【生命栄養科学科】学外での臨地実習を全力実施中!
10月~11月にかけて、生命工学部生命栄養科学科の3年生が学外実習(臨地・校外実習)に赴きました。今年もコロナ禍の中、実習受入れ施設の多大なるご協力を賜わり、施設で実習が実現しました。心より感謝申し上げます。このことについて、学長室ブログメンバーで指導担当の石井が、吉田准教授と共同で報告します。
生命栄養科学科は、管理栄養士養成課程として公認されています。卒業必修単位として、学内での実習・実験の他、学外に実際に出向いて福祉・医療現場での栄養業務を学修しなければなりません。実際の医療や福祉、給食の現場で活躍する管理栄養士の諸先輩方を実習指導者に迎えて、実地で業務の指導を受けています。福祉施設入所者、入院・通院患者、小学校の子供たちを対象に、学内で3年次までに学修してきた講義や実習の知識・経験を以て、対象者を意識した栄養管理、栄養教育(栄養指導)、給食管理を学びます。
下の写真は、今年度、高齢者福祉施設での栄養教育を行っている様子です。テーマは「水分摂取の大切さ」で、寒くなる季節でも必要量を摂ることは健康維持に重要であることをお知らせしています。
学生たちは、事前に指導管理栄養士より実習課題をいただき、また自らも実習における研究課題を検討・考案し、実習先で実践します。実習課題には、施設利用者とのおやつ作り・調理指導から、そのおやつ等を題材にした栄養教材を作成して利用者の前で発表・指導します。
感染予防に細心の注意を払いながら、学内でしっかり練習した発表手順に従い、利用者と会話も交わしながら上手く話を進めていました。高齢者に分かり易いか何度も学生間で話し合い、楽しい雰囲気作りにも気を配りました。また、教材として、おやつ食材の解説や健康をテーマとしたリーフレットも作成して参加者に配布しました(特別養護老人ホーム新山荘にて)。
さらに、実習に赴く前から学内で課題のおやつを何度も試作したり、レシピの改善、レクリエーションでの段取りや作業工程などを学生間および教員を交えて練り直しながら準備しました。事前学習には学内での学修の総決算として、臨床栄養学、応用栄養学、給食マネジメント論、栄養教育論、基礎栄養学と、どれも現場に直結した様々な情報や知識をしっかり復習し、まとめまながら事前の学修を強化して実習に臨みました。
実習先で作ったおやつの数々をご紹介します。さつまいもプリン黒蜜かけ(エクセル福山にて)、手作り八つ橋巻きタイプ(しまなみ苑にて)、蒸しパン(福山福寿園にて)、ベイクドチーズケーキ(グリーンハウス宏喜苑にて)、安納芋モンブラン(特別養護老人ホーム新山荘にて)。
下の写真は、学生と指導管理栄養士が一緒に撮ったものです。学生は厨房での調理作業やおやつ作り、施設内での栄養ケア・マネジメント(栄養管理業務)の指導を受けました。実習施設には、本学科の卒業生が管理栄養士として入職し、利用者の健康管理や給食管理を担っている施設もあります(福山福寿園、リーフ明神など多数)。
また、給食部門に関しては、本学科の卒業生で委託給食会社の一員として給食業務に従事している方もいます(特別養護老人ホーム星の里)。後輩たちを迎える立場になり、頑張っている姿を見せてくれ、実習学生も教員も少し安心感が増す気持ちになります。業務途中でしたが、一緒に写真に収まってくれました。元気な様子にホッとします。
指導管理栄養士が本学科の卒業生であるためか、緊張しつつもとても楽しく充実した実習になり、みんな嬉しそうでした。利用者の方々への話し方・聞き方など最初は慣れずに声も小さかったですが、積極的な声掛けが功を奏して、落ち着いて聞き取りが出来るようになったとのことです。写真の右から2人目は第3期卒業生で、卒業以来8年目を迎え、管理栄養士としてキャリアを積んでいます。
※撮影協力:特別養護老人ホームしまなみ苑、特別養護老人ホーム福山福寿園、特別養護老人ホーム星の里、春海会エクセル福山、特別養護老人ホーム新山荘
学長から一言:管理栄養士の国家試験合格を目指して学外の諸施設で実習を続ける学生の皆さん、頑張っていますね。実習先で出会った生命栄養科学科卒業の先輩の指導の下で進む実習・訓練は、厳しいながらも楽しく、温かいものだったようですね。高齢化が急速に進む日本社会では、老人にふさわしい食事の調理や給仕の在り方は一大課題。今回の実習先の多くで学んだ事柄は、きっと将来大いに役立つに違いありません。