【国際交流】箏が海を越える、人を繋ぐ
ブルガリアのソフィア大学に箏を寄贈したことは以前のブログで紹介しましたが、今回はオンライン贈呈式の様子について、国際交流課の神原がお伝えします。
Zoomでのオンライン贈呈式は、7月20日(火)日本時間14時(ブルガリア時間午前8時)から国際センター・グローバルラウンジで行いました。
ソフィア大学からは、日本学科のステラ先生に加え、本学への留学経験があるクリスティーナさんとマルティンくんが参加しました。本学からは、冨士副学長、伊丹国際センター長、筝曲部顧問の青木教授、筝曲部部長の麦田くん、ブルガリアとの交流発展に尽力した元国際センター長の岩本教授、ソフィア大学への留学経験がある宮本くん、そして国際交流課が参加しました。
はじめに、冨士副学長から「福山大学のある福山市は箏の産地です。日本国内で製作される箏の7割が福山箏といわれています。また、お正月の曲で有名な『春の海』は、宮城道雄氏が鞆の浦をイメージして作曲したといわれています。福山に大変ゆかりのある箏を通じて、両大学の交流がますます発展することを期待しています。」との挨拶があり、伊丹国際センター長からは今後とも積極的にソフィア大学との交流を行っていきたいとの抱負が語られました。
これを受けて、大阪大学でも学び、10年ぶりに箏に触れられるというステラ先生は、箏到着時の気持ちを次のように語ってくださいました。
「コロナ禍で人と触れ合う機会が減った中、箏が到着した時、奇跡が起こったように感じました。ブルガリアでは、日本と同様に昨年3月から対面で会うことが難しい状況が続いていますが、ソフィア大学ではようやく今年の10月から対面授業が再開される予定です。このようなタイミングで箏を頂いたことは、箏は単なる楽器ではなく、普通の生活に戻るための一つのステップとして、つまり人と人との交流に活かすためのものを頂いたのだと本当に嬉しくなりました。貴重な箏を寄贈してくださった福山大学の皆様には、感謝の気持ちでいっぱいです!日本文化への関心が高いこちらの学生たちも大変喜んでいます。この箏を通して更なる学生交流を行っていきましょう!」
また、筝曲部長の麦田くんからは、次のような話がありました。
「箏は天と地を「繋げる」動物の龍に見立てられますが、このような意味合いから、箏を演奏する際には、箏を弾く人と演奏を聴く人の心を「繋ぎ」、人の輪を作る楽器であるとされています。当面はオンラインで練習会や演奏会を行い、コロナが収束すれば、互いに訪問して一緒に演奏できればと思います!」
両大学の参加者はこれまでの交流話にも花を咲かせ、心温まる贈呈式となりました。
学長から一言:本学が寄贈した箏がソフィアに着いたことは、先日のブログに載りました。そのブログの中で予告されていた正式の贈呈式が、双方の関係者の協力によりオンラインで実現したのは何とも嬉しいニュースです。ソフィア大もコロナ禍の中で授業を継続するために頑張っていらっしゃるようですが、まもなく対面授業が再開される時に箏が披露できるのは良いタイミングでした。画面の中に、集中講義で出かけた時にお会いしたステラ先生や、その後本学に留学したクリスティーナさんやマルティン君の顔を見ることができ、懐かしい気持ちで一杯になりました。