【機械システム工学科】幻の学会発表

【機械システム工学科】幻の学会発表

機械システム工学科4年生の池田弥央くんが、3月5日に開催予定の「日本機械学会中国四国学生会第50回学生卒業研究発表講演会」で講演すると同時に、座長の大役を担う予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で学会が中止になり、講演は幻になってしまいました。発表に向けて一生懸命準備してきたのですが、発表できないのはもったいないので、研究室で発表会を開催しました。機械システム工学科の小林が紹介します。
池田くんは、加藤教授の研究室(表面設計研究室)に所属しています。それでは、発表内容とこれまでの研究の様子を池田くんに紹介してもらいましょう。
 
————————————
 
はじめまして。池田です。卒業研究で1年間取り組んだ内容を日本機械学会中国四国学生会で発表する予定でしたが、中止になりましたので、研究室で発表会を開いていただきました。講演題目は「ナノワイヤにより凹凸を形成させたSUS304の撥水性評価」です。発表時間が10分に限られていますので、時間内に発表できるよう念入りに準備をし、練習通りに発表できたと思います。学会で発表できなかったのは残念でしたが、良い思い出になりました。
私は、卒業研究で金属板の表面にナノワイヤという下の写真のような小さな突起を作る研究を行いました。1mmの1/1000という小さな突起です。
金属の表面にナノワイヤを作ると、ハスの葉の表面に水玉ができるように、水をはじく性質(撥水性といいます)が出てきます。これにより、塗装などよりも優れた耐食性(さびなどができにくく、長持ちすることです)が得られるようにすることが、この研究の狙いです。
ナノワイヤは、下の写真に示すRFプラズマ放電装置を使用して作ります。大きな装置で操作方法が難しく、操作を間違うと壊れますので、マニュアルを見ながら操作します。使いこなせるようになるのに時間がかかりましたが、今は1人で実験できるようになっています。突起を作るのに1日かかりますので、朝から実験をします。
下の写真は、頑張って作った試験片です。突起は小さく、目で見てもわかりませんので、成功したかどうかはこの時点ではわかりません。
電子顕微鏡を使って、ナノワイヤができているのか調べます。今回は、赤ちゃんのような成長初期のナノワイヤができていました。まだ最良の実験条件になっていないため、小さな突起になったのだと考えていますが、なんとか突起を作るところまではできました。
1年間を振り返り、実験は時間もかかって大変でしたが、成功したとわかったときは大変嬉しかったです。卒業研究では、授業だけではわからない様々なことが理解でき、大変勉強になりました。
 
————————————
 
学会での発表ができなくて残念でしたが、狙い通りの実験結果が得られて大成功でした。この研究成果をもとに、来年度以降の卒業研究では、さらに大きなナノワイヤを作れるようになることが期待されます。
 
 
学長から一言:池田君、学会発表が出来なくて残念でしたねッ!赤ちゃんのような成長初期のナノワイヤでしたが、来年の卒業研究生が、貴君の成果を土台にして、幼稚園児ぐらいに育ったナノワイヤを作って、学会発表してくれることを期待しましょう!!!
 
 
 
 

この記事をシェアする