【大学教育センター】”Welcome back, Ms. Cordelia”
2年半前の2018年秋、福山大学に滞在し、8週間にわたって英語教育のTAを務めたコーデリア・ドリュッシー(Cordelia Druissi)さんのことを覚えている人もいらっしゃるでしょう。あの彼女が、今度は英語教員(非常勤講師)として福山大学の教壇に立つために再来日しました。「コーデリアさん、お帰りなさい!」ということで、ローズ准教授と大塚前センター長から報告が届きましたので、大学教育センターのブログ委員の竹盛がお伝えします。
アメリカのインディアナ大学が実施する「グローバル・ゲートウェイ・プログラム」を通じて、世界の13の派遣国の一つである日本を選び、同大理事会と福山大学の大学教育センターとの協定に基づいて、2018年に本学を訪れたのがコーデリアさん。このプログラムは英語教育などのTAとして実習する中で、将来の教員としての力量を強化するとともに、派遣先の文化や習慣などへの理解を深めようというもの。昨年度からコロナ禍のために一時休止状態が続いていますが、すでに何人もの実習生が本学を訪れています。その一人である彼女についても、以前ブログで紹介したことがあります。
前回来日時のアドバイザーであったローズ准教授とは軽妙な掛け合いで楽しい授業を繰り広げ、受講生諸君の間で大人気を博しました。また、大学教育センターが制作し、学内数カ所に設置した大画面のモニターで視聴できるようにした「一分間英語 (One Minute English)」にも協力して、動画教材に登場していました。授業を受講したり、動画を目にしたりして覚えている人もきっといらっしゃることと思います。
インディアナ大学4年生の時に本学を訪れた彼女は、卒業後にニューヨーク大学の大学院修士課程に進学して、学士課程での専門である演劇学に関してさらに研鑽を積んだ後、このたびの再来日となりました。ところが、コロナ禍の下での入国は至難の業です。でも、新学期の授業開始が迫る中、国際交流課の大変な尽力で入国・就労ビザ(教育)の取得も比較的スムーズに行うことができました。アメリカ国内でワクチン接種を済ませた上、日本に着いてからも成田のホテルでの入管による感染防止のための14日間の隔離が待っていました。ようやく来日が実現しても、大学近辺への到着までの数週間も授業をこなさないといけません。でも大丈夫、これはコロナ禍の「御蔭」で、すべて遠隔授業であったため、アメリカでも成田でも、どこに居ても、パソコンとWiFi環境さえ整っていれば、授業に穴を空けることはありません。
こうして努力の末、大学への初めて通勤の日、ローズ准教授とともに学長室訪問ということに相成りました。
サケが大海で成長した後に生まれた川に回帰するように、母川とも呼ぶべき福山大学に戻って来て下さったコーデリア講師との久し振りの対面で、暫し歓談の時を過ごしました。ちなみに、彼女のお祖母様のスミエ・ジョーンズ先生は東アジア言語・文化学、比較文学者でインディアナ大学名誉教授の生粋の日本人。その血を引いて日本語も堪能、加えて演劇学専攻で培った技量や知見も活かして、非常勤とは言ってもコーデリア講師はきっと本学の英語教育に大いに貢献して下さることでしょう。
最後にマスクを外し、仲良く記念写真に収まって訪問を終えました。
学長から一言:本学での実習を終えて間もなくインディアナ大学を卒業した後、ニューヨークでさらに勉学を続けているという話は聞いていました。久し振りにお会いでき、嬉しい限りです。前回、実習を終えて帰国する前、大学教育センター長であった私に残して下さった小さなメッセージカードを机の引き出しに入れて大事に持っていました。開いて見ると、福山大学の皆さんから受けた親切や支援への感謝とともに、末尾に次のように書かれています。「私はそのうちまた日本に戻ってきます。その時には、必ず福山大学をお訪ねします」と。それが本当に実現しました。どうか本学の学生が英語を好きでたまらなくなるような楽しい授業を実践してください。大いに期待しています。