じゃあ、休日の寝だめはOK!?というと、そう単純な話にもできないので注意が必要です。休日の寝だめは日中のパフォーマンスとは関連しなさそうという報告が増えてきた一方で、心理的ストレスの強さと関連するという報告もあり、研究ごとに研究結果が分かれています。従って、休日の寝だめが良いのか悪いのかについては、まだまだ研究の蓄積が必要と言えます。また、休日の寝だめだけでは、睡眠不足は解消できないことも意外と知られていないことでもありますね。

いかがでしたでしょうか?心理学と睡眠は関連がないように思えますが、心理学の観点から睡眠という日々誰もが行っていることに焦点をあてることもできます。

このように、心理学は私たちの振る舞いのすべてに関連する身近な学問です。何気ない日常に、皆さんが夢中になれるテーマがあるかもしれません。そんなテーマについて、福山大学心理学科で学んでみるのも楽しいと思いますよ!

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忙しかったり試験前だったりすると、寝た方がいいとなんとなく思いつつも、ついつい削ってしまいがちな睡眠。心理学の研究から、やっぱり寝た方がいい、寝られた方がいい、ということがしっかり示されているのですね!

心理学は様々なテーマで研究ができることも魅力です。他の研究についても、今後このブログにて、いろいろと紹介していきますね!

 

 

学長から一言:睡眠と日中のパフォーマンスや心理的ストレスに関する研究が国際的な専門誌に掲載されたという嬉しく、誇らしいニュース。高野助手ほか研究に携わった皆さん、おめでとうございます。素晴らしい! ウィークデーはどんなに工夫しても早朝に目覚めてしまう一方、休日の朝は不思議と目が覚めにくい。やはり寝ている間も神経というか精神の緊張の度合いが違うのかと思ったりしています。いつかメカニズムを教えてもらいたいものです。

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