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薬学科

小川 祥二郎(おがわ しょうじろう)

職 名 准教授
学 位 博士 (理学)
専門分野 分析化学
担当科目 分析化学II,分析化学III,薬局方概論,物理へのファーストステップなど
メッセージ 病気の診断や予防のためには検査を行いますが,万能な方法は存在していません.すなわち,どんな方法を用いて測定を行うにしても得意なことがある一方で,苦手なこと,克服すべき課題があります.私の研究は現行の測定法が『苦手とする課題』に対して測定法の原理に基づいてひと工夫加えることで,①今までよりも感度良く観察できる,②より正確に測れる,③もっと患者の痛みの少ない方法で測れる,といった欠点の克服を目指すものです.新しい測定法の開発を目指す分析化学の分野はあらゆる分野の基盤ともいえる興味深い学問ですよ.

 研究者情報 

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質量分析計用の高感度化誘導体試薬の合成と生体試料分析への応用

質量分析計は特異性の高い分析法ですが,中性ステロイドやホルモンなど,十分な感度が得られない化合物も多く存在します.我々は感度を向上させる新規誘導体化試薬の開発を行っています.化合物に合わせた誘導体化試薬を合成し,分析に応用することで,誘導体化しない時よりも数十倍-数百倍の感度改善ができます.大幅な感度向上が達成されれば,これまで見過ごされていた疾患の発見や,検査に使用する生体試料の削減も期待されます.

誘導体化試薬を活用したビタミンD3代謝物の高感度分析

ステロイド標品群の化学合成と生体試料分析への応用

アルツハイマーや先天性代謝異常症など様々な疾患の診断マーカーとして期待される化合物が次々と報告されています.これらの生体内での役割の解明,またこれらの正確な分析には標品が必須です.しかしながら,このような標品には市販されていない,あるいは入手困難なものも多く存在します.そのことから,実際にそのマーカー化合物の存否を確定させるために,我々は診断マーカー候補化合物群を自分たちで化学合成しています.得られた合成標品を種々の生体試料分析へと応用します.このように我々の成果が新規な診断法開発の一助となることを期待し,日々研究を行っています.

先天性代謝異常症 (SLOS) の診断マーカー候補化合物の合成