生命工学部の特徴
生命工学部は、生命の仕組みを解明し、生物資源、環境、栄養・健康など、人類の抱える諸問題を解決する理論、技術、手法に関する教育・研究を行います。これらをとおして、社会の要請に応えうる確かな能力を備えた人材の育成を目的としています。
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自分の興味に合った学科・コース・研究室を選ぶことができる
生命工学部では微生物からヒトまで様々な生き物を研究対象としています。研究テーマは、生物や生態系の仕組みを学ぶ基礎から、食、健康、環境への応用まで、幅広い視点で取り組んでいます。自分の興味に合わせて学科・コース・研究室を選び、希望のキャリアパスに進むことができます。
Pick Up研究室
高発酵性酵母を分離して製パンやワイン醸造に!
分子生物学研究室 久冨泰資 教授
私たちは地域貢献の一環として、福山産のバラからこう発酵性で香りや食感の良い酵母を分離しました。この酵母を用いて、地域特有のパンやワインを作ることに挑戦しています。私たちとともに地域の宝を探し出しましょう。
糖尿病予防に役立つ米の研究
食料科学研究室 井ノ内直良 教授
日本人の主食である米の中でも、糖尿病予防に役立つ米などが注目されています。我々の研究室では、米の主成分である澱粉、植物性のグリコーゲンの構造や物性などの研究を行っています。
微生物から環境を考える
海洋環境保全再生学研究室 満谷淳 教授・北口博隆 准教授
細菌や微細藻類と環境との関係をとおして、環境の保全をめざす研究に取り組んでいます。例えば、赤潮やアオコの発生要因を、野外調査と室内実験から明らかにする研究を行っています。
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系統的に学ぶ知識と技術
1年次では生物学など自然科学の基礎学修が中心となります。2・3年次になると、生命の仕組み、環境と生態、食と健康などの各テーマについて、お互いを関連づけて学んでいきます。さらに、習得した専門知識を4年次の卒業研究・資格取得につなげていきます。
Pick Up
生物科学科カリキュラム(生物工学科から令和6年4月名称変更)
生物科学科では教育と研究、そして地域貢献の一環としてオリジナルワイン造りに取り組んでいます。特に正規カリキュラムとしてブドウ栽培~ワイン醸造を取り入れ、学生が積極的・主体的に学ぶアクティブ・ラーニングの手法を取り入れた講義・実習を行っています。ワイン造りにはバイオテクノロジーのエッセンスが詰まっており、より高度なライフサイエンスを学ぶ際の理解の助けに繋がっています。
健康栄養科学科カリキュラム(生命栄養科学科から令和6年4月名称変更)
管理栄養士の対象は“人”です。そのため、科学的事実を相手にわかりやすく伝える能力が求められます。栄養学・食品学・調理学・医学など、“食と健康”に関わる知識と技術を多岐にわたり学習します。また経験豊かな教員による細やかな実践的指導により、専門知識だけでなく総合力や応用力、コミュニケーション能力の育成にも力を入れています。さらに食育、スポーツ栄養、食品の機能性など、現代社会のニーズに応える教育・研究体制を充実させています。
海洋生物科学科カリキュラム
海洋生物科学科では、進路の希望に基づいて専門的な知識・技術を身につけ、社会で活躍できる力を養います。1,2年次は教育・研究のベースとなる海洋環境と生物について学び、3年次からは4コースのいずれかを選択して専門的な知識と技能を学びます。卒業研究では各自が専門的課題に取り組み、問題解決力、討論力、プレゼンテーション力などの実践的な力を養います。
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高度な設備を持つ充実した研究環境
内海生物資源研究所(マリンバイオセンター)やグリーンサイエンス研究センターといった高度な設備を持つ施設では、充実した研究環境で興味を持った研究テーマに存分に取り組むことができます。
生命工学部の研究施設
内海生物資源研究所(マリンバイオセンター)
当研究所は平成元年3月に設立され、主に瀬戸内海に生息する魚類を中心に海洋生物の生態や有用資源の管理、増養殖、展示について解明・検討し、海洋生物を「育てる」「守る」「探る」「利用する」ことを目指しています。本施設を拠点に、水産資源の増養殖系、生物資源の管理・育種系およびアクアリウム科学系の3研究室(生命工学部海洋生物科学科)が有用資源の生態解明や種苗生産、育種、さらには水族館の展示手法およびそれらを利用した社会貢献に関する研究などを行っています。併設された水族館は、見学者に無料で開放されるとともに、学芸員養成のための実習にも活用されています。海洋調査や実習設備としても用いられる実習船(第二爽風丸)も配備され、瀬戸内海の研究にはなくてはならない研究所として位置づけられています。
グリーンサイエンス研究センター
グリーンサイエンス研究センターは、文部科学省の研究プロジェクト『環境と健康の質の向上をめざすグリーンサイエンスの展開』の助成を受け、大学院工学研究科と薬学研究科が中心となって平成16年に設置されました。その後、同じく文部科学省の研究プロジェクト『環境健康科学の研究拠点の形成』が実施されるなど、本センターでは一貫して、地球環境になるべく負荷をかけずに健康と生活環境の質の向上をめざす持続可能(サステナブル)な社会の創生に寄与する科学研究を推進しています。本センターは、瀬戸内に根ざし、環境・生態、生命・健康分野の全学的な研究拠点としてグリーンサイエンス研究を推進し、人材育成に努めるとともに地域に貢献します。