
【薬学部】認知症カフェでの「和ごころ」活動報告-笑顔と音楽が響くひととき-
2024年4月から新体制となった「和ごころ」の活動報告が薬学部の道原教授から届きましたので、学長室ブログメンバーの薬学部の五郎丸が報告します。
認知症カフェ「CafeGETA(カフェ下駄)」は、月1回、第一木曜日の13時半から15時の約1時間半、今津交流館で行われています。「和ごころ」のメンバーは、CafeGETA発足時(2017年9月)からスタッフとして参加し、地域で活躍する薬剤師やケアマネージャー、デイサービスの職員など様々な職種の方と協力しながら、地域住民の方に向けて認知症についてのお話や様々なレクリエーションを通して交流を行ってきました。
コロナ後は、参加者の人数を限定し、多くは認知症者やその介護者を対象に、認知症予防に関する内容を、なごやかに、和気あいあいと、紹介しています。
現在の和ごころの代表は井野蒼さん(5年生)、副代表は髙橋希弥さん(5年生)が務めています。メンバーは、櫻井優人さん(5年生)、桑田裕貴さん(5年生)、行武由利子さん(4年生)、金子凌さん(3年生)の計6名です。
井野さんと髙橋さんは、CafeGETA実行委員会のメンバーも兼務しており、年間スケジュールの計画、スタッフの人員確保、企画の立案・作成等も行っています。学生ならではの視点や活気、薬学部で学んできた知識や実務実習体験を通じて企画を立案するなどして活躍しています。各メンバーは、授業、実習、研究で忙しい日々の中、それぞれ空いた時間を利用してCafeGETAに参加しています。
今年度は、2024年5月と2025年3月に和ごころが企画を担当し、認知症予防に関する内容を紹介しました。
5月の企画発表は、井野さん、髙橋さんの2名が担当しました。井野さんが「笑いと認知機能の関係」について発表しました。その後、「笑いと認知機能の関係」について、途中で簡単な問題を出し、参加者の方にも考えていただきました。
「わかった方は、手を高く上げてくださいね」
「その問題、わかるよ、私」
また、発表の途中でフレイル予防の体操も取り入れることで、身体も頭も動かしながら「笑いと認知機能の関係」について学んでいただきました。発表後は、皆、笑顔になり、温かい空気で溢れていました!
皆で一緒に体操をする様子『なんか、楽しくなるね』
その後は、髙橋さんが用意した脳トレクイズに挑戦しました。
「これは、なかなか難しいね!」
「都道府県に関する脳トレクイズ」を参加者の方とスタッフが協力して一生懸命解いています。スマホで検索すればすぐに答えが分かるのに・・・と嘆くも、そこはグッと我慢して、正解を考え出していました!
5月のCafeGETAは今年度初めての企画でしたが、参加者の方に、若いパワーを貰ったと喜んでいただけたので良かったです。
今年度の最後となる3月は、ヴァイオリンとリコーダーの生演奏を通して、「認知症に対する音楽の効果」を発表しました。春休み期間中ということもあり、来年度に加入予定の和ごころ新メンバー、半田健人さん(6年生:来年度から大学院に進学)、山根優希さん(3年生)、佐倉智哉さん(3年生)も参加してくれました。また、見聞を広めるために、伊集院佑紀子さん(5年生)や、来年度から福山平成大学の看護学科に入学する学生さんも参加してくれました。
今回、演奏・企画を担当して下さったのは、薬学部2年生の渡邊凛さんとそのお母様です。
渡邊凛さんによるヴァイオリン演奏
渡邊凛さん(右)とお母様(左)によるリコーダーのデュエット
曲あてクイズやリズムゲームの後、美しいヴァイオリンの演奏を楽しみました。
リズムゲームでカスタネットの叩き方をレクチャーする渡邊凛さん
その後、昔聴いたことのある音楽を思い出すことも脳の活性化に繋がるということで、参加者の皆さんと一緒に「春が来た」と「朧夜月」を歌いました。
皆で歌う様子「知っとる、知っとる、懐かしいね!」
最後に道原教授から、今日聴いた音楽のα波が認知症に良いというお話を聞き、大盛況の中今年度最後のCafeGETAは幕を閉じました。
「童謡などの曲は、脳でα波が出やすいと言われています。リラックスできましたか?」
参加者の人数もここ最近では今回が一番多く、皆さん感動して帰っていかれました。大学生だからこそお届けできる企画ができて良かったです。渡邊凛さん、お母様、ありがとうございました!
福山大学で採れたシダーローズ(道原教授から参加者全員へお土産)
「安心してください。熱湯消毒済みですよ!」
今年度のCafeGETAは、4月から3月まで休むことなく開催できています。コロナが落ち着いてきたことを実感します。次回4月の開催は、今津交流館で3日(木)を予定しております。興味のある方はぜひ、未来創造館5階フロア―の井野さんへ連絡してみてください!
和ごころ代表の井野さんから一言:
2024年4月から「和ごころ」の代表兼CafeGETA 実行委員として認知症カフェの運営に携わっていく中で、参加者の方々やスタッフの方とお話することが毎月の楽しみとなっていました。核家族化が進む中で、このような交流の場が地域にあるというのは、大変貴重なことだと感じています。この活動で得たことを将来に活かしていきたいです。もし興味のある学生がいましたら、是非和ごころの一員となって一緒に活動しませんか?連絡お待ちしています。
和ごころ代表の髙橋さんから一言:
私は古川先輩(6年生)の跡を引き継ぎ、「和ごころ」の副代表兼CafeGETA実行委員として認知症カフェの運営企画に参加させていただいております。近年、町内会の集まりなども無くなってきて寂しく思っていたので、認知症カフェを通して地域の方々と関わることができて楽しかったです。今回、私は試験で参加できなかったので、ヴァイオリンを聞くことができなくて残念です。このようにたくさん面白い企画を考えていくつもりなので、興味のある方は是非参加してみてはどうですか?
道原教授から一言:
3月の企画終了後、「コミュニケーション交流学習(薬学部の授業)」でお世話になっていたデイサービスセンター「帆かけ舟」のスタッフの方から、嬉しいお誘いをいただきました。
「先生のところの学生さん、ぜひうちにも来てほしいな。4月から認知症カフェを始めるから!」
そんな温かいお声がけを受け、どこかのタイミングでお伺いさせていただこうと考えています。楽しみに待っていてくださいね。このように、地域のさまざまな場所で認知症カフェの輪が広がりつつあります。学生のうちに地域社会と触れ合うことは、これからの人生を考えるうえでとても大切な経験です。少しでも心が躍ったあなたへ。「和ごころ」の活動に、ぜひ参加してみませんか?
はじめの一歩、踏み出す勇気! 熱い思いよ、君に届け!
学長から一言:薬学部の課外ボランティアグループの「和ごころ」が続けて来ている認知症カフェ「CafeGETA(カフェ下駄)」の活動は、今年度もさまざまな企画で展開したようです。なかでも音楽が認知症予防に果たす効果に着目したのが、今年度の目玉だったでしょうか。大学の地元である松永の高齢者を中心に、きっとファンが増え、グループの名前そのものに参加者の皆さんが大いに「和む」場になっていることでしょう。