【大学】福山大の科研費獲得額が県内私大トップに!
大学教員にとって日頃の研究を支える重要な財源の一つが、日本学術振興会による科学研究費補助金(略称は科研費)。その令和3年度の配分状況がこのほど公表され、本学が広島県内の並み居る私立大学の中で、研究費の獲得額において、福山大学が第一位という結果になりました。このことについて、学長室ブログメンバーの総務部庶務課 佐久間がお伝えします。
『教育学術新聞』(令和4年1月26日付け)によれば、令和3年度に科研費の配分を受けた全国の私立等大学・専門職大学・大学院大学は591校。教員が自らの研究経費として使える「直接経費」と、事務手続き費用や施設・設備の整備・維持費用など所属機関へ配分される「間接経費」とを併せた配分経費(直接経費+間接経費)の総額の多い順に並べた一覧表の第149位に福山大学が位置付いています。本学関係で採択された研究課題の件数は41件、経費の配分額は5,031万円です。
福山大学の過去数年来の採択件数と経費配分額に関する順位は、2015年が21件で200位、2016年が25件で158位、2017年が25件で174位、2018年が27件で161位、2019年が31件で172位、2020年が34件で164位でした。採択件数、配分経費の順位ともほぼ右肩上がりに上昇してきたことが分かります。配分された研究費の額も2015年の2,652万円に比べて、7年間でほぼ倍増したことになります。
以下の表は国公立を含む科研費に関する全国の状況を示しています。
【研究者登録人数と科研費への応募件数】(令和4年1月26日付け『教育学術新聞』第4面より引用)
明治時代以来の施設、経費、人的な蓄積があり、相当にハンディが付いていて、トラックでの競走に譬えれば、初めから半周先、あるいはもっと先を走っている国立大学はさておきましょう。私立大学だけを見ても、今年の順位トップの慶応大は採択件数1,152、配分額は37億2,552万6,000円、第二位の早稲田大は採択件数1,122、配分額は29億2,773万円。何かと世間を騒がせた日大は第六位で、採択件数690件、配分額2億3,712万円です。遙か彼方に見えますが、申請可能な所属教員数が違い過ぎます。真の実力を測る別の客観的比較方法があるでしょう。また、遠すぎて勝負にならないように見えても、「千里の道も一歩から」と言います。
ちなみに、令和3年度に本学で科研費を申請することが可能な教員は199人、新規の申請件数は119件、申請率は59.8%でした。冒頭の採択件数等には過年度からの継続研究課題も含まれていますが、申請しなければ採択もありません。科研費全体の申請件数に対する採択課題の比率は国立大学で52.9%、私立大学では28.3%です。
【研究者が所属する研究機関別に見た採択件数比率の推移】(令和4年1月26日付け『教育学術新聞』第4面より引用)
また、学外からの研究費獲得のルートは科研費だけに限りません。本学の研究活性化のために、そして、大学教員としてのレゾンデートルを示すためにも大いに気を吐いてもらいたいものです。われわれ職員も注目し応援しています!
学長から一言:科研費の採択実績に関する報告に、ついつい嬉しく、誇らしい気持ちになりました。本学は大学独自の個人研究費の配分では比較的優遇されていますが、研究者を自認する大学教員にとって研究費の獲得は死活問題。今年度の科研費獲得の好結果は、これまでの弛まぬ努力が目に見える形で実を結んだものでしょう。また、科研費に限らず、近頃の外部研究費の獲得実績については、薬学部など目覚ましいものがあります。しかし、少々の順位の変動などに一喜一憂している暇はありません。さらに魅力的な研究テーマに地道に取り組みましょう。本当に研究をしていれば、経費は独りでに付いて来るものです。