【心理学科】法務省心理技官(矯正心理専門職)、科学捜査研究所研究員、 少年育成官に採用決定!
来月、いよいよ司法犯罪コースがスタートする心理学科。今年度、司法犯罪領域の心理職として3名が採用され、2023年4月から勤務を始めることになりました!
3名のプロフィールとそれぞれの仕事について、指導に当たっていた犯罪心理学研究室の平伸二教授からの報告をお届けします(投稿は学長室ブログメンバーの大杉です)。
心理学科の平です。
犯罪心理学研究室に所属していたゼミ生3名が、司法・犯罪分野の心理職として4月から勤務を始めます。3名ともに犯罪心理学に関する研究と防犯ボランティア活動を通して、将来の仕事として司法・犯罪分野の心理職を目指し、難関の公務員試験に合格しました。
法務省心理技官(矯正心理専門職)に採用!
2020年3月に本学大学院を修了した八神昊聖さん(大阪府立渋谷高等学校出身)は、国家公務員法務省専門職員(人間科学)採用試験に合格し、今春より刑務所で心理技官(矯正心理専門職)の職に就きます。心理技官は、受刑者の改善更生を図るため、面接や各種心理検査を行い、犯罪に至った原因、今後の処遇上の指針を考えます。また、改善指導プログラムの実施、受刑者に対するカウンセリングも行います。本学から心理技官(矯正心理専門職)に採用されるのは初めてです。
なお、心理学科は、2023年度生から心理臨床コースと司法犯罪コースを新設します。そして、司法犯罪コースには法務省で所属長としての勤務経歴のある教授を新たに迎え、矯正心理学研究室が誕生します。これまで警察職員に多くの卒業生・修了生を輩出してきた本学でしたが、八神さんの採用と矯正心理学研究室の誕生は、法務省関係への人材輩出という新たな展開をもたらすことでしょう。
科学捜査研究所研究員に採用!
2023年3月に大学院を修了する白尾綾音さん(宮崎県・日向学院高等学校出身)は、宮崎県警察本部科学捜査研究所に心理研究員として採用されます。白尾さんは、本学大学院には犯罪心理学研究室及び捜査心理学研究室があり、科学捜査研究所勤務経験のある私(平)と大杉朱美講師の指導を受けることが可能なことから、科学捜査研究所への就職を目指すために安田女子大学から進学してきました。大学院では、脳波を指標としたポリグラフ検査の実験研究に励み、日本生理心理学会での発表、福山大学人間文化学部紀要への論文掲載などの業績をあげました。また、公認心理師を目指すために関連科目の単位修得と450時間の実習も受けました。そして、白尾さんは出身県である宮崎県警の科学捜査研究所に心理研究員として採用され、4月からはポリグラフ検査とプロファイリングの職務に就きます。
福山大学関係者で科学捜査研究所に採用されたのは、白尾さんで4人目となります。科学捜査研究所心理研究員は、毎年の採用が全国で5名程度と少ない上に、国立大学や有名私立大学大学院の院生が多く受験します。福山大学では、科学捜査研究所出身の教員2名と助手1名がスタッフとして、科学捜査研究所を含めた警察職員(警察官・少年育成官)希望者の指導を行っています。今後も多くの科学捜査研究所研究員、警察官、少年育成官を輩出していきます。
少年育成官に採用!
2023年3月に心理学科を卒業する田中葵さん(愛媛県立弓削高等学校出身)は、広島県警少年育成官として採用されます。警察少年育成官の主な仕事は、少年やその保護者との面接、さまざまな体験活動を通して、非行や犯罪被害からの立ち直りを支援することです。都道府県警察によって名称が異なり、2017年3月卒業の青木七菜さん(島根県立大東高等学校出身)が勤務する島根県警では少年補導職員と呼ばれています。現在、各都道府県で「補導」よりも「育成」に力を置く方針から、少年育成官に近い名称が増えています。田中さんは、学部1年生の時から、「少年サポートルームふくやま」で非行少年の立ち直り支援のボランティア活動に従事していて、3年生の時には青少年健全育成功労者等県知事賞を受賞しています。
「少年サポートルームふくやま」は、広島県警と福山市の主催ですが、場所は学校法人福山大学社会連携推進センターが提供していて、多くの学生がボランティアに従事しています。また、本学の公認心理師の実習施設としても登録しています。田中さんは、この他にも小学校における地域安全マップ指導、サイバー防犯教室に携わるなど、学部時代に防犯関係のボランティアに多く参加してきました。このような学部時代の経験を活かして、少年の健全育成のために存分に力を発揮してもらいたいと思います。
学生の頑張りをサポートしてきた教員として、これほど嬉しいニュースはありません。それぞれの夢を叶え、それぞれの現場で大いに活躍してくれるものと思います。
司法犯罪コースが新設される心理学科が今後どう進化していくか、皆さんもぜひご期待ください!
学長から一言:心理学科および大学院心理臨床学専攻で人気のある司法犯罪領域で学んだ学部生・院生3人が、専門を活かすのにピッタリの仕事に就くことになったという誇らしく、嬉しい知らせです。皆さんの在学中の勉学やボランティア活動での頑張りが、この結果を生んだものですが、それを支え、温かく見守ってきた教師陣の存在が見逃せません。これからも続々と優秀な人材が巣立っていくことでしょう。