【生物工学科】バイオ X 釣り
遊びじゃないよー、卒研だよー。因島沿岸域の生態系を明らかにすることを目的として、生物工学科の4年生は魚類を中心とした食物連鎖を分析しようとしています。お魚さんたちは何を食べているのでしょうか?まずはサンプル集めを目的として、因島に釣りに出かけました。
福山大学では全学を挙げて「瀬戸内の里山・里海学」を合言葉に地域に根差した研究を推進しております。その中で、里海に着目した研究「瀬戸内海 しまなみ沿岸生態系に眠る多面的機能の解明と産業支援・教育」が、私立大学研究ブランディングに採択され、今年で3年目を迎えます。因島沿岸域を含む、しまなみ沿岸生態系の解明はプロジェクトの中心的課題です。
中でも注目しているのは、シロギスの食性分析です。生物工学科の隣の海洋生物科学科では、「しまなみテッポウギスプロジェクト」と称し、付加価値の高い大きなシロギスの養殖技術の確立を目指していますが、野生下でシロギスが何を食べているのかは詳しくわかっておりません。新しいテクノロジーを使って、糞や胃内容物から食べているものが分かれば養殖に活かせるかもしれません。生物工学科の卒業研究生が挑戦しています。
とまぁ、堅苦しい話は置いておいて、シロギス、ネズミゴチ、フグ類が釣れました。天気が良く少し暑かったですが、気持ちの良い“フィールド調査”でした。シロギスの季節になってきたなと感じました。
もう一度確認しま~す。遊びではありません。卒業研究です。「あ~楽しかった」と4年生。それと、海洋生物科学科ではありません。生物工学科です。バイオテクノロジーの対象は地球上の全ての生き物です。
この静かで美しい瀬戸内海のしまなみの景観を見ながらフィールド調査を行なえるのはとても幸せなことです。札幌生まれの私だから、この辺りで生まれ育った方よりも多分にそう感じるのかもしれません。世界に誇れるしまなみ。その美しさの謎を少しでも明らかにしたいですね。
文責:生物工学科 佐藤淳