【税務会計学科】学びは逆境を越える!―「地域調査」学びによる地元企業との連携促進
税務会計学科の開講授業である「地域調査」は、2017年度から地元企業とのコラボ連携による新たな授業形式を導入して以来、4年目となります。年を追うごとに受講者が増え、現在では経済学部における人気授業の一つとして定着しつつあります。今年度後期の連携授業は、前期のエブリイ社と同様に、コロナ禍に翻弄されながらも株式会社ププレひまわりの協力のもとで無事に成功裏に終わりましたので、その成果について関下(税務会計学科)が報告いたします。
株式会社ププレひまわりとの連携授業は、コロナ禍のなかで4年目を迎えました。今年度は、昨年度末に福山大学が株式会社ププレひまわりとの協力による地域課題解決を目的として締結した「協働事業協定」に基づく連携授業実施の初年度ともなる記念すべき年でした。新型コロナウイルスの「第3波」が危惧される中で、学生の意欲的な学び及びスムーズなグループワーキングを確保することを目的に、株式会社ププレひまわりの協力を得てオンライン形式を中心としつつ、対面形式も導入することにしました。株式会社ププレひまわり社は、全社を挙げて新企画を練り上げると同時に、対面による学生への指導体制も立ち上げてくださいました。
後期連携授業では、「会社(ププレひまわり)の広報を考える」をテーマに、ププレひまわりの「広報部」になりきって「情報誌」の原案を作成する課題に対して、7つのグループ(3~4名)に分かれてディスカッションとプレゼン資料作成をしてもらいました。それにあたって、社員に対するオンラインでのインタビューや若手社員によるオンラインにとどまらず、対面による直接的な指導も導入されました。担当社員はプレゼンに必要な情報を随時に提供していただき、努力を惜しまず協力していただきました。そのため、新型コロナウイルス感染拡大による学びへの影響を最小限に抑えることができ、「第3波」が到来した昨年の11月後半以降においても、学生には戸惑いや不安もみられませんでした。
学生プレゼンテーションは、新型コロナウイルスの「第3波」の真っ最中にオンライン形式により実施されました。厳正なる審査により、1位は「ひまわりの食品について」をテーマにとする「sunflowerチーム」、2位は「みんなが知らないひまわりならではの“こだわり”」をテーマとする「福大チーム」、3位は「就活向けの情報誌」をテーマとする「タンポポチーム」がそれぞれ受賞しました。情報誌としての、幅広い資料調査に裏付けられる豊富な情報量や魅力的な誌面づくりにおける工夫などが高評価に結びついたようです。
上位3位のチームリーダーによる感想文を紹介します。
1位の「sunflowerチーム」リーダーの林裕基さん(税務会計学科2年):
「地域調査の講義では7つのチームがあり、sunflowerのリーダーをやらせてもらいました林裕基です。sunflowerは4人で結成しました。私たちsunflowerは、ププレひまわりの食品についての情報誌を作って発表しました。この情報誌作りや発表で意識したことが2つあります。1つ目は、情報誌を作る際に文章を長々と書かないことです。情報誌として文章が長ければ読む気が失せてしまうため、私達は文章を短くまとめることを意識しました。2つ目は、制限時間内に発表し終わることを意識しました。制限時間の5分程度を意識して文章を短くまとめましたが、それでも練習の発表では10分ほどかかってしまいました。そこで皆で話し合い、文章を全部読むのではなく、文章の重要な部分だけを話すように決めました。そうすることで、感想を含め6分で発表を終わらせることができました。私は前期にも地域調査の講義を受けており、エブリイの社長さんや社員さんの前でプレゼンをしましたが、5チーム中5位という結果でした。発表の仕方、文章の書き方、直す点はいろいろありましたが、今回の情報誌作りや発表ではそれらを意識して取り組めたと思います。1位を取れて良かったです。」
2位の「福大チーム」リーダーの小川温さん(税務会計学科2年):
「プレゼンの準備が始まった最初の段階では、まだププレひまわり社について知っている事も少なく不安な気持ちからのスタートだったのですが、実際に社員の方とお話をさせていただいたり、ププレひまわりについて自分たちで調べていく中で、どんどんひまわりの魅力を知ることができ、普段買い物している立場では気付けないようなププレひまわり社ならではのこだわりや良さを見つけられたので、とてもいい機会になりました。また、社員の方々は何も知らない私たちに優しく声をかけてくれたり、とても丁寧に質問に答えてくださったり、また資料作成の手助けをしてくださったり、そのような所からもププレひまわりの会社内の雰囲気などが想像でき、より魅力的に感じました。ププレひまわりはほかのドラッグストアに比べ、どのようにすればお客様に満足していただけるか、どのようにすれば多くのお客様に買い物をより楽しんでもらえるか、などお客様目線に立って工夫をしている点が多いと感じ、ププレひまわりが地域から愛される理由が分かりました。また、プレゼン資料作成にあたり、不安な事や分からない事もたくさんありましたが、社員の方が親身になって手助けをしてくれたりチームの全員で力を合わせたので、とてもいいプレゼンができたと思います。」
3位の「タンポポチーム」リーダーの永井孝平さん(国際経済学科2年):
「私は、今回の授業のグループワークで「リーダーをすることの苦労」について学びました。私は今までリーダーを支える役などはしたことがあったのですが、実際に自分がリーダーになって活動したことはほとんどありませんでした。しかし、今回のグループワークで「何か挑戦したい」という気持ちがあり、リーダーに立候補しました。グループワークを通して、1番苦労したのが「環境づくり」でした。授業は対面でしたが、課題製作はオンラインが多かったです。そのため、こまめにメンバーへの呼びかけをしたり意見交換をする機会を行ったりなど、みんなが充実したグループワークができる環境を作ることが難しかったです。また、「やることがない人」がいないように各自の役割分担を行うことも難しかったです。このように、私はリーダーを経験することでしか体験できないことをたくさん体験することができました。グループワークを頑張ったことにより、発表後の質問に対してもみんなと行った意見交換がきちんとできていたため、しっかりと答えることができました。また、授業への態度に対してもグループ全体で目標設定ができていたため、褒めていただくことができました。3位という結果で課題点もたくさん見つかりましたが、グループ全員で頑張ったことが結果として出てよかったです。とても良い経験ができました。」
最後に、学生指導を全面的に担当された株式会社ププレひまわり人事総務部採用・教育課の東野昇平さんからもコメントを寄せていただきました。
「この度は、福山大学産学連携講義に企業として参加させていただきありがとうございます。今回は、特に新型コロナウイルスの影響によりオンラインでの状況下でも行えた事をありがたく思います。毎回テーマが違った内容を学生の皆様と一緒にさせていただき、こちらも新しい考え方や今までは当たり前だと思っていた事でも、学生の皆様からは違った見え方をしているのだと私たちも改めて気付かされております。今回のテーマは、ひまわり社員になりきって『広報誌の作成』と情報収集が重要になる難しいテーマでしたが、各チームで工夫して取り組んでいただきチームごとのカラーが出た成果物や内容になったと感じます。代表例としては、福山girlsや福大の2チームです。女性目線での広報誌の作成のために、ひまわり社員への聞き取りや広報誌に必要な情報収集を見事にしてくれて素晴らしい広報誌を作成してくれました。sunflowerもひまわりが力を入れている食品に着目し、実際に学生の皆様で店舗に足を運び、レイアウトの作成や写真を取り込んで広報誌を見やすい工夫をしてくれました。このように、テーマに沿った成果物を作成していく中で、職業理解力、課題解決力や能力を身につけ、さらにはそれを今後の社会に役立てていただく事、少しでもそれが地域活性になればと思います。毎回違ったテーマなので苦戦をすることもありますが、少しでも企業としてこれからも一緒にご協力出来ればと思います。毎回の準備や学生さんへの連絡など、見えない部分への配慮も含めて毎回ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。」
以上のように、オンライン授業形式にともなう学生の戸惑いや不安を払しょくし、またコロナ禍という未曽有の逆境を地元企業を学ぶ最大のチャンスに変えるべく、全社を挙げて企画及び学生指導にご尽力いただきましたププレひまわり様に心より感謝を申し上げます。
次年度でも、コロナ禍と付き合いながらの連携授業が続くと思われますが、そうした逆境を地元企業と手を携えながら「学びのチャンス」に変革しようではありませんか!
学生の参加をお待ちしています。
学長から一言:「コロナに負けない!」優れた授業の例が、また登場しましたねッ!!!ププレひまわり様、お忙しいところ、本当にありがとうございました!学生の皆さんもよく頑張りました。。。将来にしっかり生きてきますよ!