Department of Media and Visual Studies
CMコンテストの記録
学科イベント「高校生CMコンテスト」の過去の入賞作品を掲載しています。
第18回高校生CMコンテスト2023
高校生CMコンテストは、映像メディアに対する高校生の豊かな感性を開花させ、その才能を支援することを目的として、福山大学人間文化学部メディア・映像学科が毎年開催しています。第18回目の今年度は<地域の魅力を発信>と題し、2つの部門で作品を募集しました。
映像の部75作品、ポスターの部503作品の応募のなかから、つぎの入賞作品が選ばれました。
金賞 「そうか草加、行こう。」
立教新座中学校・高等学校 松尾 優志、池田 篤生、本田 悠真、宮内 彰吾
審査員のコメント
和風でモダンなBGMに合わせて、匠の技が感じられるカットがテンポ良く切り替わり、観終わったら草加せんべいが食べたくなるCMでした。途中、実際の作業音を入れることでより臨場感が出ていると思いました。最後のカットの「そうか草加、行こう」のコピーをロゴにして、せんべいがかじられるグラフィックと効果音の演出が、CMらしさを高めていると思いました。実際にどこかで使われても良いような高いクオリティだと思いました。
お知らせ
本作品が、草加市役所1階PHOTOSPOTのモニターや、草加駅前のマルイ1階にある観光案内所、草加せんべい振興協議会が参加するイベント等で上映されるとのことです。お近くにお越しの際はぜひご覧ください。
金賞 「父が恋した季節」
浜松学芸高等学校 鈴木 楓、坂本 りつ、中畑 瑠菜、生駒 彩華、甲賀 響、牧田 心路
審査員のコメント
映像そのもので語る、ということにしっかりチャレンジしていることが伝わります。丁寧に撮られた美しいカットを気持ちよく繋いでいる、非常に完成度の高い映像だと思います。BGMの音も素晴らしい。
ただ全体としては父娘のドラマの印象が強く、美しい海岸(ゴミひとつない…!!)が、二人を支える脇役にとどまっているようにも感じます。今回のCMの尺では難しいですが、ここを舞台としたオムニバスの短編映画などになっていれば、海岸の印象がいろいろな形で伝わり、より存在感が際立つでしょうか。
銅賞 「心温まる懐かしさを大子町・旧上岡小学校」
茨城県立水戸第二高等学校 山下 由季、山田 結愛、尾又 杏莉、大久保 千夏
審査員のコメント
セピア色で始まるシンメトリーな校舎全景の画面は、ブラーのかかったズームで始まり、時を超えて訪れた世界のようです。
女子生徒が教室を跨ぐとカラー表現となり、現在でもとても良い状態で保存されている教室の紹介映像、最後にはズームアウトしてまた校舎全景の映像で終わるのだが、始まりと同じアングルで、動画の構成もシンメトリーで面白い。
保存された文化財の紹介映像として、一定の完成度を評価しました。
ふくりん賞 「世界でひとつの博物館」
岡山県立笠岡商業高等学校 宮口 陽菜
審査員のコメント
冒頭、英語のナレーションで惹きつけ、カブトガニの豆知識を披露する流れは記憶に残りやすく良い演出です。ただ迫力のある恐竜を表現するのであれば分割画面ではなく、ひとつの画面の方が良いでしょう。またスムーズではないズームは視聴者を現実に引き戻してしまいます。迫力のある映像を狙うのであればもっと近接から見上げる構図にするなど制作意図を表現できる撮影方法を身につければより良い作品になると思います。
ふくりん賞 「伝統と変革のまち」
広島県立高陽高等学校 境谷 颯馬
審査員のコメント
可部の街を散歩しているかのようなカメラワークが心地よい映像でした。BGMの頭と最後が全体の尺に合わせて作られていて、安心感がありました。最後のカットのロゴとモーショングラフィックスがCMらしさを高めていました。観光地を網羅的に魅せるだけでなく、ストーリー性も加われば、可部の魅力を伝えられるより高い完成度のCMになると思いました。
最終審査進出作品 「一生忘れられない町-onomichi-」
広島県立尾道商業高等学校 古畑 さくら
審査員のコメント
メインの部分では写真とキャプションをテンポよく繋いでいます。街で撮られた写真全体のトーンが揃っていることで、雰囲気よくまとまっています。冒頭と最後の動画部分では、もう少し時間帯を感じられるように撮ることができればコントラストが生まれ、より効果的だったと思います。スマートフォンでも、撮る際に色調など調整できることもあると思いますので、ぜひチャレンジしてみてください。
最終審査進出作品 「ようこそ、備中の海へ。」
銀河学院高等学校 渡邉 蓮翔
審査員のコメント
瀬戸内海を題材に映画を思わせるシネマスコープとその雰囲気に合わせた音楽など制作の意図は伝わります。しかし「ぜひおいで下さい」とまとめるには瀬戸内海の魅力がそこまで伝わってきません。雄大さを表現するには三脚でぶれないように撮りましょう。特にラストカットは水平も傾いているためもったいないです。
最終審査進出作品 「目に映るもう一つの景色」
兵庫県立香寺高等学校 上田 修護、高橋 穂乃馨、種田 もか、有末 桃香
審査員のコメント
文字通り目の中に合成処理された映像が映り込むと言う発想が大変面白いと思いました。テンポの良いB G Mによる進行もとても良いと思うのですが、ちょうど18秒あたりでB G Mが途絶えると同時に映像がブラックアウトするのは何か意味があるのか偶然なのか疑問が残ります。また同じ場所の夕景で背後に載っている周囲の話し声が大変気になってしまいました、環境音はフェードしても良かったと思います。
最終審査進出作品 「歴史の街 “上下”」
広島県立日彰館高等学校 ギロン リュウ
審査員のコメント
テロップが少し読みづらいですが、映像だけでも十分理解できる映像でした。最後のロゴは、ロマンと歴史を感じるようなデザインになっても良いかと思いました。
最終審査進出作品 「錦川を跨ぐ古風橋」
広島工業大学高等学校 梶本 瑛太、松本 怜士、中村 海翔
審査員のコメント
錦帯橋を真下から見上げているカットの迫力と美しさが素晴らしいです。ポスターとしても成立するくらいの画面の強さを感じました。この印象が作品全体に及んでいてほしかったように思います。橋以外の部分でも、よりグッとくる画を探してみてください。
ポスターの部
審査員のコメント
ほぼシンメトリーな構図で、退屈な感じになってしまいそうなところですが、左右の提灯、人々のシルエット、竿のカラフルな装飾と目を引く要素が多く、見飽きません。
そして何より、コピーが絶妙です。しっかりと祭りへの想像を掻き立てられますし、写真と相まって、戦いの前の静けさといった趣を作品に与えています。地名、祭りの名前がストレートに記されていることも、効果的だと思います。大きさにも関わらずあまり邪魔に感じないのは必要な情報だからですし、配置もよいですね。
この祭りのことを知らない人もきっと調べたくなるはず。グランプリにふさわしい作品だと思います。
高校生CMコンテストは、映像メディアに対する高校生の豊かな感性を開花させ、その才能を支援することを目的として、福山大学人間文化学部メディア・映像学科が毎年開催しています。第17回目の今年度は<地域の魅力を発信>と題し、2つの部門で作品を募集しました。 映像の部147作品、ポスターの部436作品の応募のなかから、つぎの入賞作品が選ばれました。 グランプリ 「静岡の日本一」 静岡県立科学技術高等学校 上山いゆ、海野紗矢 審査員のコメント とってもおもしろい映像で、満場一致のグランプリでした。 金賞 「小江戸 川越氷川神社」 立教新座高等学校 石山 諒、新井 瑛太、小川 文孝、片桐 啓太 審査員のコメント 音楽のテンポに合わせたカット割りとトランジション、バランス良く切り取られた画角が、観ていて心地良い映像作品になっていると思います。 金賞 「いつかの君に会える街」 広島県立尾道商業高等学校 小倉 美月 審査員のコメント まず猫のアニメーションがとても良いです。道を登っていく途中に出会う猫。現れたり消えたり、尾道の猫はこうなのだな…と感じます。線描の丁寧な動きも魅力的ですね。 銀賞 「夜の東山区」 京都府立京都すばる高等学校 田渕 匠真 審査員のコメント まるで映画のオープニングのような情感あふれる映像作品です。 ふくりん賞 「尾道にやって来て音」 広島県立尾道商業高等学校 奥元 亜海香、礒部 心海、王野 知乃花、岡 愛未、新田 光菜、黒木 夢月、高橋 海桜 審査員のコメント 音で魅せるというアイデア、そして実際に魅力的な音を集めて映像としてまとめ、最後にしっかりとコピー、タイトルで決めています。大変良いと思います。 最終審査進出作品 「広島のカキうまいんよぉ」 広島県立広島高等学校 中島啓冴、橋村和樹、相馬悠 審査員のコメント 張りのある声、明快なナレーションが印象的でした。音声合成ソフトの質感や、ある種の滑稽さに頼ったようにも見える作品が多い中で、自分たちの声でしっかり表現しようという意志は好ましく感じます。 最終審査進出作品 「伝説のマイナー路線 TOMO鉄道」 近畿大学附属広島高等学校福山校 大田 仁成 審査員のコメント 鉄道車両のCGが自作ということにまず驚きました。質感や線路への映り込みなど素晴らしいクオリティだと思います。ただ廃線となった鞆鉄道の物語であることは分かるのですが、存在したという「情報」のみになってしまっているのが残念です。 最終審査進出作品 「live my own way」 鹿島朝日高等学校 大村優太朗、金泥匠、保利優梨花、向井華、矢野主税、寺岡歩彩 審査員のコメント 伊予鉄道に乗って海辺の駅で降り、防波堤の先端まで行って大きな声で叫ぶというストーリー。私が評価したのは「絵コンテ」と映像の整合性です。後出しジャンケンかもしれませんが絵コンテとピッタリの映像が表現されています。とても丁寧でよく描けています。この学生はなんと叫んでいるのか?連想が膨らみます。 最終審査進出作品 「アルバム」 広島県立尾道商業高等学校 神田彩夏 審査員のコメント 絵になる景色が多い尾道を紹介するために「フレーム」を使用する演出はシンプルで制作者の意図を伝えるという点では成功です。 最終審査進出作品 「姉の帰省」 浜松学芸高等学校 社会科学部地域調査班・地域創造コース 審査員のコメント 「昔と変わらない」景色が残されている公園と幼少時代から訪れている姉妹の関係性を重ねるという試みは良いと思います。映像のクオリティも高いと思います。 最終審査進出作品 「未来心の丘」 広島県立日彰館高等学校 上神瀬比亜 審査員のコメント 早いテンポでカメラを動かしながら短いカットを重ねていく、 “今っぽい“印象の映像です。ただそれだけではなく、作品全体で、どのような場所なのか、どのようなところに注目しているのかを見る側に伝えることができているところが良いです。短い時間の中に役者を配し、人との絡みで場所を見せているのも効果的です。階段のシーンで後ろに別の人物が映ってしまったのは残念。第17回高校生CMコンテスト2022
映像の部
グラフィックやアニメーションの技術も高いですが、なんと言っても構成とアイデアがすばらしいと思います。ユニークなアニメーションと、早すぎるテロップを読みたいと思わせる要素も相まって、何度も観たくなるCMだと思います。
最後のテロップに「静岡」というワードが入れば、静岡県のCMとして使われていてもおかしくない作品だと思います。
初見では、筆記体の英語表記ということもあり、どこの神社で何を宣伝したいのかが伝わりにくいと思いますが、そこは繰り返し観てもらうことで補っているCMとして成立していると思います。
「神社」が持つ意味、もしくは「川越氷川神社」の特性が、何かしらこの映像で表現されていたら、尚良いCMになるのかと思います。
人物の背中を追うところからスタートしつつ、一旦その人物は画面から消え、風景や猫に主役がバトンタッチし、最後に出会う構成、編集もシンプルですが良いと思いました。
曇り空気味のもとでの撮影ですね。この雰囲気もしっとりしていて悪くはないのですが、揺れなどがちょっと気になります。イメージどおりの天候を選び、カメラを固定するなどして画面全体の印象をアップさせれば、さらに良いものになるのではないでしょうか。
デフォーカス画面にタイトル文字、続いてゆらめくような夜景に、これ以外ないと思われるような音楽が被さって、不思議な世界に誘われます。私はすごく感動しました。
これはもう少し長い作品の一部を切り取ったものなのでしょうか?
突然の終わりでそれを感じさせます。できれば全編観たいと思います。
観せていただければ幸いです。
一方、かなり“ゆるい”フレーミングが多少気になります。個人的にはとても好きな画面も多いのですが…揺れをグッと抑えて対象を捉えるようなショットを加えても良いかもと感じました。そして画面の魅力で数秒引っ張る部分を入れるなど、カットの長短をもう少しだけ大胆に変化させても視覚的な緩急が強まって、さらに面白さが増したかもしれません。
ただ、映像はもう少しがんばってもらいたいところ。牡蠣を美味しそうに撮ることも、それを美味しそうに食べている映像を撮るのも大変難しくはあるのですが…この内容ならぜひチャレンジしてほしいところです!
駅跡がバス停になっていることや橋の跡地などいろいろと調べたのだと思いますが、それらの情報から「魅力」を伝えるためにもう一つ踏み込んだ物語、メッセージが表現できればより良いものになるのではないでしょうか。
まさか「バッカヤロー!」じゃないですよね?
「写真に残したい町」のコピーを最後に表示させることでより分かりやすくなっています。
ただ肝心の「フレーム」の中の画に魅力がありません。カメラは遠景で撮影して「フレーム」の中の画が美しい構図になるように工夫すればより意図も伝わり、効果的になったと思います。
鈴木 楓、坂本 りつ、牧田 心路、中畑 瑠菜、生駒 彩華、甲賀 響
しかし最後の姉妹の会話を無声にしたため内容が伝わりにくくなっています。
短い時間、かつ無声で表現する場合は動作や小物の活用も検討した方がよいでしょう。
また昔から変わらない景色が残っている公園の表現方法ですが過去と現在のシーンは同じ場所で撮影すればより分かりやすくなったのではないでしょうか。
ポスターの部
審査員のコメント
昨年度に引き続き浜松学芸高等学校からの応募、ありがとうございます。
「天浜線応援団」プロジェクトの作品で、プロの指導のもとに制作されている様な完成度があります。天浜線のロゴ。橋と車両、ヘッドコピー、少女達の配置が、リズム感があってとても軽やかな雰囲気の作品です。この写真を撮影するための、車両が通過するダイヤに合わせた時間設定、それに合わせた少女達の手を振る動作など、タイミングをピッタリと合わせるのは、大変だったのではないかと想像します。
第16回高校生CMコンテスト2021
高校生CMコンテストは、映像メディアに対する高校生の豊かな感性を開花させ、その才能を支援することを目的として、福山大学人間文化学部メディア・映像学科が毎年開催しています。第16回目の今年度は<地域の魅力を発信>と題し、2つの部門で作品を募集しました。
映像の部146作品、ポスターの部659作品の応募のなかから、つぎの入賞作品が選ばれました。
映像の部
グランプリ 「恋する天浜線」
浜松学芸高等学校 社会科学部地域調査班
横村 美優 畠山 倖知 戸塚 巧真 セライヤ 桜 山田 祐未佳 近藤 優 大石 美亜 山本 果奈
審査員のコメント
高校生がつくったとは思えない高いクオリティーに審査員満場一致でグランプリとなりました。出演者の演技も遜色なく、音楽もオリジナルということもポイントが高いです。
個人的には、「あの頃の私がいるようで・・・」という大人になった視点で語られるストーリーが、高校生の発想から生まれたことに少し驚きました。
金賞 「天領 倉敷美観地区」
岡山県立水島工業高等学校 天野 太翔
審査員のコメント
前半のモノトーンのシネマチックな映像と「倉敷」の文字以降はカラー映像で現代の景観も表現している。倉敷の文字を中心にシンメトリックな構成でまとめていて、好感が持てました。
また映像はしっかりした撮影技術で、ブレてしまうドリーの撮影も上手に撮影されていました。
確かな技術に支えられた表現として評価しました。
金賞 「浜松餃子」
静岡県立科学技術高等学校 上山 いゆ 海野紗矢
審査員のコメント
ユーモアたっぷりで飽きさせない構成と、細かい動き、効果音、どれもすばらしいです。完成した餃子が、布で作られたとは思えないくらいとっても美味しいそうでした。
見る度に味わいのある、CMらしい作品だと思います。
全体の明暗をもう少し明るくしても良いかなと思いました。
終わり方はいさぎよくて良いと思いますが、音が途切れている印象がありました。
ふくりん賞 「15秒でわかる寄島」
岡山県立笠岡商業高等学校 川崎 鉄
審査員のコメント
CMは15秒間すべてを見てもらうには難しい時代ですが、この作品は「15秒でわかる」と謳うことで最後まで見せる工夫が感じられました。またAIによるナレーションは無機質な側面もありますが時報のエッセンスを入れることで無機質さが逆に活きています。
伝えたい町のポイントはシンプルにして、余計なグラフィックは使用しないという潔さを感じました。未完成な表現が完成度を高めている不思議な作品です。ただ個人的にはURLではなく検索窓を表示した方が良いと思います。
最終審査進出作品 「The city of prayer in the nostalgic」
広島市立沼田高等学校 髙橋 瑛司
審査員のコメント
アップテンポでハイキーのBGMに乗って広島の名所を写真とテキストで紹介している作品です、写真をベースに様々なデザインが加工され、また現れる文字はBGMに合わせて変形し、おそらくは読ませると言うよりは動くオブジェクトの一部のように扱い、音響とのマッチングによってスピード感を楽しませる作品です。タイポグラフィーやモーショングラフィックスの要素がうまく表現されていると思います。波紋のエフェクトは、私は微妙だと感じました。
最終審査進出作品 「内海紹介させてもらえませんか?」
銀河学院高等学校 浦上 陽海
審査員のコメント
手描きのタイトル(なかなか魅力的です!)から始まって、丁寧に構成されています。その一方で、気になるところも。まずは音声について。音声合成によるナレーションは、そのコミカルで楽しくなることもありますが、この作品では、肉声の方が良い効果を生むのではないでしょうか。また、画面全体の傾きが落ち着かないところがありました。ダイナミックな感じと不安定な感じは少し違うのです。もう一息!
最終審査進出作品 「まちを走り続ける電車」
静岡県立科学技術高等学校 鈴木 嘉二
審査員のコメント
外から見た電車、車内、車窓からの景色、それらが若干不安定なところもあるもののとても魅力的に撮られています。電車の音声とも合わさり、期待の高まる前半でした。後半では文字が入りますが、この電車の魅力を画と音で伝えていた前半と異なり、情報を伝えることが中心になり過ぎてしまったのかもしれません。魅力を感じさせてくれる前半とやや空回っているように感じる後半があり、惜しい!と感じました。
最終審査進出作品 「夕食の用意をせよ!!」
立教新座中学校・高等学校 山口隼輝 岡田健大
審査員のコメント
きちんとオチがあり、街の魅力も伝わる構成に好感を持ちました。
お店の出口から出てくるカットを重ねる表現は、様々なお店で購入していることを表すには効果的です。そして、文具店は通り過ぎるという演出をあえて挿入するところも遊び心があって良いと思います。ただ冒頭に音声がないのはもったいなさを感じます。音声も動画の一部ですので環境音も入れるようにした方が良いでしょう。また冒頭の母親のメールの文面は認識するには秒数が足りないように思います。物語の目的であるため視聴者が視認できる秒数は確保した方が良いでしょう。
最終審査進出作品 「不動院」
広島工業大学高等学校 田邉 航希
審査員のコメント
琴の調べに乗って国宝の不動院が紹介されています。爆心地広島には古くからの建築物が残らず破壊されたこともあり、唯一の国宝です。雨の日の撮影という事が分かり良い味を出しているのと、トランジションの面白さが良かった点だと思います。太田川の後の不動院前の地面から山門へとフォーカスが移動する場面も良いと思います。高校生らしい良い作品です。
気になる点としてはフォントの選択でしょうか?毛筆のような書体は、必要な情報が伝わりにくいばかりでなく、付加的な要素が加わって、私はあまり評価しません。この辺は見る人の好みで分かれるところかも知れません。
最終審査進出作品 「懐かしさに出会う街“高梁市”」
岡山県立高梁高等学校 片山奈緒
審査員のコメント
わざとレンズを曇らせて撮るなど工夫されたのか、冒頭のところなど、不思議なレトロ感を醸し出しており、魅力を感じました。しかし最後の方ではキリッと写っている部分もあり、ややアンバランス。この辺り、大きい画面で見ながら丁寧に確認すると良いと思います。また、途中から音とトランジションがずれるのは意図的でしょうか。ディゾルブの時間も変化させるなど、もう少し仕掛けをしても良かったかも。
ポスターの部
審査員のコメント
桜に水辺、学生と青春を感じるロケーションが素晴らしい。
地名などが入っていない作品が多い中、浜名湖の地名、コピーを入れることで何を伝える広告なのか分かります。ビジュアルも良いのですが私が推したポイントはコピーです。「浜名湖」を知らない方はコピーの「潮風」に違和感を覚えてしまいますが浜名湖の特徴を知れば「なるほど」と納得させる仕掛けになっており秀逸です。
この気づきは記憶に残るので広告としても成功です。ロケーション、写真、コピーなどすべてにおいて完成度の高い作品です。
第15回高校生CMコンテスト2020
高校生CMコンテストは、映像メディアに対する高校生の豊かな感性を開花させ、その才能を支援することを目的として、福山大学人間文化学部メディア・映像学科が毎年開催しています。第15回目の今年度は<地域の魅力を発信>と題し、2つの部門で作品を募集しました。
映像の部96作品、ポスターの部371作品の応募のなかから、つぎの入賞作品が選ばれました。
映像の部
グランプリ 「くらしにプラス くらしきガラス」
金光学園高等学校 渡邉文奈・中藤浩文・岡邊こむぎ・三澤葵
審査員のコメント
ナレーションは放送部の方を採用されたのでしょうか。聞きやすいナレーションでした。 コメントに合わせた映像のシチュエーションもよく考えられています。 またロゴはオリジナルで制作されたとのことですが小谷ブルーの色を取り入れるなどコンセプトもデザインもしっかりしており、動画のクオリティを引き上げています。 すべてにおいて丁寧に制作されており、完成度の高い作品となっていますが きれいにまとまり過ぎていてCMとして逆に印象が弱くなっているのが残念です。 つかみとなるファーストカットは炉のアップや真剣な職人の顔など強い映像を使用し、紹介する商品を単品でしっかりと見せることを考えるとより良くなると思います。
受賞校の活躍についておしらせ
金光学園高等学校のみなさんの「倉敷ガラス」に関する研究活動が、Webマガジン「倉敷とことこ」に掲載されています。ぜひご覧ください!
くらしにプラス くらしきガラス 〜 民芸品「倉敷ガラス」の魅力を金光学園高等学校の生徒が紹介
Yahooでも公開されています。リンクはコチラ
金賞 「絵になる町」
エクセラン高等学校 メディア研究同好会 小松紗依・山岸紀花
審査員のコメント
岩井俊二監督作品のような色彩表現、 ガス・ヴァン・サント監督作品に登場するようなフォトジェニックな主人公。カット割り、構成、演出のどれもが映画のようで心地よく、何度も観てしまう作品。審査員の中には涙を流した者も。作者の今後の作品にも大いに期待。
一つだけ気になる点があるとすれば、選曲。幅広く公開することを考えて、オリジナル曲やクラシック曲などでも良かったのではと思いました。
金賞 「宮城のうまいもん!」
クラーク記念国際高等学校仙台キャンパス 菅野 真悟
審査員のコメント
自作の歌の独特なノリと、太鼓のリズムが全体を引っ張って行き、映像はすべて写真という、割り切った作りの映像が印象的です。方言の持ち込みかたも良いですね。しっかり30秒でまとめているところにも力量を感じます。
気になるところをあげるとするならば…登場している様々な食材がみな、1発目のドンで出た時に全体が見え、何かわかってしまいます。ここの登場のさせ方や、拡大されていく感じをもっと極端に、などまだ工夫できるかも。歌とリズムの強力な推進力に任せて、遊んでみても良いのではないでしょうか。
ふくりん賞 「ミーちゃんと尾道焼き」
広島県立尾道商業高等学校 大礒 菜月
審査員のコメント
イラストによるアニメーションにチャレンジしていることがまず目を引きました。絵を動かして動画を完成させるのは決して簡単なことではありませんが、ナレーションも含めてしっかり完成させていることを評価したいと思います。話と映像の流れがやや説明過多にも感じるのと、若干展開に無理がある部分(スズメ?をみて鶏・・・砂肝を思い出すところ)などにはもう少し良い表現を探せたかもしれませんね。
最終審査進出作品 「げたの町 福山」
近畿大学附属広島高等学校福山校 中尾百音
審査員のコメント
ノスタルジックな、そして少し大人びた感じの作品ですね。浴衣の女性の仕種が大人っぽいです。色調をいじっているのかどこかノスタルジックな色調で、振り返れば浴衣の子供達が駆けてゆくシーンではモノクロームの表現で、古い過去に戻ったような表現。子供達にも浴衣を着せ、下駄を履かせてロケーション撮影に臨んだんでしょうね。絵コンテもしっかりと書かれていて、とても計画的に作成されていると感じました。最後のナレーションがややぶっきら棒な印象に聞こえてしまったように感じます。もう少し抑揚を丁寧に話すと印象が変わると思いますよ。
最終審査進出作品 「吉備津神社」
広島県立戸手高等学校 海原 真優
審査員のコメント
まずSNSへの広告として考えるとタテ型の動画は珍しくないもののタテ型動画の応募数が意外に少なく驚きでした。その中で本作品はタテ型で構成されており新鮮でした。
トランジションはSNSで見かける手法など流行を取り入れた作品ですがCMに必要な「伝える」要素が弱いです。
応募用紙に記載されている「装飾が美しくて見てほしかった」ことを伝えたいのであれば対象物をどんどんクローズアップにしていき、カットの切り返しに流行のトランジションを取り入れることもできたのではないでしょうか。「伝える」内容を明確にした後、その内容を表現できる手法を考えるように心掛けてみると良いでしょう。
最終審査進出作品 「自然が作りだした芸術作品」
広島県立戸手高等学校 高橋 唯
審査員のコメント
森にカメラが入り込んでいく導入部の印象がよかったです。一方これは審査員共通の意見だったのですが、最後のカットが打ち捨てられたベンチであることには若干疑問を感じました。このベンチ、ある意味フォトジェニックな、目をひきつけ、人との関わりを感じさせるモチーフなので、単に森を映すより強い印象を与えています。そこに気づいたことは良い発見なのですが、この印象を全体の中でもう一歩うまく生かす方法を見つけ出せればさらに良いものになったと思います。
最終審査進出作品 「JK2人の橋巡り」
広島県立尾道商業高等学校 室屋 佳穂
審査員のコメント
ジャンプ繋ぎでポジションを変えてゆく手法は、一時期流行った感じですが、今使うのは微妙かも知れません。また前後に入る輪郭処理というかエンボスのような処理も、これも少し古さを感じてしまいました。
何が審査員の目を引いたかといえば、表現が難しいのですが、出演の2人の高校生の、スレていないと言うか純情そうなと言うか、瀬戸内の自然一杯の中で、のびのびと育った可愛らしさです。この2人をもっと現代的な表現で、おしゃれな作品に仕上げれば、さらに良くなったと思います。
最終審査進出作品 「倉敷美観地区の魅力」
岡山県立玉野光南高校 吉井夏妃
審査員のコメント
古くから変わらない景観を保っている倉敷美観地区、この美しさを現代からタイムスリップして過去に戻ったような、そんな幻想的な作品です。
現代の表現はカラーで、過去はモノクロームにブラーをかけたようなソフトな映像で表現していて、メリハリがあり主題がはっきりと分かる作品だと思います。
ただ、審査員全員が口を揃えて言っていたのは、過去へ移る部分のトランジッションについてでした。カラーの部分の所謂OLの表現はそんなにうるさく感じないかも知れませんが、大きなモザイクのトランジッションはうるさ過ぎます。面白いので使いたくなってしまう気持ちは分からなくはないのですが、トランジッションの印象が強過ぎて主題がボケてしまうのです。映像制作は、盛って行くのではなく、削ぎ落として行く気持ちが重要なのだと思います。
ポスターの部
審査員のコメント
雨の中、鬱蒼と茂る竹林の小径。もうこのシチュエーションだけでも心惹かれてしまいます。その状況を優れた構図と、独特のパースペクティブを用いて表現した、素晴らしい作品です。目線を両サイドの生垣の2段目の直線のちょうど人の腰の高さ辺りに置いて奥行き感のある表情を、またそれより上の情景はレンズの歪みを一杯に使って、空を覆う竹林を表しています。そのどれもが計算し尽くされているような理知的な表現だと思う良い写真です。それに比べるとキャッチコピーは、??ていう感じだと思います。「旧都」を「きょうと」とルビをふって駄洒落のような感じにしたのでしょうが、理知的な写真とは裏腹な感じで、私は少し違和感を感じました。文字の位置は良いと思いますが、書体(フォント)にはもう少し気を使った方が良いと思います。
審査員のコメント
スッキリと収まりの良い、ポスターとしての完成度を感じます。
大阪のどの地域かは分かりませんが、こんな稲のしける田んぼがあるんですね。地平線の奥には住宅地も見えたりして、シチュエーションの切り取りが良いと思います。
そのさらに奥には入道雲があって時間や季節も感じさせられます。おそらく作者にとっては何気ない日常の中の風景を写真に留めた感じなのでしょうが、なんと懐かしく日本を感じさせる風景に仕上がっていますね。「かわらないもの」とはそんな気持ちが込められているんでしょう。少し気になるのは「かわらないもの」の「の」の下の空間です。もう少し開けた方が、つまり写真の位置をもう少し下に移動して空間を広げると良いと思います。文字を上げてしまうと上の空間が狭くなってしまうので、文字の位置は変えないということです。
第14回高校生CMコンテスト2019 入賞作品
映像の部
グランプリ 「千住の道も一歩から」
立教新座高等学校 吉田健太郎・石井伸武・鈴木瑛介・我妻祐磨
審査員のコメント
松尾芭蕉の奥の細道の出発地点である千住大橋をモチーフに、モノクロ映像がスタートし、 イヤフォンを外すシーンまでをオーバラップさせ、繰り返した映像が徐々に色味を増し、靴のアップで歩き出しを表現し、「歩き出せば、街の色は見えてくる」「最初の一歩を踏み出すまち南千住」の字幕へ続く。 何ともカッコよい映像に仕上がっています。 色味を増した映像も、どこか懐かしい様な憂いを持った色彩に加工されていて、引き込まれてしまいます。 最後に千住大橋を渡りながら芭蕉の帽子をかぶる芸の細かさ。 一つ残念なのは、都電の脇を歩くシーンの用意・スタートが写ってしまったところです。 演出とは思えないので、頭をちょっとカットすれば良かったのに、と思ってしまいました。
金賞 「走って 感じる 尾道!!」
広島県立尾道商業高等学校 井上 風香
審査員のコメント
走る映像と足音だけで始まる冒頭。 2カット目、3カット目と繰り返し、物語の始まりへの期待を高めてくれます。 音楽を使用せず、ナレーションや文字も入れないことで 「走る」ことがより強調されているのも良いです。 その分ラストが弱いのが残念。 「走る」ことは十分に伝わりますが「尾道の良さを感じる」ことが伝わりにくいです。 走り去っていくラストカットは尾道の名所や、 印象的な景色を活かしたカットにすればよりコピーが伝わりやすくなります。 文字の表示の仕方も工夫を感じますが、スピード感を出す斜体にしたり 字の大きさや書体、レイアウトも考えればより良くなるでしょう。
ふくりん賞 「きれいな酒、街、心」
広島県立総合技術高等学校 寳子丸 優花
審査員のコメント
西条の魅力を伝える良いコピー、タイトルだと思います。最後に心が入ることで、人はそこに住む人の魅力に惹きつけられること、そこで生み出される酒、食べ物、建物などには心がこもっているからこそ魅力的なんだということをあらためて感じさせてくれました。 そういう意味では、心のパートがお祭りをしている大勢の後ろ姿の静止画というのはもったいないです。 それと、音楽が全体の雰囲気と少しずれているように感じました。最後に音楽が途中で切れてしまうのは大変もったいないのでちゃんと編集したほうがいいです。
ふくりん賞 「Where is this」
広島県立尾道商業高等学校 大澤 麗菜
審査員のコメント
モノクロからカラーに変化し、カラー写真の色合いがきれいです。 また「ここはどこ?」と疑問を投げかけて始める工夫も良かったです。 しかし答えである千光寺が分かりづらいため せっかくの工夫が活かされていません。 景色ではなく千光寺がメインの写真を答えとして使用すれば伝わりやすくなります。 千光寺までの道のりを表現していることも伝わりにくいため 最後のコピーも疑問を残してしまいます。 素材がシンプルな分、テーマもシンプルにした方が良いでしょう。
特別賞 「八丈島の福祉の現状」
東京都立八丈高等学校 山下慎太郎・野田空記・持丸ゆい・玉置琉琳
審査員のコメント
難しい題材に正面からチャレンジしたことに、まず胸を打たれました。演じているのも高校生でしょうか。人物を隠すという意図もあるのかもしれませんがクローズアップやローアングルの撮影を駆使することで画面に緊張感が出ています。 気になるのは、一番肝心のメッセージがどのように伝わるのか、ということ。最後のコピー、控えめな表現よりも、来て欲しいということを言い切った方が、受け手の自由度が広がるということもあるのではないでしょうか。映像表現を静かに抑えたこの作品に、はっきりした言葉を加えたらどうなるか、見て見たいように思いました。
特別賞 「闇鍋すっぺ!」
茨城県立水戸第二高等学校 兼山真央・黒澤瑞季・軍司颯希・冨永いまり・古室早織・佐伯瑠羽・松尾優衣・立川陽菜・畠山美咲
審査員のコメント
カット割りのテンポが良く、画角、音にしっかり気を配っていて、CMとして完成度の高い作品。みなさんの演技も個性があって素晴らしい。 電気を消すところで真っ暗になると放送事故のような空白が生まれるので、少し何かが映っていたほうが良かったかもしれない。コンロをテーブルに置いて、炎でかすかに映る鍋や、食事をする音など。 「標準語ではなく茨城弁で話してほしかった」と審査員長のコメント。私もその方がよりユニークな作品になっていたと思った。 それはさておき、審査員全員から高評価だった作品です。
特別賞 「となりのアスパラくん」
広島県立戸手高等学校 大石裕子
審査員のコメント
まず勢いに圧倒されました。テンポが速すぎる!という意見もありましたが、それが楽しさにもなっています。高校生のスピード感を感じるところです。ノリの良さが印象的ですが、速い展開の中に実は緩急や動きがあり、絵柄のラフさー丁寧さのコントラストも意図的か天然か、とても面白く感じました。これをもっともっと狙って(場合によってはお年寄りにもガツンと伝わるように)できれば最強だと思います。 しかし最後の、新市町といえば~のロゴ(?)は、もう少し読みやすい方が良いと思います!
最終審査進出作品 「矢掛の宵」
岡山県立笠岡商業高等学校 塚本 歩大
審査員のコメント
カメラワークが良かった点です。左パン→右パン、左パン→右パン、チルトアップ→チルトダウンと、人の目の動きを誘導する様に構成されています。 オートフォーカスカメラの焦点が合うまでのタイムラグ(火の見の映像)は演出上必要ない様に感じました。
最終審査進出作品 「千光寺」
広島県立尾道商業高等学校 八塚 優
審査員のコメント
絵が動く、というのが映像の喜びの一つだと思います。止め絵での作品ですが、カメラでは捉えにくいようなシーンを描いているところに良さがあると思います。一方、文字の表現などは映像ソフトのクセなどを感じてしまうところもあり。これをもっとこの絵に引きつけたものにできたら、きっともっと印象的なものになるのではないでしょうか。
ポスターの部
第13回高校生CMコンテスト2018 入賞作品
映像の部
グランプリ 「静岡の頼れる味方」
静岡県立科学技術高等学校 関原大生・桑原聡宏・酒井結靖・田島祐典・小田大夢・穴澤 航志・川越優輝・望月紫布・原田和航・三浦礼唯・酒井颯・松島冬真・石川飛向・國分寿人・海野翔・山崎哲虎・水上卯一子
審査員のコメント
ファーストカットの、歩きながら会話をする2人を移動しながらのカットの導入が、すばらしい。メイン2人の身長差もうまいキャスティング。メガネの男性が身長が低いことで、まわりのキャラクターを引き立たせている。個性的なキャラクターのおかげで、ユニークな設定をスムーズに見せている。テンポよく、繰り返し見てもしつこく感じない。印象に残る、おもしろいCM。
金賞 「わたしのまち各務原」
岐阜各務野高等学校 宗野初音
審査員のコメント
まず第一に絵がすごく良い。曲も良いし、歌いも良い。前半では各務原の特産品や名所の紹介している。ちょうど半分から始まる後半では、ユーモアのある紹介となっていて、曲もまとめに入る、全体にとてもまとまった感じに仕上がっていて時間もぴったり30秒(当たり前だけど)に収まっている、知的な作品だ。
ふくりん賞 「橋の美術館」
広島県立尾道商業高等学校 池田瑞菜
審査員のコメント
映像が始まって直ぐには何を表現してるのか分からず、コンテンポラリーなフォトコラージュだなと観ていると、やがて橋の形が現れてくる!!最後にそのバックに橋の背景が表示され、因島大橋だと分かる。フォトコラージュの写真一つ一つがしまなみの橋の景観が使われているが、ラストの映像は妙に立体感が感じられる。秀逸な作品だ。
特別賞 「ええとこ!いっぱい西宮」
神戸大学附属中等教育学校 西出陽菜
審査員のコメント
テロップの表示時間が短い、音声レベルの調整ができていないなど改善すべきところは多くありますがクロマキーへの取り組みやイラスト使用したひとり芝居など創意工夫と勢いを感じました。何よりも出演者が明るく、テーマである町の良さが伝わってきました。BGMを使用しない潔さも好印象です。
特別賞 「地方のるつぼ」
静岡県立科学技術高等学校 小野碧月・梅木隆矢・望月蓮・齋藤来紀・和泉拓真・武田大和・寺田佳樹・中森春輝・久保山寛大・大村竜哉・栗田祐介・立川智大・高橋千歳・菊地彩奈・穴澤航志・小田大夢・田島祐典・桑原聡宏・関原大生
審査員のコメント
移住者が多い町であることを転校生によって表現する構成が素晴らしい。それだけに転校生が次々に登場する演出が伝わりにくかったのが残念。マルチ画面で転校生の多さを表現する工夫はあるのですが転校生を紹介する先生のセリフを同じようにかぶせるなどもう少し分かりやすくする工夫が欲しかったです。
特別賞 「時をかけるクッキー」
立教新座高等学校 齊藤歩夢・富塚悠宇・堂園大貴・平井史穏
審査員のコメント
カメラワークとカット割りがスムーズで、音楽も合っている。ナレーションとラストカットのグラフィックもしっかりと作られていて、安定して見ることが出来る。縄文人がクッキーを食べるカットだけ、クッキーがなくなっている理由が分からなかった。もし何らかのミスではなく、演出だとしたら、クッキーはあった方がいいと思う。地域の魅力というよりも、商品のCMのように感じられるのが、今回の審査においては減点となった。
ポスターの部
金賞 「美しい倉敷をあなたの目で。」
倉敷市立精思高等学校 河崎結歌
審査員のコメント
倉敷の美しい夜景を背景に観光名所が白枠で、それぞれの説明が青文字でグリットに沿って整然とレイアウトされています。完成度の高いプロの仕事の様です。背景の景色は写真を加工したものか手描きなのかは分かりませんが、ちゃんと手が加えられていて、神経が行き届いた素晴らしい作品です。
金賞 「素敵な出会い」
大阪市立東高等学校 都地優里
審査員のコメント
砂丘と対照的なイメージの花を被写体に選ぶことで印象的な絵になっています。たまたま咲いていたという花を被写体に選ぶセンス、「砂の世界で咲いた花を見つける」それを「素敵な出会い」と表現するコピーも評価のポイントです。また象とキリンを登場させることで象とキリンとの「出会い」と受け取ることもでき、「人との出会い」「発見」など何かしらの出会いを想像させる工夫も良いと思います。
ふくりん賞 「竹原の街並み」
広島県立総合技術高等学校 稲葉来人
審査員のコメント
写真は安定した構図でよく撮れている。キャッチコピーが、写真の見た目と同じことが書かれているので、写真を説明するだけになっている。文字が見えづらいので、引き立たせる工夫が必要。せっかくの良い写真なので、ポスターとして何を伝えたいのか、どこをどう見せたいのかを、見る側の視点に立って考察してみてほしい。写真とコピーを組み合わせることで生まれる化学反応に挑戦してみてほしい。
特別賞 「いつもにぎやか」
大阪市立東高等学校 船橋ののか
審査員のコメント
大阪通天閣あたりの色とりどりの看板が並ぶ賑やかな町並みを背景に『いつもにぎわう地元!』のコピー、本当に賑やかです。ギュッと詰まったオモチャ箱みたいに楽しいです。下の方のコピーの『きーやー』じゃなくて『き〜や〜』にしている所も、本当に呼びかけている様です。い〜ね〜、楽しい作品です。
第12回高校生CMコンテスト2017 入賞作品
映像の部
グランプリ 「のぞみとひかり」
静岡県立科学技術高等学校 望月蓮・小野碧月・高橋千歳・久保山寛太・中森春輝・梅木隆矢・齋藤来紀
審査員のコメント
駅と新幹線を人物に例え、告白シーンの演出を盛り込んだ着眼点がユニーク。街の特色が会話の中で自然に謳われていて好印象、かつカット割りもしっかりしている。出役の衣装は、小細工を施さず制服で展開したのが良い結果に。ラストから2カット目、男性の力強い「あぁ!」は自信を取り戻したイメージの声色を表現したと思われるが、表情と間のせいか、何故か笑いを誘う。効果的にBGMとSEを使用しても良かったか。
特別賞 「URBAN TYPOGRAPHY」
クラーク記念国際高等学校仙台キャンパス 髙橋薫平
審査員のコメント
おしゃれな感じに、文字だけを使って構成された作品です。WEBの世界でよく使われている、モーショングラフィックスを映像に用いた点が評価ポイントでした。
特別賞 「金の餅の魅力」
静岡県立科学技術高等学校 関原大生・川越優輝・望月紫布・桑原聡宏・梅木隆矢・中森春輝・菊池彩奈・大村竜哉
審査員のコメント
「あべかわもち」という言葉がしっかり頭に残るCMだと思います。編集のテンポ感が良いと思いました。流れと話に関しては真新しさがないので、次回は独自のアイデアに挑戦してもらいたいです。
ふくりん賞 「運命」
広島県立尾道商業高等学校 花田夏歩
審査員のコメント
独特のタッチの色鉛筆によるドローイングと、口元や目のクローズアップ、それにベートーベンの運命をBGMに、コミカルにまとめ上げた作品です。 ”ひらこいわし”の”こい”を”恋”とかけて運命を感じさせる出会いを演出しているあたりに、工夫を感じました。
ふくりん賞 「だ・だ・だ・吉田」
岡山県立笠岡商業高等学校 安藤唯
審査員のコメント
山、山、山、山、からの力押しが楽しく笑ってしまう。途中、リズムが変わりゆっくりとした動きになるところも良い。そこからもう一度はじまる”ノリ”は悪くないのですが、絵が単なる名物紹介のようになってしまうのがやや弱いでしょうか。オチにももう一工夫ほしかったです。
奨励賞 「しまなみ海道とおんまく花火のまち今治」
愛媛県立今治西高等学校 久保天希
審査員のコメント
シンプルな構成だが、音楽と緩やかにタイミングを合わせるような作りは丁寧で、最後に花火の音が入ってくるのも効果的だと思います。ただ、冒頭の2カットにあまり”空”の印象がないからか、最後のコピーがやや伝わりにくく感じてしまうのが残念。
奨励賞 「心の故郷 深谷」
立教新座高等学校 木村海・岩下怜央・永吉陽輝・瀬山洸允
審査員のコメント
深谷のお祭りのイメージが印象に残るCM。カメラワーク、編集が良いと思いました。話の内容の部分を深め、新しいアイデアに挑戦してください。
企画コンテの部
グランプリ 「やっさだるマンの奇跡」
広島県立総合技術高等学校 宮﨑あかり・平本未奈
審査員のコメント
展開のアイデアはよくあるものですが、主人公2人がほとんど中央から動かず、やっさ祭りの風景とやっさだるマンだけがストーリーと、画面の両方に動きを与える存在になっているという割り切り方は潔いとも思います。実際に撮影して完成させるにはもう一工夫必要かもしれませんが!
金賞 「金沢駅の不思議なオブジェ」
大阪市立東高等学校 澤紫月
審査員のコメント
カット割りはシンプルで荒削りだが、作品イメージが浮かんでくる点を評価。 「なぜ、やかん?」と誰もが疑問を持ってしまうところに作者の狙いが感じられる。効果音のこだわりも◎。
ふくりん賞 「三原(あの)時の景色」
広島県立総合技術高等学校 本間鈴花・小槌真由
審査員のコメント
祭りの賑わいの中で、フッと時間が止まったように、今ここに居る自分に気づく、といった設定でしょうか。 何よりも「絵」の表現が大変上手なので評価しました。
写真・ポスターの部
金賞 「復活した鉄道」
岡山県立津山商業高等学校 薮木香野
審査員のコメント
撮り鉄でなくても撮りたくなってしまう景色と言うのでしょうか。 長めのレンズで遠近感を圧縮した表現が生きています。乗ってみたいと思います。
金賞 「外島河川敷」
大阪市立東高等学校 川上智捺
審査員のコメント
「一羽のハト」、「夕陽に照らされたマンションと美しいうろこ雲」。シンプルな構図と色彩の絶妙なバランスが相まって、”せつない空気感”と”郷愁感”が漂う、印象的な作品。
金賞 「OSAKA」
大阪市立東高等学校 門海生
審査員のコメント
意図と視点、空気感が写真から感じられました。これからも、よく観察して、たくさん写真を撮ると良いと思います。
奨励賞 「眺める者」
尾道高等学校 笹井南帆
審査員のコメント
尾道の二つの風景を大胆に合成するというアイデアと、部分部分で見ると魅力的なことを評価しました。ただ、自動販売機など、おそらく主役ではない部分に目がいってしまう感じが惜しいと思います。
キャッチコピーの部
グランプリ 「そのくわい、うちのじゃない? (「まち」の名前:福山市)」
広島県立総合技術高等学校 本間鈴花
審査員のコメント
郷土を「うち」と呼んでしまう、自信に満ち溢れた表現がユニーク。 シンプルかつストレートな潔いコピー。
金賞 「うさぎだけだと思ってる? (「まち」の名前:竹原市)」
広島県立総合技術高等学校 小槌真由
審査員のコメント
もし映像や写真と組み合わせるなら、どんな表現になったのだろうか。魅力的な風景、歴史、いろいろなものと結びついて展開できる可能性のあるコピーだと思いました。その一方、コピー単体で見ると、うさぎとの関係を知らないと伝わりにくいかも。
奨励賞 「高画質の笑顔 (「まち」の名前:日本)」
大阪市立東高等学校 田村 佑介
審査員のコメント
企画意図では、液晶技術と平和を意識したようですが、印象としては、全く別物です。 スマホ社会となり、どんな瞬間も写真を撮ろうとする日本人を象徴しつつ、裏を返せば、現実が見えていないのでは?という警鐘にも受け取れます。その「笑顔=平和」は現実なのか、画面の中の虚構なのか、と。 情報量の少なさが、多くを想像させる、良いキャッチコピーだと思います。