【人間科学研究科】2021年度医療福祉・心理セミナーを開催!

【人間科学研究科】2021年度医療福祉・心理セミナーを開催!

毎年、人間科学研究科主催で開催される医療福祉・心理セミナー。昨年度に続き、今年も中野美奈講師の企画と司会進行のもと、有意義なセミナーが実施されました。

今回はそのセミナーの様子について、高野裕太助手からの報告です(投稿は、学長室ブログメンバーの大杉です)。

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心理学科の高野です。

人間科学研究科主催の2021年度医療福祉・心理セミナーが、3月8日(火)に開催されました。医療福祉・心理セミナーは、実際の現場で日々働いていらっしゃる心理専門職の方をお招きし、現場のリアルを学生に感じてもらうことを目的として毎年開催しています。

今年は、学校法人喜田学園通信制課程東林館高等学校の浮田拓也先生(臨床心理士、公認心理師、教育相談員)を講師にお招きしました。浮田拓也先生には、「不登校や傷つきを経験した生徒が元気になっていくための“かかわり合い”について~通信制高校の現場から~」というテーマで講演をいただきました。

東林館高等学校で生徒を支える枠組みをわかりやすいイメージ図で示していただき、他人とのかかわりや社会とのかかわりにおいて戸惑いを持つ生徒の「癒しと自立」をどのようにエンパワーメントしていけるのかということを大切にしているとの説明をいただきました。

浮田拓也先生が向き合った事例(セミナーに際して情報を加工し、個人情報を除いたもの)を題材に、概要とその事例で得た経験についても説明をいただきました。

事例の内容はシークレットですが、とても熱心に、そして正面から向き合われていたことがヒシヒシと伝わってきました。特に、「普段のかかわりからたくさんの情報を集めることができる。その中のどこかに生徒を理解するための取っ掛かりとなるものがある。目の前のことへの対応と未来を見据えたときの対応をどれだけ具体的に準備できるかが大切だ。」という話は、最前線で奮闘されているからこその重みのある言葉だったと思います。

「ベテランだろうが新人だろうが、現場に入ると関係ない。自分が支援者として現場に入った時に何ができるのだろうか?」という問いかけは、実習に参加している学生にはとても大切な問いかけだったように感じました。

最後に、支援者自身に必要なことをお話しいただきました。普段のかかわりの中で、「生徒から相談できる・相談したいと思える“アテ”になる存在になれているか」「生徒が力をつけて自立できるために必要な関係を作れるか」という話は、心理専門職を目指す学生には心に響いたのではないでしょうか。

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心理専門職を目指す大学院生にとって、また心理学を専門とする教職員にとっても、大変貴重な現場のお話を聞かせていただくことができました。教員として、私大杉も「アテになる存在」になれているかどうか、常に自問自答しながら教育に携わらなければならないなと再認識した次第です。浮田先生、本当に素敵な講演をありがとうございました!

 

 

学長から一言:誰しも順風満帆に日を送れるわけではなく、何かしらつまづいたり、思い悩んだり、傷ついたりします。その原因が学校や職場にある場合、ついつい行きづらくなるもの。そんなとき、救いの手を差し伸べたり、解決のヒントになる助言を与えて下さるのが種々の心理専門職に従事する人たちなのでしょう。専門家が難しいケースと日々格闘する中で身につけられた貴重な知見について、心理学専攻の院生諸君が直にお話を伺えるのはとても貴重です。きっと有意義な学びの機会になったことでしょう。

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