【全学】令和3年度第1回福山大学教養講座と講師の文化功労者顕彰!
発達心理学の領域でご活躍の内田伸子先生のお名前は、皆さんの記憶にありますか。本学の今年度最初の教養講座がオンデマンド方式で9月下旬に行われましたが、そのときの講師の先生です。
教養講座の録画の一場面
その内田伸子先生が、このたび2021年度文化功労者に選ばれました。おめでとうございます。このことについてはすでにHPトップのお知らせにも載せていますが、ここでは、先生の優れたご研究の内容を簡単に紹介したいと思います。内田先生を教養講座の講師に推薦し、先生と同じ発達心理学を専門とする、前学長(現在は顧問)の松田が投稿です。
2021年度文化功労者として顕彰された内田伸子先生
先生は主にお茶の水女子大学を拠点として、心理学の基礎研究のみならず、子育てや教育の現実に寄り添い、子どもの物語の創造、作文の産出過程、会話行動、様々な母語の子供の英語習得過程の差異やコミュニケーションスタイルの違い、リテラシーの獲得に及ぼす文化・社会・経済的要因の影響など、多彩な研究を展開され、さらに象牙の塔に引きこもることなく、一般向けの書籍等を通じて子供の社会性、認知能力、情緒をはぐくむことに貢献する知見を提供し、児童虐待など逆境にある子供の支援や対応につながる研究も多くなされています。
私からのお勧め本は、
内田伸子著 「AIに負けない子育て~言葉は子供の未来を拓く~」 株式会社ジアース教育新社
内田伸子著 「子供の嘘の生起~語り・想起・会話に潜む嘘の発生因~」(太幡直也他 編著 「『隠す』心理を科学する」 北大路書房 の第五章)
これらを読むと、教養講座の内容の理解がさらに厚みを増して深まりますよ!
学長から一言:10月27日、朝刊をめくっていると、今年の文化勲章受章者9名と文化功労者21名の方々の写真が紙面を飾っていました。文化功労者の中に、文化勲章と同時受賞のノーベル物理学賞の真鍋淑郎教授や、俳優・歌手の加山雄三さんなどと並んで、内田伸子教授がいらっしゃるではありませんか。内田先生はつい先日、本学の教養講座でお話を伺ったばかり。「IQだけでは不十分」、「強制型しつけでなく、共有型しつけを」「英会話の早期教育より幼少期によく遊び、親子の対話こそ重要」など、長年の広範なご研究内容のエッセンスを分かり易く、優しい口調でお話し下さったのを思い出しました。内田先生、おめでとうございます。この日は朝からとても嬉しい気持ちになりました。