【海洋生物科学科】尾道市長を表敬訪問!!
海洋生物科学科の沿岸資源培養学研究室では、瀬戸内の里海資源の付加価値向上を目的に、高成長するシロギスの安定生産を目指す「養殖技術」とオニオコゼやキジハタ(アコウ)を天然資源と一緒に管理して持続的な生産に繋げる「増殖技術」の開発に取り組んでいます。その成果を伝え、放流事業へのご協力をお願いするため、このたび尾道市長を表敬訪問しました。海洋生物科学科の太田教授から届いたレポートを、学長室ブログメンバーの阪本がお伝えします。
オニオコゼの生産
今年度、卒業研究の一環として5月に尾道周辺海域で捕獲されたオニオコゼの天然魚を因島キャンパスに搬入し、産卵させて受精卵を確保しました。そして、ふ化した仔魚を半年間かけて飼育し、平均全長60 mmの稚魚5,000尾の生産に成功しました。
尾道市長を表敬訪問
今後、当研究室ではこれらの稚魚を生まれ故郷の尾道の海に放流し、成長して再び私たちのもとに戻ってくる割合を関係機関のご協力を得て調べる予定です。まずは、尾道周辺の海面を管理しておられる尾道市の許可を得るため、市産業部農林水産課を通じて平谷尾道市長を表敬訪問しました。
平谷市長は、第一次産業の振興に熱心に取り組んでおられ、「市場が輸入水産物に押されている今だからこそ、尾道を訪れる多くの方々に地魚の美味しさを伝えたい」と日頃から話をされています。このため、このたびの福山大学の取り組みは「市の方針と合致するところが大きい」とのお言葉を頂戴し、調査の実施について快諾をいただきました。これにより、稚魚は尾道市と近隣の漁業協同組合の方々のご協力のもと、11月30日(火)に因島の大浜地先と三庄湾、そして尾道の吉和漁港に無事放流しました。平谷市長から熱いエールを頂戴しましたので、美味しい地魚を皆さんのもとへお届けするため、当研究室では今後も引き続き、研究・教育に邁進していきたいと思います。
学長から一言:尾道市および近隣漁協の皆様のお力添えの御蔭で、本学の内海生物資源研究所が産卵・ふ化させ育てた高級魚オニオコゼの稚魚を近隣海域に放流したニュース、嬉しいですねえ。海洋生物科学科・内海研の教員・学生が総掛かりで目印を付けた稚魚たちはスクスク育って、きっと地元に豊かな恵みをもたらしてくれることでしょう。同時に生態についての研究調査も進展することでしょう。「育てる漁業」に貢献する研究の将来は明るいことでしょう。シロギス、オニオコゼ以外の他の魚種についても、次々と喜ばしい研究や実践成果が届くことを期待すると同時に、本学の事業にご支援を賜る平谷市長をはじめ尾道市の関係各位に感謝したいと思います。