【生物工学科】蔵元天寶一から清酒ローズマインドを発売!~福山バラ酵母プロジェクト第4弾~
福山市の花である“バラ”から酵母を分離し、様々な食品への応用を進めている生物工学科の久冨教授から新しい清酒の開発について報告いただきました。学長室ブログメンバーの吉﨑が投稿します。
福山バラの酵母プロジェクト
生命工学部生物工学科の分子生物学研究室(久冨泰資教授)では、2013年から産学官連携事業である福山バラの酵母プロジェクトを推進しています。これまでに、せらワイナリーから「備後ワイン(旧さんぞうの赤)」、ホシノ天然酵母パン種から「ホシノ薔薇酵母パン種」、備後福山ブルーイングカレッジから「ふくやまバラ酵母生にごりPAビール」を発売しています。いずれも、福山で栽培された真紅のバラ(ミスターリンカーン)から分離したバラ酵母(リンカーン酵母)を用いて研究開発・製造されたものです。
清酒ローズマインド
今回、私たちは福山で唯一の造り酒屋である天寶一(創業110年)と提携して、リンカーン酵母を用いて新たな味わいの清廉な日本酒を醸造することに成功しました。このバラ酵母日本酒の名称には、人と人との繋がりを大事にする趣旨で福山市が推奨しているローズマインド(バラのこころ)をいただきました。
天寶一の村上社長や杜氏さん方の感想では、これまでに味わったことがないくらい優しくて少し甘みを感じながらも切れのある清廉な日本酒に仕上がったとのことでした。日本酒の嗜好の幅が広がり、女性にも人気がでて洋食にも合うでしょうと評価されました。ラベルには、ハートであしらったバラが描かれています。
2月8日(月)、天寶一の村上社長と福山大学の久冨教授は、バラ酵母日本酒(ローズマインド)の完成報告のために枝広福山市長を表敬訪問しました。枝広市長は、その場でローズマインドを試飲されて、その飲み口の良さを絶賛されました。
3月1日(月)からは、本格的に販売を開始します(問い合わせ先:天寶一)。
2025年世界バラ会議
2025年の春には、福山市で世界バラ会議福山大会が開催されます。枝広市長は、バラ酵母のワインとビールと日本酒を世界バラ会議の公式ドリンクにしてはどうかと提案されました。また、これらのアルコールドリンクに加えて、バラ酵母のパンまで含めてローズマインドシリーズとして統一性のある「バラ酵母プロダクト」にしたらもっと社会に浸透していくのではないかとの建設的なご意見をいただきました。
2023年には、福山バラ酵母プロジェクトが10周年を迎えます。福山市の世界バラ会議推進室からは、2025年の本大会のプレイベントとして講演会や展示会(試飲・試食を含む)を開催してはどうかとのご意見をいただいています。私たちも身の引き締まる思いです。福山バラ酵母を通して福山大学や福山市の知名度が世界に届き、さらなる大きな流れに発展していくこと願ってやみません。
基礎研究あっての応用研究
大学が果たすべき地域社会への実用的貢献には、大学で展開する基礎的研究力による裏付けが必要です。私たちの研究室では、酵母の基礎的研究を日々推進しており、その成果を権威のある世界的な学術誌に本年に入ってからも2報連続して発表しています。
・https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33047808/
・https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33444464/
地域、日本、世界中の方々が私たちの基礎的・実用的研究に触れ、ともに大きな夢を追いかけることができればと心より願っています(ローズマインド!)。
追記:このブログに関連する話は、次のYouTubeでも視聴可能です。
FMふくやま、小林史明のあなたの出番です!
学長から一言:ワイン、パン、ビールに続いて、福山のバラの酵母が日本酒にも生きてきましたねッ!す・ば・ら・し・い!「これまでに味わったことがないくらい優しくて少し甘みを感じながらも切れのある清廉なお味」。。。皆さんも、ぜひお試しあれ!!!