【建築学科】現地調査 先端技術で建築が変わる!!
前回は、卒業設計に取り組んでいる「デザイン系」学生の活動を紹介しましたが、今回は卒業研究に取り組んでいる「エンジニアリング系」学生の活動を紹介します。建築学科4年生が、竹中工務店の「先端技術活用モデルプロジェクト」を現地調査しました。企業技術者の方とのディスカッションが、とても刺激的だったそうです。梅國教授からのリポートについて、学長室ブログメンバーの伊澤が紹介します。
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建築業界は大変です。
皆さんはご存じでしょうか?今のままでは、2025年までに建設で働く労働者が340万人から210万人へ、約3分の2までに減ってしまうという予測があることを。
建築に先端技術適用拡大
これに対し、建設業界ではICT、ロボットなどの先端技術の活用で労働者不足や高齢化に対応しようとしています。今回、竹中工務店の協力の下、先端技術活用モデルプロジェクトについて先端技術の活用状況等を現地調査するとともに、学生計6名と教員で施工担当者及び開発担当者から課題や今後の展望について説明を受け、その後、学生からのプレゼンテーション、そして最後にディスカッションを行いました。
モデルプロジェクト
調査建物は、竹中工務店の岡山での新築工事です。環境に配慮した複雑な3次元曲面を描くルーバーを持つ特徴的な外観を持ち、オープンで多様な働き方に適合した内観となっていました。(写真-1)
写真-1
ここでは、計画-設計-施工を通じて、形状や寸法の他、材質や製造元などもデータ化されたCADであるBIM(Building Information Modeling)を活用し、さらにこのBIMデータ(地図)に基づき行動するロボットの活用が行われていました。(図-1)
図-1 BIMのイメージ (芝浦工業大学建築学部:志手教授作成)
現地調査を通じて
現場では、BIMデータなしでは3次元曲面ルーバーの施工は非常に難しかったそうです。(写真-2)
写真-2
また、BIMデータがあれば、スマホだけで完成状態と工事中の比較などが容易に行えることなどについての説明がありました。(写真-3)
写真-3
また、BIMデータ(地図)に基づき、エレベーターにより上下階も自由に移動する建築ロボットの説明を受けました。(写真-4)
写真-4
企業の方とディスカッションで自信
これらの調査や卒業研究などの課題について、施工担当者及び開発担当者とディスカッションを行いました。(写真-5、6)
写真-5
写真-6
最後は、BIMやロボットのメリットや課題、今後の展望などについて活発なディスカッションが行われ、卒業後に飛び込む建築分野の未来像にも触れることができ、将来への期待と研究への自信につながりました。
学長から一言:「ルーバー」や「BIM」など専門用語が次々飛び交い、門外漢には新鮮で、しっかり意味を考えながら読まないと置いていかれそうな報告。しかし、建築を専攻する学生諸君にとっては、施工や開発の第一線で活躍されている専門技術者のお話や経験は、きっと大学の教室では味わえない迫力があり、たいへんな刺激となって迫ってきたことでしょう。それにしても、小さなスマホを使って高度な分析作業も可能とは、とんでもない時代に生きていることを改めて感じます。