【大学教育センター】2024年度 BINGO OPENインターンシップ事後研修を開催!
この夏のインターンシップで得た貴重な経験を振り返り、今後の大学生活やキャリアにどう活かしていくかを考えるBINGO OPEN インターンシップ事後研修が、9月19日に開催されました。研修では、学生たちの目覚ましい成長や新たに発見した自分自身の強みを実感できる場面が多く見られました。自分未来創造室の栗濱コーディネーターから、学生たちがどのように成長し、次のステップに向けて動き出しているのかについて、報告が届きました。(投稿者:大学教育センター 前田)
【過去の記事】2024.09.11 2024年度 BINGO OPENインターンシップ事前研修を開催!
令和4(2023)年6月に文部科学省、厚生労働省、経済産業省の三省合意に基づく「インターンシップの推進に関する基本の考え方」が改正され、大学生のキャリア形成支援が類型化されました。この改正では、一定の基準を満たしたインターンシップで企業が得た学生情報を、広報活動や採用選考活動に使用できるように見直されました。これにより、学生はインターンシップ就業体験を通じて得た情報をより効果的に活用できるようになりました。
本学は、福山平成大学や福山市立大学と連携し、学生自らが地域の課題を発見し、大学での学びを実践する機会として「BINGO OPENインターンシップ(以下、BOIと略記)」を展開しています。このプログラムの根底にある理念(パーパス)は「地域で活躍する人を、地域とともに育てる」というものであり、地域社会の発展にも寄与しています。
上記「3省合意」の改正は、令和7(2026)年3月に卒業・終了する学生(学部生ならば令和5(2024)年度に学部3年生に進学する学生)が、令和5(2024)年度に参加するインターンシップから適用されます。中小企業やスタートアップ企業においても、職場での就業体験を組み込んだインターンシップの実績を自社の魅力・良さ・仕事のやりがい等を学生に伝える機会と捉えて前向きに参加いただいています。これにより、学生は実際の業務を体験し、企業の文化や価値観を理解することができます。
コロナ禍が明けて経済活動復活に伴い、人手不足もあってインターンシップの需要が高まり、BOIの延べ参加学生は年々増加し(一昨年度:175名、昨年度:177名、今年度:216名)、タイプ3の長期インターンシップ(10日間以上)については昨年度の1名参加から今年度は7名(+6名増)が参加しました。特に、コロナ禍の下ではオンライン対応を工夫しながら継続してきました。今年度の事後研修は9月19日(木)に実施されましたが、以下、参加した学生たちの取り組みの様子を紹介します。
今年度は122社158プログラムの企業・団体・公的機関等より、福山大学、福山平成大学、福山市立大学の3大学から197名(延べ216名)の学生が就業体験に励みました。
「香川キャリア形成支援委員長による開会挨拶」
事後研修は、キャリア形成支援委員長の香川直己教授による開会挨拶から始まりました。教授の強調点は、インターンシップで得た体験を忘れてしまわない早いうちにもう一度掘り起こすことが、就職だけでなく今後の人生においても大きな影響を及ぼすということでした。参加者には、今日の研修を通じて得た気づきを忘れずに、自らの成長につなげるようにとのメッセージがありました。また、BOIでの体験を客観的に見ることや、他者からの助言を受け入れることが、自身の経験をより深く掘り下げることに繋がるので、今日は集中して実りの多い時間にしてほしいとの希望が表明されました。
その後、大学教育センターの前田吉広講師が、「振り返り」についての講義を行いました。振り返りの目的は、単なる反省ではなく、経験を活かして未来に繋げることです。前田講師は、以下の2つの視点を提示しました。
- 体験を経験に変える:体験は瞬間的なもので消え去りますが、経験は積み重なり、将来的な成長に寄与する。
- 自分の言葉で表現する:自分が理解したことを他者に伝える能力は、就職活動や人間関係において非常に重要である。
このような視点を意識することで、学生たちには自らの体験を「ジブンゴト化」して取り組むことが求められました。
学生は、「体験報告書」を基にして、以下の3つの視点から気づきを整理しました。
- 目標設定の適切性:自分が設定した目標は実現可能だったか、平易な設定でなかったか、またその目標に向けた進捗はどうだったか。
- 実習期間全体を通じた変化:インターンシップを通じて自分にどのような変化があったのか。
- その他の気づきや成長:目標以外で得た気づきや成長をどのように感じたか。
さらに、学生は「モチベーショングラフ」と「体験報告書」、「学生評価表」を活用して、より深い振り返りを行いました。この際の考慮ポイントは次の通りです。
- グラフが低い時の対策・改善方法:低下したモチベーションの原因を分析し、どのように改善するかを考察する。
- グラフが高い時の維持方法:高いモチベーションを保つために必要な行動を考察する。
- モチベーションの上下の共通点:自身のモチベーションが変動する理由を探り、次回に活かす。
続いて、BOI体験前(8月7日)の「事前研修」で学んだ「マナー講座」に対して実践できたこととできなかったこと、更に「グループワークの記録」から役に立ったことについてできるだけ多くの気づきについて振り返って同様に書き出しました。
他者の”視点・学び”を参考に、自分一人では思いつかなかった振り返りの視点を知った上で改めて実習を振り返ることで、追加の学びを得ました。次に自分自身の考察を深めるために、「プレゼンシート」を使用して、特に学んだことと成長したことを「目標」、「体験内容」、「成長」等にまとめてBOI体験をお互いに発表しあうための準備を行いました。
ここで、自分自身の視点・考えを他者と共有してお互いの学びあいを行うために、他者の”視点・学び”を参考に、自分一人では思いつかなかった振り返りの視点を見いだし、改めて実習を振り返ることで追加の学びを得て、自分自身の考察を深めたうえで、自分自身の視点・考えを他者と共有してお互いの学びあいを進めて行きました。
次に、学生たちは5~6人の小グループに分かれ、以下の流れでグループ内発表を行いました。
- 自己紹介:各自が自分自身について簡単に紹介。
- 実習先企業・団体名の発表:どの企業や団体でインターンシップを行ったかを共有。
- 学びや成長内容の発表:インターンシップを通じて得た学びや成長について、各自が①~③を4分程度で発表。
フィードバックの役割は以下のように設定されました。
- ポジティブコメント担当:発表者の良い点を2つ以上伝える。
- ネガティブコメント担当:改善点や気づいた課題を2つ以上指摘する。
- 比較担当:自分の経験や考えと発表内容との違いを一つ以上伝える。
- その他残りの人:ポジティブ・ネガティブ・比較担当を任意でフィードバックを行う。
このようなフィードバックの仕組みにより、学生たちは多様な視点から意見を得ることができ、さらなる学びに繋がり、フィードバック内容は、「プレゼンシート」の「フィードバック欄」に記入しました。
次に、キャリア形成委員会の委員毎に選出いただいた6名のグループ代表者が全体共有を行ったのち、選出いただいた教員側から講評を行いました。
今後どのような大学生活を過ごせばよいのか、”何のための事後研修”なのか常に意識を持つために、大学で学んできたことの”何が活かせたか”、”大学生”と”社会人”の違いはどこにあるのか等、他者の学びや成長と自分自身の就業体験を比較して、自分に足りなかった”視点”や”気づき”を得ることの大切さを多様な視点から学びました。
研修の締めくくりとして、香川教授が改めて「人間は経験から学び、未来を予測できる」と述べ、振り返りと未知のものに対しては何らかの記録を残しておくことの重要性が強調されました。示唆に富んだコメントでした。参加者は他者の学びや成長と自身の体験を比較し、自分に不足していた視点や気づきを得ることができました。このプロセスは、今後のキャリア形成において非常に価値のあるものになりました。
最後に大学教育センターの向井勝也特命講師から今後の諸連絡において、今後は、BOIの集大成として「体験レポート」の作成に学生は取り組むことになり、優秀なレポート作成者は11月30日に行われる合同成果報告会で発表する予定であることが提示されました。また、希望する学生には、自分未来創造室のスタッフが個別に「インターンシップ振り返り面談」を通じたサポートを提供します。
4月のオリエンテーションに始まり、11月の合同成果報告会までの6か月余り多角的に学生たちのキャリア形成を促進するのがBOIの最大の特徴で、そのために全学科のキャリア形成支援委員の先生方や就職課等の職員と連携して、今後とも自分未来創造室のスタッフは引き続き学生たちのサポート対応を行って参ります。
「謝辞」
最後に、「地域で活躍する人を、地域とともに育てる」というBOIの理念(パーパス)に賛同いただき、学生に貴重な学びの機会を提供してくださったすべての関係者の皆様に心より感謝申し上げます。自分未来創造室のスタッフは引き続き、学生たちのキャリア形成を支援し、ステークフォルダーの皆様と共に地域の未来を共に育てていく所存です。
学長から一言:自分未来創造室とキャリア形成委員会が協働して推進する本学のBINGO OPEN インターンシップは、実に見事に企画され実行されています。単に実習先企業の手配や割り振りを行うだけではなく、大多数の参加者の実際の企業実習期間は5日間ですが、その前後に事前そして事後の充実した研修が行われるのが特徴。これらをトータルに捉えると、「3省合意」の条件をはるかに越える本格的インターンシップです。関わる教員、スタッフの皆さんの負担は大変なものですが、大きな教育効果が約束されています。