生命工学部

Faculty of Life Science and Biotechnology

資源利用育成実習(2)「海産魚類の発育」

資源利用育成実習(2)「海産魚類の発育」

3年生の資源利用育成コース履修者を対象とした資源利用育成実習(2)では、ブリの発育段階をスケッチとサイズの計測によって学ぶ実習を行っています。なぜ記録を残すのに写真撮影だけではなくスケッチをするのか、正しいスケッチの書き方、よく観察することの重要さ、等々を学ぶ実習です。

初日は実習の説明を受けた後、ブリの成魚のペーパークラフトを各自で作成し、大人のブリ(成魚)の形態をよく観察します。

ペーパークラフト作成中。早速完成した学生も。同じペーパークラフトでも出来上がったものには個性が出ています。

ペーパークラフトの作成後は、卵から稚魚まで数段階に分けてスケッチです。特に稚仔魚のスケッチは美術のデッサンとは異なり、サイズと縮尺をきちんと考慮して下書きを行い、きちんと書けたことを確認してから専用のペンで墨入れを実施します。また、真っ黒に見える部分を含む色の濃淡や模様のようなものは全て点描で表現します。これまでにも実習で何度かスケッチを経験している学生たちですが、今までで一番細かい書き方の指示を受けたのではないでしょうか。

細かく色々な部位の大きさを測りながらスケッチに反映させます。複数の写真を使って各部位を詳細に観察しながら1枚のスケッチにしています。

後半はスケッチした稚仔魚の色々な部位のサイズを測定して解析しやすいようグラフ作成を行いました。人間でも赤ちゃんと大人で頭身がかなり違うように、魚も生まれてすぐと成魚では全くプロポーションが違います。発育ステージで変わっていくプロポーションのサイズをきちんと測定しそれぞれの全長比を求め、複数の角度から見たグラフを作成します。

グラフはただ作るだけでなく、見やすく整えることも行いました。

スケッチ作成もグラフ作成も実際に種苗生産の研究で行われている内容を体験した実習でした。デッサンのように書くのではなく、スケッチはデータに基づいて書く、ということが理解してもらえたのではないでしょうか。

なお、この実習で作成したブリのペーパークラフトは、国立研究開発法人水産研究・教育機構のHPからダウンロードできるものです。他にもたくさんの魚種がありますので、ご興味があれば検索してみてください。

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