機械システム工学科
金谷 健太郎(かなたに けんたろう)
職 名 | 講師 |
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学 位 | 博士(理学) |
専門分野 | 流体力学 |
担当科目 | 流体工学Ⅰ、流体工学Ⅱ、専門英語、機械工学実験Ⅰ、機械システム工学入門など |
メッセージ | 気体と液体のような異なる相が共存する流れは、相の間に自由境界面があるためにその理論的取り扱いが難しくなります。このような問題に対して種々の近似を用いて簡単なモデルを提案しています。特に、相が変わるときの流れにおける現象に興味をもって研究を進めています。 |
気体が液体に変わるときの流れにおける現象の理論的研究
気体が液体に変わるときには、多大な量のエネルギーをわずかな温度差で放出します。この現象は種々の伝熱機器に応用されていて、産業上重要な研究課題です。従来の研究では、伝熱量等を経験的に求めることが多かったです。これに対し、流体力学の基礎方程式や物理的根拠に基づいた仮定から導出されたモデルを提案することを目指しています。このようなモデルは、現象の物理的メカニズムの把握およびその高精度な予測や制御を可能にし、この現象を用いた伝熱機器の最適な設計に資することが期待されます。
二相冷却系の模式図
太陽の光を集めてその熱エネルギーによって発電する
太陽の光を鏡で一箇所に集めて、その熱エネルギーを用いて発電する方法の研究に取り組んでいます。従来の自然エネルギーによる発電方法は、電力の供給が一定していないという欠点がありました。本発電方法では、エネルギーを熱という形で蓄えることにより、電力の需要と供給の不一致の問題が解消されると考えられます。本発電方法の低コスト化を目指し、熱伝達流体としては空気を、蓄熱媒体としては砂利を使った系における集光レシーバーや蓄熱の研究をしています。
太陽熱発電の概略図
液体が気体に変わるときの流れにおける現象の理論的研究
液体を加熱していくと、ある温度(飽和温度)で液体が気体に変化します。しかし、液体はふつう壁から加熱されるので、壁から離れた液体の温度が飽和温度よりも低いということが起こります。また、工業的応用では液体が流れを伴うことがしばしばあります。図のように加熱管内を気体と液体が共存して流れる場合、気体の割合によって流れが特徴づけられます。このような複雑な熱流動現象を物理法則に立脚しながらできるだけ簡易なモデルで記述することを考えています。
加熱管の中を流れる液体の模式図