【心理学科】高校生による心理学の探究活動
高校と大学が連携して教育活動を行う高大連携を推進しています。
こんにちは。人間文化学部心理学科の学長室ブログ新メンバーの大杉です。今日は、高校生による心理学の探究活動について、赤澤淳子教授からの記事を紹介します。
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2018年12月14日(金)と2019年4月5日(金)に、尾道高等学校の山元隆介教頭先生と嶋田真友子先生、そして生徒5人が発達心理学研究室を訪問しました。この5人の生徒は、尾道高等学校が取り組んでおられる探究活動において、「デートDV」や「ストーカー」をテーマとして選びました。生徒たちが色々と文献を調べていくと、さらに疑問点が見つかり、デートDVを研究テーマとする福山大学心理学科の赤澤先生に質問に来ました。尾道高等学校では「総合的な学習の時間」を利用して、自ら課題を見つけ、その課題について探究するという「探究活動」に取り組んでおられます。「色彩の心理」や「地域の歴史」というテーマに取り組むグループもあったそうです。
12月14日(金)は、5人の生徒が先行研究で調べたことをもとに「暴力性が高い人ほどDVをする確率が高いのか」など、9項目の質問を準備して来られました。当日は、発達心理学研究室に所属し、デートDVを研究のテーマとしていた河原美帆さんは「デートDVの規定要因-共感性、葛藤解決方略スキルおよび怒りの制御の影響-」について、坂本茉里恵さんは「大学生の過去の暴力経験がデートDVに及ぼす影響」について、佐藤隆治さんは「関係性および共感性とデートDVの暴力観との関連―大学生を対象としてー」について、自身の研究を高校生に紹介しました。これらの学生3名が高校生の質問に答えたり高校生に質問したりするなど、高校生と大学生との研究交流も行われました。
<交流したメンバー>
4月5日(金)には、研究成果を報告するために山元教頭先生、嶋田先生、生徒さん3人が再び発達心理学研究室を訪ねてくれました。また、3月20日(水)に尾道高等学校で探究活動の発表会があり、35グループの中から9組が選抜された中にデートDVについて探究したグループも選ばれたそうです。当日は、発表パワーポイントを持参し、プレゼンテーションをしてくれました。
<成果を発表する尾道高等学校の生徒>
そして、当日の発表会には嬉しい飛び入りがありました。今年度より福山大学の心理学科に赴任されたニューフェイスの福留広大助教が大学院時代にデートDVについて研究していたということで、発表を聞きに来てくれました。高校生の「デートDVを防止するためには、暴力の定義を理解する必要がある」という発表に対し、福留助教が「どうしたら暴力を定義できるようになるのか?」という質問を投げかけました。これに対し、「友達と恋愛の話などをしている時に『それって暴力じゃない?』という気づきが友達から得られるかもしれない。だから、友達とのコミュニケーションを取ることが大切だ。」という返答がありました。福留助教からは「作成されたパワーポイントが非常に分かりやすかったので、自分の授業の参考にしたい。」というコメントももらい、生徒たちは大変嬉しそうでした。
<生徒に質問する福留助教>
近年、高校と大学が連携して教育活動を行う高大連携が推進されています。高大連携の目的の一つとして、文部科学省は高校生が大学レベルの教育研究に触れる機会を増やすことにより、個々の能力を伸ばし、学習に対する目的意識を高めることを掲げています。今回、心理学のテーマに取り組んだ高校生は「もっとこのテーマについて研究したい」、「今回心理学のテーマに取り組んだことによって、心理学に大変興味が湧いた」と話していました。福山大学では、高校生が心理学に関心を持って心理学の学びを深めていけるようにお手伝いができればと考えています。近隣の高等学校との高大連携を今後も更に推進していきたいと思います。
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以上、新年度最初の心理学科からのご報告でした。心理学科では、私を含め、今年度はなんと5人の新任教員がおります!今後は、順を追ってご紹介していきますので、是非お楽しみに。よろしくお願いいたします!
学長から一言:高大連携もなかなかハイレベルになってきましたねッ!!!尾道高校の皆さんに大学の研究面での魅力を感じ取ってもらえていたらうれしいですねッ!大学生も、ちょっと先輩面して、いい勉強になりましたねッ!