生命工学部

Faculty of Life Science and Biotechnology

【生物工学科】バイオ経済企業論で卒業生による講義がありました!

【生物工学科】バイオ経済企業論で卒業生による講義がありました!

恒例のニプロ(株)木下良治氏(生物工学科第一期卒業生)による、バイオ・経済企業論「医療における臨床検査の位置づけと臨床検査薬の開発」が12月19日開講されました。生物工学科教授の秦野がお伝えします。

総合医療機器メーカーの仕事

講義の前半は医療の制度や仕組み、薬事法や医療機器の許認可の話、そして臨床検査とは何かについてわかりやすく解説していただきました。医療分野の講義や話題提供の少ない本学科の学生にとって、大変興味深いお話でした(実際、普段聞けない話が聞けて良かったというレポートが多かった)。

現代の医療事情の中で、ニプロ(株)がどのようなスタンスで商品開発に臨んでいるかという事例などもわかりやすく話していただきました。特に在宅医療の分野で、患者(高齢者)と医者との間でコミュニケーションできるシステム(ソフト)の開発や痛みを極力少なくした検査方法の開発など、時代の流れに応じた発想での商品開発の事例には「なるほど!」とうなづきながら聞いている学生の姿もありました。

商品開発

最後に木下氏が直接かかわった商品開発の事例を紹介していただきました。ひとつは「ネコの腎臓病検査キット」。ネコは年を取ると腎臓が悪くなる場合が多く、透析などが必要になると大変お金がかかるそうです。そこでそうなる前に早期に腎臓病を検知し適切な治療を受けられるようにした、ネコにとって画期的な検査キットとなったそうです。

もうひとつ。「唾液アミラーゼモニター」の開発。ヒトの舌下腺から分泌されるアミラーゼはストレスとの関連が強く、高いストレスを受けるとアミラーゼ活性も高くなるのだそうです。そこで、アミラーゼ活性を色素で検出することのできるチップとモニターを開発しました。これは大ヒット商品となりました。

http://med.nipro.co.jp/med_eq_category_detail?id=a1U1000000b535GEAQ

教室にデモ器を持参していただき、全員が自分の唾液アミラーゼの活性を測定しました。概ね活性は低い値で、高いストレスを受けている学生さんは少ないようでした。私も測定しましたが、値は45。例年100近い値が出るのに、今年は?? タバコを止めたからか?? などと逆に色々考えてしまいました。 「学生の間に何か得意なことを見つけること。それを自分の自信につなげていくこと」・・木下氏の言葉は学生の心に届いたことでしょう。   By 秦野

 

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