【国際経済学科】韓国(釜山)研修に行ってきました!

昨年の第1回研修に続き、今年の夏も韓国(釜山)研修を国際経済学科の呉青姫講師の引率で実施しました。その楽しい研修の報告が呉講師から届きましたので、国際経済学科の足立がお伝えします。

 


만나서 반가워요!(マンナソ バンガウォヨ,訳:お会いできて嬉しいです)国際経済学科の呉です。昨年度から始まった韓国・釜山研修は、2024年度は9月4日から9月11日までの8日間で実施し、福山大学から計10人の学生が参加しました。

今回の研修において、福山大学、福山大学後援会、福山大学経済学部同窓会から学生たちへの温かいサポートを受け取りました。特に円安の影響で研修の経費が高騰する中、この支援は学生たちにとって大きな助けとなりました。この場をお借りして深く感謝申し上げます。

お蔭様で研修に参加した学生達は、韓国の文化や産業発展に思い存分触れてみることができ、多くの体験を楽しむことができました。今回の研修は主に企業見学、ボランティア活動、文化体験、市場調査の四つの部分に大別できます。具体的には三社の企業見学、二か所でのボランティア活動、ハンボク(韓国の伝統衣装)の着付け体験、消費者行動調査です。その内容を以下では写真とともにお伝えします。

【釜山・金海空港にて】

1.企業見学(Dr. SANTE化粧品会社)

研修参加生の多くが韓国コスメに興味をもっていたため、その要望に応じて、一社目の企業見学はDr. SANTE化粧品会社に見学の依頼をしました。Dr. SANTEは釜山の中心地、釜山駅近くに位置し、周辺にはEXPO会場などもありました。21年の歴史を有していて、昨年度には釜山の優秀企業として第一位に選ばれ、設立当初に比べて現在は売上を30倍以上に伸ばしている成長企業です。

到着すると、ゼン代表とベ取締役をはじめとするスタッフが一階のロビーで熱烈に歓迎してくれました。企業の施設を一巡した後、ベ取締役が日本語通訳付きで簡単な企業紹介をしてくれました。生産とソリューション、コンサルティングの三つの分野を取り扱っており、現在は世界の17か国に商品を輸出しています。

化粧品の製造においては、カモミールから得られる貴重な成分AZULENEを使用した付加価値が高い日焼け止めをはじめとする化粧品を製造しています。AZULENEはカモミール100gで1gしか抽出できないもので、炎症を抑え、肌を落ち着かせる成分です。ソリューション業ではエステサロンや皮膚科・韓医院・美容院などの美容専門家向けの派遣・指導・多様な美容機器の納品を行っており、コンサルティング業ではエステディシャンの養成やエステサロンの創業に関わる業務において多様なアイディアを出しているチャレンジ精神豊富な企業で、今現在は日本市場への進出を計画している段階でした。

社会的貢献として、釜山ロッテ野球チーム、現代サッカーチーム、バスケットボールチームへの協賛や、フィランソロピーとして社会弱者層の支援活動をしていました。

参加者達は韓国コスメへの興味を深め、K-beauty(K:韓国)とB-beauty(B:釜山)の魅力を直接体感しました。B-beautyのトレンドの実態、Dr. SANTEの水平的企業文化、チームワーク作り、国際的ビジネス戦略、スキンケア効果を高めるための先進的技術、サステナビリティを目指す企業的責任について学ぶことができました。このような多くの学びが、参加者たちの将来のキャリアやビジネスにおいて貴重な知識となることを心から願っています。

【Dr. SANTEにて代表と取締役と一緒に】

【ベ取締役からの企業紹介 with日本語通訳さん】

2.企業見学(釜山テクノパーク化粧品工場)

二社目は釜山テクノパーク化粧品工場で、釜山化粧品工場とも呼ばれる当該企業は、釜山の機張郡に位置しています。一般の化粧品工場とは異なり、化粧品の小規模生産を行うスタートアップ化粧品企業をサポートするために、釜山政府が出資をして設立された政府系企業です。主に韓国国内外からOEMの受託製造を受けて少量生産に特化しています。

2019年12月に竣工した同工場は、優秀化粧品製造および品質管理基準(CGMP、ISO22716)を満たしている釜山唯一の化粧品製造施設です。現在は釜山の地域ビューティー産業で中枢的役割を担っています。

迎えてくれたのはテクノパーク長のキム氏とスタッフの皆様で、1時間ほど工場内の隅々を案内していただきました。特に印象的だったのは工場内で最も重視されているのが不純物、特に埃と気圧の管理であるとのことでした。そのため、工場内に入る際には微細な埃を防止するために帽子を被って、ガウンを着て、靴カバーをつけ、各製造エリアに移動する際には最後の人がきちんとドアを閉めて見学をしました。埃に関しては、化粧品の製造過程で通常は30種類以上の成分を混ぜるため、微細な埃が混ざると化学反応を起こし、製品が台無しになる可能性があるとのことです。また、気圧に関しては、生産エリアごとに気圧の差があり、そのレベルが三段階に分類されています。それぞれのドアの右上には気圧計が設置されており、気圧が高いゾーンではエアコンを付けなくても、真夏でも寒さを感じるほどでした。気圧を重要視する理由は、水性と油性の成分を巨大釜のようなランダムミキサーで混ぜたり、ボトルや容器に詰めたりして完成品を作る際に、常温だと化粧品が容器から溢れ出るのを防ぐため、関連のエリアでは気圧を高める必要があるからです。また、精度が高い蒸留水を常に生成することで、化学反応を防ぎ、製品の純度を高めています。さらに、生産したすべての商品のサンプルを使用期限までしっかりと管理して顧客のクレームに対応していました。

見学では参加者達はK-beautyの最先端技術、品質管理と材料管理、そして生産・製造の全生産過程を見学することができたので、国際的視野の拡充ができたと同時に韓国化粧品産業の川上の様子を知ることができました。今回の見学を通じて品質管理の重要性とその実践的なアプローチを学んだのはもちろんのこと、理論の実践的応用方法に関しても学ぶことができたので、今後はJ-beautyすなわち日本のコスメの生産・輸出に関しても更なる関心をもつきっかけとして、さらには多角的視点から国際的ビジネス環境での適応力を高めるための重要なステップとなることを願っています。

【寒さを感じる工場内でランダムミキサーの回転の説明を聞いている様子】

【ボトルを詰める作業場で液体化粧品の詰め方の説明を聞いている様子】

【見学の最後はキムテクノパーク長と一緒に】

3.企業見学(新星デルタ・新星モルド)

三社目は、釜山市の隣の都市である昌原市に位置する新星グループの生産工場を三か所訪問しました。新星グループは幅広いビジネスを展開している大企業ですが、今回訪問したのは新星デルタ(家電工場)、新星モルド(金型製造)、新星オートモティブ(自動車部品工場)の三社でした。それぞれ1987年、2003年、1996年に創業しており、新星オートモティブの創業当初には広島に本社を置く高木デジタルの技術的支援を得ていたとのことでした。

朝方、新星デルタに着いたら、正門まで迎えにきてくださったのは30年前に日本で短期留学の経験があるR&D 担当の朴常務理事をはじめとする人事課やR&D課の皆様でした。朴常務理事が自ら日本語で工場の案内をしてくださったため、参加者一同は直接日本語で交流ができて喜びました。

まず、新星デルタは家庭用電化製品の部品生産がメインであり、韓国国内外の大手企業に家電製品とその部品を提供する家電用製品工場です。広い工場内は、家庭用の電気コンロ、洗濯機、電子レンジ等を生産するエリアに分かれていました。電気コンロ・洗濯機・掃除機・空気洗浄機・電子レンジに関しては設計から自社で生産するODM生産をしているが、特にその中でも電気コンロの場合はすべての設計・部品生産までを自社内で行われ、完成品はLGブランドとして市場で販売されていて、その生産量は韓国国内で一位を誇っているとのことでした。また、工場内で使用されている三台のメインの生産用ロボットと機械は、評価を受けている日本製を輸入して生産に利用しているのとのことでした。

次に、新星モルドと新星オートモティブの工場を見学しました。どちらも自動車関連の製品を生産していました。新星モルドは金型製造をメインとし、270℃の高温で瞬時に金型を作るため、製造エリアはエアコンをつけても常に高温状態でした。技術者以外の人はそのエリアに立ち入ることはほとんどなく、生産した部品を検品・包装をする労働者達が働くエリアは製造エリアと遮断され、涼しい労働環境が整えられていました。

一方、新星オートモティブは車のバッテリーと関連の部品の生産を行っていて、世界の8か国の22か所の法人と取引関係があり、世界で27か所の作業場をもっていて、最も遠い作業場はポーランドにあります。生産したバッテリーは、日本だと日産と三菱に提供されており、その他にもルノーやアメリカ向けのバッテリー生産も行っています。倉庫にはアメリカ向けの輸出基準を満たした商品が整然と並んでいました。

見学の最中、新星オートモティブのユン代表取締役がご多忙な中、お時間を捻出して下さり同席をして下さったお蔭で、参加者達は会議室で会談しながら企業のビデオ紹介を観賞できました。今回の見学では、製品の設計と生産プロセス、品質管理と生産技術、市場適応と国際競争力、グローバルなサプライチェーンに関して学ぶことができました。このような見学が、参加者にグローバル企業の製品の生産プロセス全体を把握することで、生産に関する実践的な知識を得ることができ、国内外での販売と輸出を通じて、グローバル市場での競争と戦略についての理解を深めることができたことと思います。

【新星モルドでロボットによる金型の製造様子を見学】

【新星オートモティブのグローバル拠点の地図の前で】

【新星オートモティブの社長と一緒に】

4.ボランティア活動(義人イスヒョンさんのお墓参り)

早朝に釜山市立公園(霊園)に向かって、義人イスヒョンさんのお墓参りをしました。義人イスヒョンさんは2000年に日本語学校に留学をしていましたが、2001年1月26日の19時15分頃に、東京の新大久保駅にて線路に落ちた日本人男性を救うため、自らの身を顧みずに線路内に降り、その命を落としました。2001年4月9日に釜山広域市教育庁がその勇敢な行為を称えて、追悼事業の一環として釜山私立公園にお祀りすることになりました。

韓国では多くの人がその勇敢な行動を周知しており、広い墓地でエリアを彷徨った際にも、周囲の人に尋ねるとすぐに知っている人物でした。福山大学生達は、一人ずつお墓の台と碑をきれいに拭き掃除をし、白菊の花束を捧げ、日本から持参したお菓子と折り紙鶴もお供えし、一人ずつ線香をもって黙祷を行い、全員で手を合わせました。

イスヒョンさんは前世では人のために自分の命をささげた徳を積んだ義人であるので、安らかに眠って頂けることを全員一同静かにお祈りしました。このようなボランティア活動は、義人の精神を尊重し、彼の行動に対する深い感謝の意を示すとともに、自己犠牲や人道的な精神について深く考える時間となり、同活動から得た経験や感動が国際的な絆の強化となって、将来の国際的な交流や協力の基盤となることに違いありません。

【義人イスヒョンさんのお墓の前で感謝の気持ちを共有している様子】

【義人イスヒョンさんのお墓をきれいに掃除している様子】

【福山大学の経済学部の学生が義人のお墓参りに行ってきました】

5.ボランティア・交流活動(そこそこカフェ、釜山韓日交流ネットワーク)

もう一つのボランティア活動は、韓国の日本語学習者に日本語を教えるものでした。今年設立10周年を迎えた「そこそこカフェ、釜山韓日交流ネットワーク」というボランティア団体と交流活動を行いました。参加者は大学一年生から大学院生、さらには社会人など、幅広い層の若者たちが集まりました。また、日本語のレベルも様々で、全くの初級者から上級レベルの学習者までが混在していました。交流活動はボランティアとお食事懇親会の二つのステップで進行されました。

ボランティア活動では、7つのグループに分かれて、福山大学の学生がリードして多くの質問を投げかけ、韓国人学習者が日本語で回答する形式で行いました。シェアハウスで実施され、大変賑やかなムードの中、みんなが喜び合いながら楽しく日本語を学ぶことができました。

【日本語ボランティアの様子 その1】

【日本語ボランティアの様子 その2】

【日本語ボランティアの様子 その3】

【日本語ボランティアの様子 その4】

食事懇親会では、韓国側がチヂミ、ブデ鍋、トッポギを用意し、福山大学側では焼うどんと焼き鳥、焼肉を用意しました。交流時に時間を短縮し、失敗のないおもてなしをするために、福山大学の学生達は前日から材料の購入し、焼き鳥の仕込みを夜遅くまでみんな一緒にしておき、朝早く起きては焼うどんを作って準備を整えました。食事会では、国際経済学科2年次の小林こころさんが焼うどんの作り方をみんなの前で披露してくれました。さらに、いい思い出を作るために、用意して持参したメッセージボードに励ましのメッセージを書いて贈り、そこそこグループのメンバーからも記念にメッセージを書いてもらいました。本来は屋上で実施予定でしたが、猛暑のため屋外では行えず、シェアハウス内での交流となりました。食事後には、日本と韓国のゲームで盛り上がり、とても友好でいいムードの中で実施されました。「そこそこ」のキム代表が盛り上げてくれたお蔭で、スムーズに進行ができたことに感謝します。

【前日の仕込みの模様】

【前日メッセージボードを用意している模様】

最後には、福山大学生が日本から持参した伝統的なおやつ(うまい棒、柿ピー、梅干し、焼きそば)を折り紙の鶴と一緒に包装し、韓国の参加者の名前とメッセージを貼り付けた上で、福山大学のクリアファイルと共にプレゼントしましたが、このプレゼントは非常に喜ばれました。交流会の終了後には、皆で外まで手を振りながら見送りました。このような活動が、異文化理解の深化や言語スキルの向上、コミュニケーション能力の向上、人間関係の構築、多様な考え方の学び、リーダーシップの発揮などなど、参加者に自己肯定感を高め、創造力の強化や自己成長と自信の向上に繋げることで将来の成功に寄与できることを願っています。

【お食事懇談会の様子 その1】

【お食事懇談会の様子 その2】

【交流後の記念写真】

6.交流活動(釜山外国語大学と交流&テコンドー体験)

2022年に福山大学と交流の協定を締結している釜山外国語大学では、午前と午後に分けて交流活動を行いました。午前中には日本語融合学部のユン教授の日本語の授業に参加して交流活動をし、午後には社会スポーツ学科のチェ教授のもとで韓国式空手であるテコンドーの体験をしてから、国際交流チームの案内でキャンパスツアーをすることで、充実した楽しい一日を過ごしました。

【釜山外国語大学のメインキャンパスにて】

午前中は、ユン教授の初級日本語の授業に福山大学生がコラボして交流をしました。釜山外国語大学の学生は、多くは入学して二週間目を迎えた一年生で、日本語が全く分からない学生もいれば、両親の仕事の関係で10年以上日本に滞在していた学生もおり、レベルのギャップがみられました。交流の前半は、福山大学生がリードする形で多くの質問を投げかけ、釜山外国語大学の学生たちが日本語やその他の言語で応答する形式で交流しました。後半では、釜山外国語大学の学生がリードしながらキャンパス内を案内する活動を行いました。二コマ分という非常に短い時間でしたが、最後にみんなに感想を尋ねたところ、一般の楽しさを超えて「大谷は私の親友です」という韓国人学生がいるほど、交流がよい思い出になったことが窺えました。韓国人の学生の多くは、学期初めから日本人学生と交流できたことが今後の日本語学習の弾みになると肯定的に評価してくれて感無量でした。書かれたメッセージボードには、「次会った時には日本語で交流しましょう」、「また会いましょう」、「日本人の友達ができて嬉しいです」といった喜びのメッセージが多かったです。福山大学生も日本語を頑張っている釜山外国語大学の学習者に励ましのメッセージを送りました。

【釜山外国語大学での交流活動の様子】

【ユン教授のクラスの学生と記念写真】

午後には体育館に移動して、チェ教授の指導のもとで約一時間のテコンドー体験をしました。準備動作や基本姿勢、注意事項の説明の後、テコンドーの基本動作であるキックを三種類教えてもらいました。フロントキック、サイドキック、バックキックの3つの基本動作は低い位置から高い位置まで三段階に分けて練習しました。二人一組で、片方がシングルミットをもち、もう片方がキックを行い、交替交替で練習しました。最終段階では、ミットに代わって二枚の木の板を蹴れるレベルにまで上達しました。安全についての説明をしっかりしていただいたお蔭で、誰一人怪我もなく練習ができて、みんな非常に達成感を感じていました。

【テコンドー体験中の様子 その1】

【テコンドー体験中の様子 その2】

【テコンドー体験中の様子 その3】

今回の交流が福山大学の学生には、自己認識を深める機会になっただけでなく、積極的な社会参加の意識やグローバル意識の刺激となり、学問的知識を超えた多面的成長の必要性を感じさせるいい契機となりました。今回の交流活動の窓口となってくださった釜山外国語大学の国際交流チームをはじめ、楽しい交流活動ができるように支えて下さった各先生方には重ねて感謝致します。

7.文化体験(釜山市立博物館での着付け体験)

韓国の服飾文化に浸ってみるため、釜山市立博物館を訪れ、着付け体験をしました。韓国の伝統衣装として知られているハンボク(韓服)は、長い歴史の中で変化してきましたが、現在のようにチョゴリが長い形のハンボクを着用しはじめたのは、16世紀後半ぐらいからだそうです。宮中服と一般服が用意されてありましたが、私たちは一般服を選びました。一般服と言っても身分によって、「カッ」と呼ばれる黒色の傘の帽子が男性の外出用に使われており、その飾りで身分の等級を示していました。大きな宝石を付けた人ほど身分が上とのことです。また、裕福な家庭のボンボンの衣装も見分けがつくほど異なっていました。このように参加者達は韓国の伝統衣装の着付けを通じて、その歴史や社会階層を学ぶことができました。このブログをご覧の皆様は、次の写真で誰の身分が上なのかを当ててみてください。ハンボクに着替えた途端、みんながトキメキ韓国ドラマ「成均館スキャンダル」の主人公のように見えました。自分一人ではなかなか体験できない韓国の伝統衣装の体験を、皆と一緒に楽しくできたことに、参加者一同は大満足でした。

【ハンボクの着付け体験 その1】

【ハンボクの着付け体験 その2】

8.市場調査(チャガルチ市場エリアと機張市場エリア)

参加者はそれぞれ韓国研修で異なる調査テーマをもっていましたが、その多くは消費者行動に関するものでした。参加者が興味をもっている内容は、大体五つのカテゴリーに分けられます。①韓国のコスメ(男性用化粧品と女性用化粧品)、②韓国伝統の食事、③射撃という国民的スポーツ、④庶民がよく通っているスーパーマーケットの実態、⑤キャッシュレスの普及度等々でした。化粧品販売、日用品販売、食料品販売など異なる関心に一気に応えるために、自由行動時間を設けました。

主に二つのエリアを見て回りまりましたが、一つは釜山一の鮮魚市場であるチャガルチ市場エリアで、もう一つは蟹が有名な機張市場でした。特に前者のエリアには、鮮魚市場のほかにも、日用雑貨が安く手に入る国際市場、グルメとお土産ショップが多いプピョンカントン市場、おいしいグルメ屋台が軒を連ねていて有名な俳優や女優の手形とサインが地面に飾られているBIFF広場、百貨店並みの豊富な品ぞろえのロッテマートなどが集中しているエリアであったため、半日をかけて各自が調査したいテーマに沿ってゆっくり見て回りました。その結果、各自課題解決に役立つ情報を得る良いフィールドワークになりました。

【チャガルチ市場にて】

【国際市場にて】

【プピョンカントン市場にて】

【BIFF広場にある釜山映画館前の有名人の手形とサイン】

9.市内観光

釜山の魅力を感じるため、二か所の観光地を巡りました。一つは珍しく海に建てられた東海龍宮寺で、もう一つは高い丘の上に軒を並んでいる甘川文化村です。前者は、韓国で非常に有名な仏教寺院で、重要な宗教的・文化的スポットとなっていますが、BBCで紹介されたこともあったことから、欧米の観光客が多く訪れていました。海と寺院の絶景が魅力で、海岸線に沿って建てられ、仏教文化と自然、言い換えると仏教建築と美しい海の景色を一緒に楽しむことができました。後者は、1960年代から70年代にかけて急速に形成された貧困地区が、戦後の復興とともに開発を行い、2000年代に入ってから文化的な再生と観光開発が進められて現在は観光地として人気を集めていました。鮮やかな色彩とユニークなデザインで装飾されている家々、カラフルなストリートアートや壁画は地域の文化や歴史を反映していました。村のシンボルとなる星の王子様の展望台では市内を一望でき、記念撮影スポットとして撮影のために列ができるほどの大人気場所でした。今回の観光を通じて、参加者は韓国の宗教的な価値観や歴史に触れることができ、アートが地域社会に与える影響などに関して学ぶことができ、異文化理解を深める機会となりました。

【海東龍宮寺の入口にて】

【海東龍宮寺の展望スポットにて】

【甘川文化村の休憩場にて】

【甘川文化村の星の王子様の展望台】

10.共同生活(シェアハウスにて)

今回の韓国研修では、参加者の全員が広々としたシェアハウスで共同生活を行い、日々の生活を共にしながら、韓国の文化や習慣を深く理解する機会となりました。シェアハウスには設備が整ったキッチンと広いリビングルームがあり、みんなで料理を作ったり、団欒の時間を楽しんだりできました。生活の一環として、参加者はグループに分かれ、それぞれが交替で夕食を担当しました。グループごとにメニューを考え、食材を購入し、料理を作るというプロセスは協力とコミュニケーションの重要性を学ぶ貴重な経験となりました。

夕食のメニューには、日本と韓国の折衷料理が中心で、毎晩賑やかで喜び合う時間を過ごしました。例えば、ある日には卵を30個も使った超ジャンボオムライスを作り、全員が驚きのあまり大歓声を上げた日もありました。かと思うと、別の日にはお互いの恋話や趣味について語り合いながら心温まるひと時を過ごしました。料理を通じて自然に会話が弾み、参加者間の絆を強め、充実した時間を過ごせました。最終的には、お祝いすべき三人とおいしいケーキをシェアして、いい思い出作りができました。この韓国研修の体験は、参加者全員にとって非常に充実したものとなり、共に過ごした時間が素晴らしい思い出となりました。

【卵30個で作った夕食用の超ジャンボオムライスで夕食】

【3人の記念パーティー】

【そこそこグループと釜山外国語大学との交流記念】

11.参加者の感想

経済学部国際経済学科2年生 大谷洵史

今回の韓国研修では、様々な貴重な体験ができました。特に、釜山外国語大学の方たちとの交流は私にとってとても刺激のあるものとなりました。私が交流した班の方たちはみんな来日経験があり、日本語がとても上手でした。なぜ日本語を学ぶようになったかを尋ねたところ、日本のアニメが好きだったり、趣味で学んでいたり、答えはさまざまでした。また日本語が話せるだけでなく、日本の文化にも詳しく、とてもすごいと感じました。私も韓国語をもっと話せるようになりたいと思うと同時に、韓国の文化についてもさらに深く知りたいと思いました。この研修を通して、いろんな発見があり、もっと海外の方と話してたくさんのことを知りたいと感じました。この経験を大事にしたいです。韓国人は伝統的な食事がメインかと思ったら、焼肉屋やバーガー店、ファストフード店が多かったです。物価は日本と変わらないか、あるいは安いのもあったので、韓国人の日本へアウトバウンドの理由が分かりました。

 

経済学部経済学科2年生 横山翔平

今回の韓国研修では、さまざまな体験・経験をし、多くの学びを得ることができました。例えば、現地の人々や学生との交流でコミュニケーションを取ってみて、語学力の必要性を実感し、異文化理解を深めることができました。現地の学生を対象に行った化粧品に関する調査では、当然ながら化粧品に対する意識や1か月あたりにかかる消費額は十人十色でしたが、コスパの良さや使いやすさ、使用感の良さなどを求める声が多かったのが印象的でした。また、韓国の食文化や生活習慣を体験し、非日常に驚きつつも楽しむことができました。経済面では、生活必需品を中心に値段が高価である印象を受けました。この研修は、国際的な視野を広げ、今後の学びやキャリアに役立つ貴重な経験になりました。

 

経済学部国際経済学科2年生 上田奈央

私は韓国に行くのが初めてで、少し不安もありましたが、現地では一緒に行ったみんなのお蔭で常に楽しむことができました。韓国の学生さんと交流する機会があったのですが、彼らは日本語がとても上手で尊敬の気持ちでいっぱいです。言葉の壁が高いなと感じたので、私も韓国語を勉強して現地の人と話せるようになりたいと思いました。また、韓国のスーパーは小規模な八百屋さんのようなところから業務スーパーのような大型店舗までありました。中でもeマートは規模が大きく、大量買いにおすすめです。普通の旅行では味わうことのできない貴重な体験ができて、とてもいい思い出になりました。最後に、補助をしていただいた後援会、経済学部同窓会、大学関係者の皆様には感謝申し上げます。

 

 

学長から一言:今年で2回目の経済学部国際経済学科の韓国研修は実に豊富で充実した内容。たくさんの写真と詳細な説明を通じて、研修の様子が手に取るように伝わって来ました。準備から引率の大任を一人で果たした呉青姫講師、本当にお疲れ様でした。韓国コスメから自動車産業など勢いのある韓国経済を肌で感じる経験やシェアハウスを利用しての韓国の若者との交流、種々の文化理解や、先年東京で日本人を救おうと自らの命を犠牲にした勇気ある韓国人留学生イスヒョン氏の墓参までプログラムされた、海外研修の稀に見る成功例です。