【備後圏域経済・文化研究センター】文化フォーラム2021「日本古典文学で時空を超える―五七五・七七の世界」を開催予定!
文化フォーラムは、人間文化学科の行事として10年以上実施してきましたが、2021年度からは備後圏域経済・文化研究センターの行事として新たに出発します。人間文化学部の教員スタッフの新たな研究成果を中心に、備後文化の特徴を多角的に解明していきます。このことについて、備後圏域経済・文化研究センター長の青木が紹介します。
2021年度は短歌を主軸に、人間文化学科の日本文学・日本語学・アメリカ文学の教員に、古典文学、日本史、連歌が専門の外部講師を加えて6回の講座(12月は2回、令和4年1月は1回、2月は3回)を、以下の内容で開講します。
第1回は、青木(私)が井伏鱒二の未公開の短歌を取り上げます。これまで井伏の短歌は知られておらず、極めて貴重な資料です。その起源は、井伏の兄の地域での文学活動ともつながると思われ、作家になる前の井伏文学の特徴を明らかにします。
第2回は、広島大学名誉教授の竹村信治氏を講師に、和歌に描かれた備後を取り上げ、幕藩体制で分断される前の備後の景観を明らかにします。
第3回は、備陽史探訪の会会長の田口義之氏を講師に、室町時代に重視された備後の国人領主が京都に滞在して東山文化の担い手となるとともに、最後の将軍・足利義昭が所謂「鞆幕府」を置いたことが地域の文化に与えた影響について明らかにします。
第4回は、連歌の実作に挑戦し、連歌の面白さを体験します。講師の黒岩淳氏は連歌研究者・実作者でもあり、授業で連歌の実践もされ、それを著書で出版もされています。
第5回は、重迫隆司教授を講師に、英訳された和歌・俳句を取り上げて、翻訳されることで見えてくる古語や背後にある気持ちを読み取り、楽しく鑑賞します。
第6回は、脇忠幸准教授を講師に、古来続く「歌会」での「声を合わせる」という行為を取り上げて、古典文学から現代につながるコミュニケーションの問題に迫ります。
学長から一言:人間文化学科の恒例行事であった文化フォーラムが新たに開設された研究センター主催の事業として装いを新たに再出発。和歌や俳句の専門家および造詣の深い本学内外の研究者による6回シリーズの講座は興味深い内容ですね。連歌の実践講座も準備され、歌づくりの体験まで含まれているようです。忙しい日々を送っていらっしゃる皆様も暫し優雅な古典文化の世界に浸ってみられてはいかがでしょう。主催者に成り代わり、多数の方々のご来場をお待ちしています。